当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染症の影響が長期化する中、夏以降はワクチン接種の進行とともに緊急事態宣言が解除され、緩やかな回復傾向が見られましたが、本年年明け以降は変異株の感染急拡大により再び悪化いたしました。
衣料品業界におきましては、緊急事態宣言にともなう商業施設の臨時休業や営業時間の短縮、外出自粛による消費マインドの低下、行動様式の変化等により、極めて厳しい状況が続きました。
このような経営環境のなか、当社グループは「お客様第一」「品質本位」の経営理念を基に、事業の効率化と成長が期待される事業の強化に取り組んでまいりました。
衣料事業では、ライフスタイルや消費行動が大きく変化するなか、小売部門は売上高の確保に努めるとともに、仕入をコントロールし在庫の適正化を進めてまいりました。また、Eコマースの収益拡大の取り組みの一環として、店舗スタッフによるデジタル接客の仕組みを導入し、実店舗とオンラインストアが一体となったシームレスなサービスの提供に取り組んでおります。
不動産賃貸事業では、小田原の商業施設「ダイナシティ」は、緊急事態宣言発令時も、地域のライフラインとして営業時間の短縮等を行いながら営業を継続し、新テナントも誘致して感染対策を講じて営業しております。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、 売上高は24,609百万円 ( 前期比42.3%増 )、 営業損失は1,771百万円 (前期は 営業損失2,527百万円 )、 経常損失は1,615百万円 (前期は 経常損失2,204百万円 )、投資有価証券売却損や減損損失等の 特別損失2,154百万円 を計上した結果、 親会社株主に帰属する当期純損失は3,544百万円 (前期は 親会社株主に帰属する当期純損失4,513百万円 )となりました。
資産は、前連結会計年度末に比べ3,596百万円減少し31,798百万円となり、負債は、前連結会計年度末に比べ681百万円減少し24,084百万円となり、純資産は、前連結会計年度末に比べ2,914百万円減少し7,713百万円となりました。
セグメントの業績は次の通りであります。
小売販売は、ニューヨーカーでは新型コロナウィルスの感染拡大に加え、店舗数減少の影響もありましたが、新たに株式会社ブルックス ブラザーズ ジャパンが連結子会社に加わったことで、売上高は前期比で大幅に増加いたしました。
製造部門は、取引先企業からの受注に回復が見られ、売上高は前期比で増加いたしました。
以上の結果、 売上高は21,885百万円 ( 前期比53.5%増 )、 セグメント損失(営業損失)は1,366百万円 ( 前期は営業損失2,081百万円 )となりました。収益認識会計基準等の適用により、売上高が148百万円増加し、セグメント損失が128百万円減少しております。
小田原の商業施設「ダイナシティ」は営業時間短縮等を行いながら通年で営業いたしましたが、前年度に生じたオフィスビルの一部テナントの退去等により、売上高は前期比で減少いたしました。
以上の結果、 売上高は2,723百万円 ( 前期比10.5%減 )、 セグメント利益(営業利益)は522百万円 ( 前期比25.2%減 )となりました。収益認識会計基準等の適用により、売上高が94百万円増加し、セグメント利益が94百万円増加しております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、 前連結会計年度末に比べ2,254百万円減少 し 5,468百万円 となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、 税金等調整前当期純損失は3,546百万円 となり、 減価償却費1,138百万円 、減損損失420百万円、投資有価証券売却損1,246百万円、仕入債務の増加535百万円、固定資産除売却益164百万円、棚卸資産の増加116百万円等により、 481百万円の支出超過 となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出792百万円、投資有価証券の取得による支出2,502百万円等がありましたが、有形固定資産の売却による収入304百万円、投資有価証券の売却による収入3,268百万円等により、 132百万円の収入超過 となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、 短期借入金の純減額60百万円 、 長期借入金の返済による支出1,535百万円 、連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出232百万円等により、 2,007百万円の支出超過 となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額は、販売価額によっております。
2.上記の金額は、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
当社グループは主として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
2.衣料事業につきましては、株式会社ブルックス ブラザーズ ジャパンが連結子会社に加わったことで大幅に増加しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における 総資産は31,798百万円 ( 前連結会計年度末比3,596百万円減 )となりました。
当連結会計年度における自己資本比率は 21.6% となり、当連結会計年度における 1株当たり純資産額は209円89銭 となりました。また、株主資本利益率(ROE)は、 △43.3%(前連結会計年度は△38.9%)と低下いたしました。
(流動資産)
当連結会計年度における 流動資産は15,654百万円 ( 前連結会計年度末比1,749百万円減 )となりました。その主な内容は、 現金及び預金の減少2,254百万円 や 商品及び製品の減少361百万円 、 仕掛品の増加471百万円 等であります。
(固定資産)
当連結会計年度における 固定資産は16,143百万円 ( 前連結会計年度末比1,846百万円減 )となりました。その主な内容は、 建物及び構築物の減少486百万円や土地の減少108百万円、投資有価証券の減少864百万円等であります。
(流動負債)
当連結会計年度における 流動負債は15,000百万円 ( 前連結会計年度末比452百万円増 )となりました。その主な内容は、 支払手形及び買掛金の増加610百万円 や 1年内返済予定の長期借入金の減少403百万円 に加え、契約負債が451百万円増加し、ポイント引当金が90百万円減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度における 固定負債は9,083百万円 ( 前連結会計年度末比1,133百万円減 )となりました。その主な内容は、 長期借入金が1,132百万円減少 したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度における 純資産は7,713百万円 ( 前連結会計年度末比2,914百万円減 )となりました。その主な内容は、 利益剰余金の減少3,816百万円 、 その他有価証券評価差額金の増加951百万円 等であります。
(売上高)
当連結会計年度における 売上高は24,609百万円 ( 前連結会計年度比42.3%増 )となりました。
セグメント別の売上高につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上総利益)
衣料事業につきましては、売上高の増加に伴い、売上原価は増加いたしました。
不動産賃貸事業につきましては、減価償却費の減少等により、売上原価は減少いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における 売上原価は11,661百万円 ( 前連結会計年度比14.9%増 )となり、 売上総利益は12,947百万円 ( 前連結会計年度比81.1%増 )となりました。また、売上総利益率は前連結会計年度に比べ11.3ポイント上昇し、52.6%となりました。
(営業利益)
衣料事業につきましては、新たに株式会社ブルックス ブラザーズ ジャパンが連結子会社に加わったこと等により、賃借料や歩合家賃、社員給与等の販売費及び一般管理費は増加いたしました。
不動産賃貸事業につきましては、社員給与や手数料等が減少したことにより、販売費及び一般管理費は減少いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における 販売費及び一般管理費は14,718百万円 ( 前連結会計年度比52.1%増 )となり、 営業損失は1,771百万円 ( 前連結会計年度は営業損失2,527百万円 )となりました。
(経常利益)
営業外収支は、為替差益の増加や、持分法による投資損失の減少がありましたが、受取手数料の減少、雇用調整助成金等による補助金収入の減少等により、費用増加となりました。
以上の結果、当連結会計年度における 経常損失は1,615百万円 ( 前連結会計年度は経常損失2,204百万円 )となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益は、前連結会計年度に投資有価証券評価損の計上や、株式会社ブルックス ブラザーズ ジャパンを連結子会社化した際に計上した負ののれん発生益及び段階取得に係る差損、また、大同利美特(上海)有限公司の清算結了にともなう子会社清算益等の計上をしておりましたが、当連結会計年度は東京都千代田区に保有しておりました不動産の売却による固定資産売却益の増加や減損損失の減少がある一方、投資有価証券売却損の増加等により、前連結会計年度に比べ損失増加となりました。
以上の結果、当連結会計年度における 税金等調整前当期純損失は3,546百万円 (前連結会計年度は 税金等調整前当期純損失2,990百万円 )、 親会社株主に帰属する当期純損失は3,544百万円 (前連結会計年度は 親会社株主に帰属する当期純損失4,513百万円 )となりました。
なお、今後の見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
また、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要は、主に衣料事業における原材料の仕入や製造経費、販売費及び一般管理費等であり、投資を目的とした資金需要は、主に保有する不動産への設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は13,512百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,468百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。なお、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目はございません。
④ 重要事象等について
当社グループは、「2 事業等のリスク (8) 重要事象等について」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当該状況を解消するための当社グループの取り組みにつきましては「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)会社の対処すべき課題」に記載のとおりであり、継続企業の前提に関する不確実性は認められません。
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