課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、リユース事業を核に生活ニーズに密着した分野で積極的に事業展開を進め、継続的かつ安定的な成長を目指します。また、経営理念の具現化のために、従業員がその能力を最大限発揮することで一人では決して成しえない大きな成果を生み出す組織を目指します。そして、そうした取り組みを通して、循環型社会の実現に貢献してまいります。

 

(2)中期経営計画

①成長に向けた5つの経営方針

(a)リユース事業の成長

 ・リアルの買取/販売拠点かつEC販売の拠点となる店舗を年間20~30店のペースで関東、関西、中部、九州などを中心に出店し、リユースのネットワークを拡大する。
 ・リユース事業を行うグループ会社の収益改善により、連結への継続的な利益貢献を実現する。

(b)新規事業への投資

 ・関東と関西にて、物流拠点を拡張し、BtoBオークション事業を本格展開する。
 ・買取と引越をセットで行う当社独自の買取引越事業を、提携引越会社との連携に加え、自社で引越部門を持ち引越サービスを提供することで、成長を加速させる。
 ・成長著しいレンタル事業に継続投資し、新たな事業の柱とする。

(c)海外市場での成長

 ・タイ事業は確固たる利益体制の構築と新規店舗の出店を進める。
 ・新たに進出した台湾において、早期に1号店を出店し、リユース事業のモデル構築と単年度黒字を目指す。

(d)M&Aによる成長

 当社と補完関係があるリユース企業や引越運営企業などグループ内でシナジーが発揮できる企業のM&Aを積極的に実行する。

(e)DX投資による成長

 自社システム部門及びシステム子会社の開発力を活用し、AIなどを使った業務効率化や査定効率化、デジタル投資による新たな買取機会、販売機会の創出等によりグループ収益を伸ばしていく。

 

②中期損益計画

 

2023年2月期

2024年2月期

2025年2月期

売上高

253億円

278億円

310億円

経常利益

11.1億円

13.2億円

15.8億円

経常利益率

4.4%

4.7%

5.1%

親会社株主に帰属する当期純利益

7.4億円

8.7億円

10.5億円

年間出店数

20~25店

25~30店

25~30店

※中期損益計画は適宜見直しを行う可能性があります。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題等

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、人々の生活様式は変わり、在宅時間の増加などにより消費スタイルにも変化をもたらしました。そのような変化に対応すべく、当社では、リモートワークや在宅時間増加によって需要が増えた中古の家電、家具の扱いを一層強化するとともに、ファッションやブランド品を中心にEC出品を大幅に増やしEC販売体制を強化することなどに注力しております。新型コロナウイルスの影響は当面継続することが見込まれるため、その影響による変化に迅速に対応しながら、今後も経営を進めてまいります。

 一方、SDGsの推進、そしてサステナブルな社会構築に向けて人々のリユースへの意識が高まっていることを背景に、中古品小売市場は引き続き拡大しております。また、大手リユースショップチェーンの多店舗展開やインターネット経由の中古品の売買サービスの浸透などにより、業界内の競争も進んでおります。

 このような環境下で、更なる事業成長を推進するためには、広域での店舗展開体制の確立、商品の確保及び人材の確保と育成、インターネット経由の売買の強化などが課題となります。具体的な課題と対処策は以下のとおりであります。

 

 ①広域での店舗展開

 物流の効率化、地域における知名度の向上などを実現するために首都圏、関西圏を中心にドミナント戦略(注)による直営店の出店を行っております。今後も、それら地域でのドミナント出店を継続するとともに、その他の地域にも出店してまいります。広域に多店舗展開するために、店舗開発体制を強化し、出店用物件の迅速かつ十分な確保を図るとともに、遠方店舗への商品支援体制強化を進めてまいります。

(注) 特定の地域に集中して出店を行うこと。

 

 ②商品仕入の強化

 店頭買取、出張買取及び宅配買取の3本柱を軸に一般買取の強化を進めてまいります。店頭買取においては、ポイントサービスを活用した顧客還元の強化や実店舗だからこその利便性の提供に努めてまいります。あわせて、大型家電・家具などを中心に買い取る出張買取の強化、買取と引越サービスを一括で提供する「トレファク引越」の拡大、そしてインターネット経由で全国から買取を行う宅配買取の強化により、一般買取案件の増加を図ってまいります。また、異業種の企業等との提携を推進し、各提携先が有する顧客に当社の買取サービスを紹介し、ご利用いただくという取り組みも進めてまいります。一方、一般買取以外の仕入れでは、自社運営のオークションでの売買を通じた仕入れや新品・中古品取扱業者等からの法人仕入を引き続き強化してまいります。

 これらの商品仕入強化及び自社オークション事業拡大に向けて、物流センターも増床し、新店用在庫及び既存店への補充在庫の十分な確保と共有体制の整備を進めてまいります。

 

 ③人材の確保と育成

 当社グループの展開する事業は、多種多様な商材を取り扱い、日々変化する顧客ニーズに対応するため、マニュアルだけに頼らない柔軟な店舗運営が求められます。そのため、自ら状況に合わせて思考・行動できる自律型人材の確保・育成が必要となります。

 年間20店以上の出店に向けて、優秀な人材を十分に確保していくため、新卒及び中途採用を強化するとともに、パート・アルバイトからの社員登用にも積極的に取り組み、人材の確保に努めてまいります。

 また、それらの人材が早期に活躍できるよう、教育研修部門が中心となって研修内容の充実を図り、確保した人材の早期戦力化と定着化を図ってまいります。

 

 ④インターネット経由の売買の強化

 新型コロナウイルスの感染拡大を背景にした人々の消費スタイルの変化等により、インターネット経由のリユース品の売買は拡大しております。当社では、総合的な品揃えの「トレファクONLINE」と衣料服飾雑貨を扱う「トレファクファッション」などの自社ECサイトを運営し、一品モノである商品をECサイトに出品するオペレーションの効率化に取り組んでおります。引き続き各サイトのユーザビリティー向上とEC出品業務効率化を進め、リアルの店舗に加えECサイトでの品揃えも拡充し、顧客にとっての利便性向上に努めてまいります。

 

 ⑤新規事業への取り組み

 中期的な成長に向けて、新規事業への投資及びその育成に取り組んでまいります。具体的には、ドレスレンタル事業「Cariru」やリユースのBtoBオークション事業である「トレファクライブネットオークション」、買取と引越を一括で提供する「トレファク引越」、不動産の売却まで一括で請け負う「トレファク不動産」、終活・生前整理の際の買取処分サービス「Regacy」などのリユース周辺事業への投資を進め、これらの周辺サービスを強化することでリユースのプラットフォームを構築し、顧客利便性を高め、収益獲得機会の増加に取り組んでまいります。

 

 ⑥海外事業への取り組み

 当社では、海外においても消費者のリユースの機会が増えていくことを想定し、海外でリユース事業を展開しております。具体的には、タイ国においてリユース事業を展開しており、今後、台湾にも本格的に進出する計画であります。進出国の現地のニーズを捉え、現地における買取を増やし、安定的に店舗運営できる体制を構築し、多店舗展開に向け事業基盤を整備してまいります。

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