当社グループでは、中期経営計画「ACTION22-24」の基本方針の中で、「新中核事業に続く新たな成長の芽の育成と研究開発の推進」、「地球環境に配慮した製品や社会課題を解決する製品のさらなる開発と販売強化」を掲げており、既存事業の発展と新規事業の育成を推進すべく、研究開発活動に積極的に取り組んでおります。
当社グループの研究開発活動は、繊維セグメントでは、紡績糸の開発は富山工場で行い、織・編・加工並びに各種繊維製品の研究・開発は㈱シキボウ江南内にある当社開発技術部で行っております。
産業材セグメントでは、産業資材部門の研究開発は敷島カンバス㈱の研究開発部で行い、機能材料部門の化成品事業については㈱シキボウ堺において、複合材料事業は東近江市にある当社中央研究所を拠点に開発を行っております。
抗ウイルス加工「フルテクト®」については、様々な繊維製品に対応した加工の開発を進めており、協業・連携している企業の素材への共同開発も進めております。ファッションブランド、アンリアレイジにおいては2020年秋に引き続き、2021年春のパリコレクションにも「フルテクト®」を採用いただきました。当社は客先であるアパレルに「フルテクト®」加工素材を提案する際、アンリアレイジによるユニフォームデザインをセットで提案するという新たな取組みを行っております。
消臭加工「デオマジック®」については、消臭剤として畜産現場や産業廃棄物処理場、大手製紙工場などで採用され展開している中、ペット用品等の製造販売を行っている企業から、「デオマジック®」を使用した熱蒸散タイプのペット臭対策の消臭剤も発売され好評を得ております。また、トイレットペーパーや衛生用品を製造販売している企業からは「デオマジック®」を使用した介護用おしりふきが2022年4月に発売開始となりました。
また、燃焼時のCO2排出量を削減する環境配慮型ポリエステル「オフコナノ®」にPP(ポリプロピレン)不織布への応用により、フルテクトマスクにも展開しております。ユニフォーム、シャツ、スポーツウエア、寝装品など繊維全般に向けて新タイプの環境配慮型素材として提案を進めてまいります。
加えて女性の快適性を追求した機能加工の開発も進めており、10人の女性従業員で構成するフェムテックプロジェクトチームと連携し、経血対応の防臭加工「フェミュー®」経血対応の防汚加工「ノアード®」を開発しました。更なる快適性を追求し開発を進めるとともに機能性を確認するための試験方法についても一般財団法人ボーケン品質評価機構と共同で取り組んでまいります。
繊維セグメントの当連結会計年度の研究開発費は、
産業資材部門は、ドライヤーカンバス事業では、汚れ除去効果を付加した新製品を開発し、顧客において実機テストを実施しておるところです。今後、品種バリエーションの拡充を進めてまいります。コルゲーターベルト分野では、海外販売を見据えた新たなニードルベルト(N-Dry8)を開発し、国内の段ボール製造会社において実機テストを開始しております。渡航制限が解除され次第、海外での営業活動に着手いたします。
フィルタークロス事業では、微粒子補修効率を向上させた加圧脱水機用緻密クロスや、シワが入りにくく、かつ軽量な広幅対応水平ベルト用クロスを開発し、販売を開始いたしました。空気清浄機分野では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で販促が遅れておりました新製品の小型オイルミスト除去装置や防虫フィルターの販売を強化してまいります。
今後は、繊維セグメントが有する繊維加工技術の産業資材部門への応用も検討しております。特にサステナビリティにつながる機能の強化と製品開発に取り組む予定になっております。
機能材料部門では、化成品事業においては、食品用増粘多糖類の用途拡大を主体に研究開発を進めております。当社が製造する食品用増粘多糖類は、植物由来の安心安全な食品添加物としてソースやドレッシング、アイスクリームなどに使用されており、食品のとろみや品質の安定などで有用な特性があります。新たな用途に向けては精製技術の高度化などに取り組み、需要が拡大している健康飲料や冷菓用途の開発を進めます。また食品廃棄ロスの削減や地球環境に優しいエコロジーな食品作りに貢献できるように食品添加物の研究開発を進めてまいります。
複合材料事業の中央研究所においては、航空宇宙分野及びエネルギー分野向け用途を主体に繊維強化複合材料の研究開発を行っております。航空機エンジン部品では、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業に重工メーカーと共同で参画しており、現在使用されている合金素材以上に高温耐熱特性があるセラミック繊維を用いた複合材料(CMC)の研究開発を進めております。当社はCMCの基材となる三次元組織の織物について技術開発を行い、航空機エンジンの熱効率向上と軽量化の実現により省エネルギー化を目指しております。加えて電気絶縁性能や高強度軽量化を求める分野で商品開発に取り組むとともに、海外のユーザー企業、大学や研究機関との連携も強めながら、各用途に最適な材料の開発を進めてまいります。
産業材セグメントの当連結会計年度の研究開発費は
以上の結果、当連結会計年度の研究開発費は
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