当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウィルス感染症の世界的な流行により、経済活動に大きな制約を受けております。一方、国内では、ワクチン接種等の対策が進んだこともあり、2021年10月以降感染者数が大きく減少する等、経済活動の制約も徐々に緩和しつつある状況となりました。しかしながら、2022年1月以降オミクロン株による市中感染が大幅に増加し、依然として収束の見通しが立たず、予断を許さない状況が続いております。
外食業界におきましても、新型コロナウイルス感染症拡大防止に向けた政府及び各自治体からの営業時間短縮、酒類提供自粛要請等の各種要請による影響を断続的に受けております。直近では、2022年1月より「まん延防止等重点措置」の対象地域が広がり、各自治体から営業時間短縮要請等を受けておりましたが、2022年3月に解除され、集客も戻りつつある状況です。
このような外部環境下、当社グループにおきましても、新型コロナウイルス拡大による影響を大きく受けております。直近では、2022年1月より当社の25店舗中23店舗が、「まん延防止等重点措置」の対象地域となり、2022年1月から2022年2月にかけて大きく売上高が減少したものの、2022年3月以降については、回復傾向にあります。
このような状況のもと、当社グループでは、ランチタイムの食べ放題開始等による販促強化、ECサイト(E-オイスター)を通じた一般消費者への販売開始により、コロナ禍の状況でも売上を確保すべく努めてまいりました。また、損失を最小限に留められるよう、店舗アルバイトのシフト見直しによる人件費削減、新型コロナウイルス感染症支援策関連の補助金・助成金の活用等に注力して参りました。その一方、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、売上が大幅に減少していることから、長期間アルバイトの採用抑制及びシフト抑制を実施したことから、アルバイト人員が大幅に減少しております。従いまして、モバイルオーダーシステム等の導入により、少人数による店舗運営体制の構築に努めるとともに、アルバイト等の人員確保に努めております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における総資産は2,293,687千円となり、前連結会計年度末と比較して776,854千円の増加とな
りました。
当連結会計年度末における負債は1,394,898千円となり、前連結会計年度末と比較して238,128千円の減少となり
ました。
当連結会計年度末における純資産は898,789千円となり、前連結会計年度末と比較して1,014,983千円増加しまし
た。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高2,539,224千円(前年同期比8.6%増)、営業損失283,676千円(前年同期は営業損失359,215千円)、経常損失288,617千円(前年同期は経常損失367,145千円)、親会社株主に帰属する当期純利益287,413千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失641,485千円)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は1,036千円減少し、販売費及び一般管理費は1,087千円減少しております。営業損失及び経常損失は51千円減少し、親会社株主に帰属する当期純利益は51千円増加しております。
なお、セグメントの概況は以下のとおりです。当連結会計年度よりセグメント区分を変更しており、セグメント別の業績の比較・分析は、変更後のセグメント区分に組み替えて行っております。詳細は、「3.連結財務諸表及び主な注記 (5)連結財務諸表に関する注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。以下の売上高の数値はセグメント間の取引消去前となっております。なお、セグメントと事業の内容の関係性は次のとおりです。
(a)「店舗事業」は、直営店舗事業、富山入善ヴィレッジ事業の店舗から構成されます。
(b)「卸売事業」は、当社の店舗事業を除く外部飲食店等への牡蠣関連の国内卸売事業となります。
(c)「加工事業] は、店舗事業のセントラルキッチン機能及び外部からの受託加工事業から構成されます。
(d)「その他」は、浄化センター、陸上養殖の所在エリア内でのイベント事業及びECサイト事業から構
成されます。
(a) 「店舗事業」
当連結会計年度においては、2021年6月に「オイスターテーブル浜松町店」を閉店致しました。この結果、2022年3月末現在の店舗数は25店舗となっております。一方、新型コロナウイルス感染症拡大による営業時間短縮の要請が断続的に発生したことにより、売上は低調に推移したものの、シフト管理徹底による人権費削減やランチメニュー変更等による客単価上昇に努め、セグメント利益は増加させることができました。
以上の結果、店舗事業における売上高2,197,554千円(前年同期比2.1%増)、セグメント利益60,189千円(前年同期比771.3%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は1,036千円減少し、セグメント利益は51千円増加しております。
(b) 「卸売事業」
卸売事業では、グループ外の飲食店舗などに牡蠣を卸売販売しています。当連結会計年度については、販売先の飲食店が、緊急事態宣言等の影響により、休業や時間短縮が断続的に発生したものの、複数店舗を運営する新規取引先を確保できたとこから、増収増益となりました。
以上の結果、卸売事業における売上高172,664千円(前年同期比2.3%増)、セグメント利益60,279千円(前年同期比17.6%増)となりました。
(c) 「加工事業」
加工事業は店舗事業のセントラルキッチンとしての役割が主でありましたが、2021年5月より、海産物の受託事業を開始しました。海産物の受託事業については、117,782千円の売上を計上することができました。
以上の結果、売上高128,646千円(前年同期比104.2%増)、セグメント損失41,224千円(前年同期セグメント損失70,829千円)となりました。
今後については、現状の人員体制では増産余地が少ないため、現地採用を強化し、生産を拡大する予定です。
(d) 「その他」
その他には、イベント事業及びECサイト事業などが含まれます。当連結会計年度においては、浄化センター及び陸上養殖エリア内でのイベント事業で売上が計上されたほか、ECサイト事業で売上が計上されました。
以上の結果、その他の事業における売上高51,143千円(前年同期比188.4%増)、セグメント利益6,650千円(前年同期比1,395.7%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ731,730千円増加し、1,272,793千円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は376,160千円(前連結会計年度は、305,507千円の使用)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益333,745千円、減価償却費51,624千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動から使用した資金は42,393千円(前連結会計年度は、6,771千円の使用)となりました。これは主として、店舗等の設備更新に伴う有形及び無形固定資産の取得による支出48,580千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動から獲得した資金は397,962千円(前連結会計年度は、729,715千円の獲得)となりました。これは主として、株式の発行による収入731,136千円、長期借入金の返済による支出326,947千円によるものです。
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は仕入価格であり、セグメント間の内部振替前の数値となります。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格であり、セグメント間の内部振替前の数値となります。
2.総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がありませんので、主要な販売先の記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。
その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
当連結会計年度末における総資産は2,293,687千円となり、前連結会計年度末と比較して776,854千円の増加となりました。これは主として、現金及び預金が731,730千円増加し、売掛金が37,595千円増加したことによるものです。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債は1,394,898千円となり、前連結会計年度末と比較して238,128千円の減少となりました。これは主として、1年以内返済予定の長期借入金が271,998千円減少したたことによるものです。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産は898,789千円となり、前連結会計年度末と比較して1,014,983千円増加しました。これは主として、利益剰余金が288,675千円増加したこと、新株発行及び新株予約権の行使により、資本金及び資本剰余金の合計が743,062千円増加したことによるものです。
なお、収益認識会計基準等の適用により、利益剰余金の期首残高が1,262千円増加したことにより、純資産が増加しております。
(a) 売上高
当連結会計年度の売上高は2,539,224千円(前連結会計年度比8.6%増加)となりました。当社グループの報告セグメントごとの内訳は、店舗事業が2,197,554千円、卸売事業が172,664千円、加工事業が128,646千円、その他51,143千円となっております。
店舗事業は、前年と同様に、新型コロナウイルス感染症拡大の動向が、売上高に大きな影響を与えました。当連結会計年度の上期については、半分以上の期間が緊急事態宣言となり、前年対比8.5%の減少と低迷しました。一方、第3四半期は大きく回復しましたものの、2022年1月に「まん延防止等重点措置」等が発令され、厳しい経営環境となりました。その結果、店舗事業の売上は、前年対比2.1%の増加に留まりました。
卸売事業は、店舗事業と同様、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、上期は前年対比27.3%の減少と振るわなかったものの、下期以降複数店舗を運営する飲食店事業者を新規取引先として順調に確保できたことから、売上高は対前年比2.3%の増加となりました。
加工事業は、2021年5月より、当社が阪和興業株式会社から購入した魚介類を加工し、阪和興業が当社から当該加工後の加工品を購入する取引を開始しました(以下、本受託事業といいます)。本受託事業により、117,782千円の売上を計上することができました。その結果、売上高が前年対比104.2%増加することとなりました。
その他にも、浄化センター、陸上養殖の所在エリア内でのイベント事業に加え、ECサイト事業などで売上がございました。
(b) 営業損失
当連結会計年度の営業損失は283,676千円(前連結会計年度は営業損失359,215千円)となりました。
当社グループの報告セグメントごとの内容は、店舗事業のセグメント利益60,189千円、卸売事業のセグメント利益60,279千円、加工事業のセグメント損失41,224千円、その他のセグメント利益6,650千円となり、合計でセグメント利益85,895千円となっております(営業損失との差額は、全社費用となります)。
店舗事業については、新型コロナウイルス感染症拡大による売上減少に伴う営業損失の拡大を抑制すべく、店舗メニュー見直しによる客単価の引き上げ、モバイルオーダーシステム等の導入により、効率的な店舗運営に尽力し、経費の見直しを徹底しました。その結果、売上高は対前年比2.1%の増加に留まりましたが、セグメント利益については、対前年比771.3%の増加となりました。
卸売事業につきましては、卸売事業という業態から、固定費等が少ないため、売上の増加により、セグメント利益は対前年比17.6%の増加となりました。
加工事業については、加工受託事業を開始したことによる稼働率の上昇及び前連結会計年度に実施した固定資産の減損による減価償却費減少(年間20,183千円)により、セグメント損失は41,224千円(前連結会計年度のセグメント損失70,829千円)となり、損失幅を大幅に縮小することができました。
その他、各報告セグメントに配分していない全社費用369,572千円を計上しました。
(c) 経常損失
当連結会計年度の経常損失は288,617千円(前連結会計年度は経常損失367,145千円)となりました。これは、主に営業外収益として受取協賛金5,397千円、営業外費用として借入れによる支払利息8,770千円を計上したことによるものです。
(d) 親会社株主に帰属する当期純損失
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は287,413千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失641,485千円)となりました。これは、主として「緊急事態宣言」及び「まん延防止等重点措置」等による店舗施設の時短営業に伴う協力金等を補助金収入として、625,539千円の特別利益を計上したことによるものです。
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