当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」をご確認ください。
当連結会計年度におけるわが国経済は、オミクロン株の流行により予断を許さない状況にありながらも、緩やかな回復が続きました。世界経済は回復基調にあるものの、原燃料価格の高騰や物流網の混乱などが顕在化し、先行き不透明な状況は継続しました。
このような環境の下、当社グループは2021年4月に新中期経営計画をスタートさせ、持続可能な社会実現に向け、「環境・エネルギー」「デジタル化社会」「健康・安心・安全」に貢献するグローバル・ニッチ No.1を創造し続ける企業グループを目指しています。
中期経営計画初年度である2022年3月期は、台湾に高付加価値製品であるスペシャルガラスの新工場を立ち上げたほか、原繊材事業(グラスファイバー複合材)・繊維事業において事業構造改革を遂行するなど、成長戦略の実践と経営基盤の強化のための施策などに取り組みました。
この結果、連結売上高は84,051百万円(前年同期比6.8%の増収)、連結営業利益は7,268百万円(前年同期比21.9%の増益)、連結経常利益は8,065百万円(前年同期比28.5%の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,519百万円(前年同期比19.5%の減益)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
原繊材事業は、売上高23,345百万円と前年同期比1.0%の増収となり、営業利益は1,733百万円と前年同期比26.8%の減益となりました。
機能材事業は、売上高22,948百万円と前年同期比12.7%の増収となり、営業利益は3,065百万円と前年同期比16.7%の増益となりました。
設備材事業は、売上高18,429百万円と前年同期比0.7%の減収となり、営業利益は255百万円と前年同期比17.1%の減益となりました。
ライフサイエンス事業は、売上高15,890百万円と前年同期比17.7%の増収となり、営業利益は2,560百万円と前年同期比19.2%の増益となりました。
繊維事業は、売上高2,513百万円と前年同期比11.5%の増収となり、営業損失は131百万円(前連結会計年度は営業損失718百万円)となりました。
その他の事業は、売上高924百万円と前年同期比0.7%の増収となり、営業利益は456百万円と前年同期比55.1%の増益となりました。
当連結会計年度末における総資産は187,289百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,637百万円増加しました。主な要因は、有形固定資産の増加、棚卸資産の増加、現金及び預金の減少などであります。
負債は76,651百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,611百万円減少しました。主な要因は、長期借入金の減少などであります。
純資産は110,638百万円となり、自己資本比率は56.5%と前連結会計年度末に比べ2.8ポイント増加しました。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により得られた資金6,965百万円、投資活動により使用した資金17,305百万円、財務活動により使用した資金1,530百万円などの結果、前連結会計年度末に比べ11,710百万円減少し、当連結会計年度末には18,453百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金は、前連結会計年度の7,815百万円の増加から、6,965百万円の増加となりました。これは主に「①財政状態及び経営成績の状況」で記載いたしましたとおりの事業活動の結果、税金等調整前当期純利益が8,679百万円となったほか、減価償却費7,082百万円により資金が増加した一方、棚卸資産の増加額2,938百万円及び法人税等の支払額3,933百万円により資金が減少したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金は、前連結会計年度の1,867百万円の減少から17,305百万円の減少となりました。これは主に、固定資産の取得による支出17,326百万円により資金が減少したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は、前連結会計年度の1,862百万円の増加から1,530百万円の減少となりました。これは主に、短期借入金の純増加額6,220百万円により資金が増加した一方、長期借入金の返済による支出5,518百万円及び配当金の支払額1,745百万円により資金が減少したことなどによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当社グループ(当社及び連結子会社)は主として見込生産を行っており、受注生産はほとんどありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは2021年4月に新中期経営計画をスタートさせ、持続可能な社会実現に向け、「環境・エネルギー」「デジタル化社会」「健康・安心・安全」に貢献するグローバル・ニッチNo.1を創造し続ける企業グループを目指しています。
中期経営計画初年度である2022年3月期は、台湾に高付加価値製品であるスペシャルガラスの新工場を立ち上げたほか、原繊材事業(グラスファイバー複合材)・繊維事業において事業構造改革を遂行するなど、成長戦略の実践と経営基盤の強化のための施策などに取り組みました。
この結果、連結売上高は84,051百万円(前年同期比6.8%の増収)、連結営業利益は7,268百万円(前年同期比21.9%の増益)となりました。
また、受取賠償金1,062百万円など計1,884百万円の特別利益を計上し、一方、災害による損失336百万円、固定資産圧縮損302百万円など計1,270百万円の特別損失を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は6,519百万円(前年同期比19.5%の減益)となり、ROEは6.4%となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因及び対応策につきましては、前述の「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響につきましては、前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)経営環境」に記載のとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
原繊材事業では、強化プラスチック用途の複合材の堅調な販売が続きましたが、国内大型溶融炉の定期修繕などの一過性要因に加え、下期は原燃料価格の高騰などが収益にマイナスに影響しました。
この結果、当事業は売上高23,345百万円と前年同期比1.0%の増収となり、営業利益は1,733百万円と前年同期比26.8%の減益となりました。
また、セグメント資産は83,125百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,643百万円増加しました。
機能材事業では、高速大容量通信に資する電子材料向けスペシャルガラス・クロスの伸長が収益に貢献しました。
この結果、当事業は売上高22,948百万円と前年同期比12.7%の増収となり、営業利益は3,065百万円と前年同期比16.7%の増益となりました。
また、セグメント資産は25,700百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,221百万円増加しました。
設備材事業では、住宅向け断熱材の販売は回復基調が続いたものの、設備・建設資材向けガラスクロスの販売は低調に推移したほか、下期に原燃料価格の高騰による影響を受けました。
この結果、当事業は売上高18,429百万円と前年同期比0.7%の減収となり、営業利益は255百万円と前年同期比17.1%の減益となりました。
また、セグメント資産は20,306百万円となり、前連結会計年度末に比べ146百万円増加しました。
ライフサイエンス事業のメディカル事業では、国内外とも販売が伸長しました。飲料事業においては、飲料生産受託の数量が堅調に推移しました。
この結果、当事業は売上高15,890百万円と前年同期比17.7%の増収となり、営業利益は2,560百万円と前年同期比19.2%の増益となりました。
また、セグメント資産は19,658百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,912百万円増加しました。
繊維事業では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による衣料品に対する消費マインドの変化はありましたが、人々の外出機会の増加に伴い販売は増加しました。また、構造改革では接着芯地等の開発・製造・販売を一体運営する子会社、日東紡アドバンテックス株式会社を軸に、収益改善を進めました。
この結果、当事業は売上高2,513百万円と前年同期比11.5%の増収となり、営業損失は131百万円(前連結会計年度は営業損失718百万円)となりました。
また、セグメント資産は3,168百万円となり、前連結会計年度末に比べ341百万円減少しました。
その他の事業は、産業機械設備関連事業等の収益確保に取り組みました。
この結果、売上高924百万円と前年同期比0.7%の増収となり、営業利益は456百万円と前年同期比55.1%の増益となりました。
また、セグメント資産は2,930百万円となり、前連結会計年度末に比べ137百万円増加しました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの資金需要は、製品の製造販売に関わる原燃料費や営業費用などの運転資金、設備投資資金及び研究開発などであります。資金調達は主としてフリー・キャッシュフロー(当社グループはフリー・キャッシュフローを営業活動によるキャッシュ・フロー及び資産活用をはじめとした投資活動によるキャッシュ・フローの合計と定義しております。)、社債の発行及び間接調達により十分な資金を確保しており、借入枠100億円のコミットメントラインにより財務の安定性及び流動性を補完しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 」、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) 」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報) 」に記載しております。
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