当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
当事業年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による緊急事態宣言の解除から始まり、景気の回復が期待されましたが、変異株「オミクロン株」の感染拡大とそれに伴うまん延防止等重点措置の適用、コロナ禍による半導体不足や急激な円安の進行に伴う為替相場の変動など、いまだ景気回復の先行きは不透明な状況が続いております。
一方、世界経済においてもウクライナ情勢の長期化による世界の不安定化と原油や資材価格の高騰などによってさまざまなモノの価格がかつてない範囲で高騰し、先行き不透明感が増す状況となりました。
このような環境の中、当社におきましては、学校給食以外の民間の社員食堂等の事業所給食分野を拡大させるべく案件獲得に注力した活動を実施してまいりました。
このような環境の中、当期の業績概要は以下のようになりました。
新型コロナウイルス感染症による販売活動への影響が期初の想定以上に長期化し、事業所給食分野において厨房予算の縮小化や施工時期の先送り等が顕著になり、また、想定した案件の獲得に至らず、売上高が期初の予想を下回る事となりました。原価低減や経費削減に取り組んだことによる一定の成果は得られたものの、売上高減少による影響を補うには至りませんでした。これらの結果、機器設備案件の売上額は1,649,651千円減少し13,007,327千円を計上することとなりました。また、機器の修理額及び食器等の販売額は、アフターサービスを充実させた事等により前事業年度より55,933千円増加し2,460,432千円となりました。なお、本稿では、当事業年度の顧客市場の動向及び当社の事業活動の状況を経営成績と関連付けで分析するにあたり、損益計算書における製品売上高と商品売上高に含まれる機器設備関連の売上を機器設備売上高とし、損益計算書における製品売上高と商品売上高に含まれる修理・保守及び食器などの備品売上を修理備品売上高と標記しております。
これらの結果、当事業年度の売上高は15,467,759千円(前期比9.3%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、広告宣伝活動の強化に伴い広告宣伝費で42,355千円の増加、売上高の減少に伴い運賃及び荷造費で89,288千円等の減少により、3,970,718千円(前期比0.2%減)となりました。
営業外損益は、営業外収益では仕入割引が4,560千円減少したこと等により26,406千円(前期比12.1%減)となりました。営業外費用では上場に伴う上場関連費用が17,393千円、株式交付費が6,864千円発生したこと等により28,712千円(前期比525.8%増)となりました。
利益については、売上総利益は4,313,953千円(前期比7.0%減)、営業利益は343,235千円(前期比48.3%減)、経常利益は340,929千円(前期比50.6%減)、税引前当期純利益は328,975千円(前期比51.0%減)、当期純利益205,933千円(前期比52.9%減)となりました。
なお、当社は業務用厨房機器製造、仕入、販売及び保守修理事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
財政状態は、総資産で前事業年度末に比べ204,861千円増加の12,737,422千円となりました。
資産の部は、商品及び製品が209,717千円、リース資産が189,743千円増加したものの、現金及び預金で276,119千円減少となった結果、前事業年度末に比べ204,861千円増加しました。
負債の部は、流動負債で未払法人税等の減少により193,348千円減少、未払消費税等の減少により126,530千円減少となった結果、前事業年度末に比べ287,901千円減少の6,410,015千円となりました。
純資産の部は、株式発行により資本金が201,949千円、資本準備金が201,949千円増加したことにより前事業年度末に比べ492,762千円増加の6,327,406千円となりました。
当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前事業年度末に比べ276,119千円(前期比減8.2%)減少し、3,073,591千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ1,396,519千円減少し、361,720千円の支出(前年同期は1,034,798千円の収入)となりました。主な資金増加要因は、税引前当期純利益328,975千円、減価償却費171,546千円及び売上債権の増加額3,749千円であります。主な資金減少要因は仕入債務の減少額59,906千円および法人税等の支払額305,246千円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ46,899千円減少し、81,563千円の支出(前年同期は34,663千円の支出)となりました。主な資金減少要因は有形固定資産の取得による支出77,475千円、有形固定資産の除却費用として35,470千円等であります。主な資金増加要因は、PFI事業におけるSPCへの長期貸付金の回収額9,037千円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ374,885千円増加し、167,163千円の収入(前年同期は207,721千円の支出)となりました。主な資金増加要因は株式発行による収入403,898千円であります。主な資金減少要因は長期借入金の返済額84,000千円、配当金の支払額116,825千円等であります。
生産実績は次のとおりであります。
(注) 金額は、製造原価によっております。
商品仕入実績は次のとおりであります。
受注実績は次のとおりであります。
(注) 金額は販売金額で表示しております。
販売実績は次のとおりであります。
(注) 総販売実績の10%以上の主要顧客はありません。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、決算日における資産・負債の決算数値及び偶発債務、収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」および「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりでありますが、財務諸表に重要な影響を与える可能性のある見積を含む会計方針は以下の通りであります。
当社は、製品・仕掛品・原材料及び商品並びに貯蔵品に係わる貸借対照表価額は、収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により算定しております。期末日以降における顧客の需要及び市況により収益性が見積以上に悪化した場合、評価損の追加計上が必要となる可能性があります。
当社は、債権の貸倒損失に備えるため一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。経済環境や取引先の経営環境の急激な悪化などに起因し、貸倒実績率を超える債権の貸倒れや回収遅延が生じた場合、評価損の追加計上が必要となる可能性があります。
当社は、退職給付費用及び債務の計上において、将来の金利の動向・退職率・割引率等の一定の前提に基づいて計算しております。将来の不確実な経済条件の変動等により前提条件の見直しが必要となった場合、退職給付に係る費用及び債務の追加計上が必要となる可能性があります。
当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産の回収可能性の判断に重要な影響を与える可能性があります。
当事業年度の売上高は、前期比9.3%減の15,467,759千円、営業利益は同48.3%減の343,235千円、経常利益は同50.6%減の340,929千円、当期純利益は同52.9%減の205,933千円となりました。詳細につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績」に記載のとおりです。
当社は、中長期的に持続的な成長を図るため、生産能力の増強や労働生産性の向上、販売・物流体制の整備、研究開発体制への投資を計画しております。事業を成長・拡大させるための資金需要があるほか、必要に応じてM&A等を行う可能性もあります。当該資金は、営業活動で生み出される内部資金で賄うこととしておりますが、資金需要の大きさや時期、金融マーケットの状況によっては、自己資金以外の資金調達の方法を検討する場合もあります。
外部からの調達に関しましては、大型の設備投資資金は国内金融機関からの長期借入金を中心とした調達を行い、運転資金や小規模な設備資金は短期借入金で調達しております。迅速かつ効率的に調達を行うために、取引銀行と貸出コミットメント契約、当座貸越契約など総額44億円の借入枠を確保しており、資金の流動性は確保しております。また、M&Aや工場建物など大型の超長期資金需要に対しては、資本コスト、金利動向などを考慮し、新株発行や社債発行などの直接金融を検討する予定であります。
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社では、人にやさしい、環境にやさしい新製品の開発ならびに付加価値を強化することにより、自社製品力およびブランド力を強化する経営戦略を推進しております。この達成状況を判断するための指標として、売上高、製品売上高、売上総利益、営業利益を重視しております。
当事業年度を含む過去3期の各指標の実績推移は以下のとおりです。当事業年度におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大防止による販売活動への影響が期初の想定以上に長期化し、事業給食分野において厨房予算の縮小化や施工時期の先送り等が顕著となり、また、想定した案件の獲得に至らず、売上高、売上総利益及び営業利益が期初の予想を下回る事となりました。
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