事業等のリスク

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下のとおり記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に取り組む方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。

なお、本項記載のうち将来に関する事項は、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではなく、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済状況の変化について

当社グループは、牡蠣を主体とするレストランであるオイスターバーの店舗事業を中心に展開しており、日本国内の景気変動の影響等が、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。特に、消費税の増税等に起因する個人消費の減速、原材料価格・人件費・賃料・水道光熱費・物流費等の上昇が、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2) 各種法的規制について

① 食品衛生管理について

当社グループは、店舗事業につきましては、「食品衛生法」に基づき、所管保健所より飲食店営業許可を受けて、全ての店舗に食品衛生責任者を配置しております。衛生管理マニュアルに基づき厳格な衛生管理と品質管理を徹底しておりますが、食中毒などの衛生問題が発生した場合には、食材等の廃棄処分、営業許可の取消し、営業の禁止もしくは一定期間の営業停止処分、被害者からの損害賠償請求等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

卸売事業につきましては、「食品衛生法」に基づき、所管保健所より魚介類販売許可を受けて、直営店舗及び一般飲食店への卸売販売を行っております。同免許は、子会社である株式会社海洋深層水かきセンターの富山入善センターで取得しておりますが、万一許可が取り消された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

② 労働関連法令について

当社グループは、店舗や浄化センターにおいて多数の短期間労働者を雇用しておりますが、これら短時間労働者の厚生年金などの社会保険適用範囲の拡大実施により、当社グループの社会保険料負担が増大すること等によって当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 主要食材(牡蠣)への依存について

当社グループは、主力食材を牡蠣という特定食材に依存し、かつ、生牡蠣がメインとなるオイスターバー店舗の売上構成比が高い状況にあります。したがいまして、ノロウィルス等の疫病発生、食品衛生問題等によるブランド毀損、風評被害による消費控えなどの変化が発生した場合、牡蠣の販売数量低下により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) 出退店政策について

当社グループは、直営店舗による店舗展開を行っており、2022年3月31日現在、25店舗の営業を行っております。出店は高い集客が見込める都心部、主要ターミナル駅周辺にて実施しておりますが、新規出店におきましては、立地条件、賃貸条件、店舗の採算性などを勘案して出店を決定しているため、すべての条件に合致する物件が確保できない可能性があります。また、出店にかかわる賃貸借契約のほとんどが定期建物賃貸借契約となっており、採算性が確保されている店舗につきましても、期間満了により退店する可能性があります。店舗採算が不採算による退店を含めて、退店の際には減損損失の計上、各種契約の解除による違約金、退店時の原状回復費用等が想定以上に発生する可能性があります。これらが生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 差入敷金について

当社グループの店舗は賃借により出店等を行うことを基本方針としており、全ての店舗において敷金を差し入れております。この敷金は、退店時には貸主から返還されることになっておりますが、貸主の財政状態の悪化等により、差入敷金の一部又は全部が返還されない場合があり、これらが生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6) 減損損失について

当社グループは、今後とも収益性の向上に努める所存でありますが、店舗業績の不振や加工食品の販売不振等により、固定資産の減損会計による損失を計上することとなった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

特に、加工工場については、取引先と合意した条件をもとに算出した海産物の取引数量を前提に、保守的かつ最善

の見積もりを実施しております。しかしながら、新型コロナウイルスの変異等による影響の長期化、または自然災害等による海産物への甚大な被害が発生した場合、見積もりに用いた仮定と相違する可能性が存在するため、将来において追加の減損損失を計上しなければならないという不確実性が存在しております。

 

(7) 特定仕入先への依存について

当社グループは、主要食材である牡蠣について、全国各地の生産者・漁協から直接仕入を行っております。当社グループとしましては、高品質の牡蠣の仕入が継続してできるよう生産者と一体となった養殖に取り組み、リスク分散を図っていく方針であります。しかしながら、天候不順をはじめ、海域の汚染状況など自然環境の悪化などにより、必要な牡蠣が十分に確保できなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8) 人材の確保及び育成について

当社グループは、優秀な人材の継続的な確保が重要な経営課題であります。このため、当社グループは、採用の仕組みを整え人材確保に努めるとともに、教育による育成を行っております。しかしながら、十分な人材の確保及び育成ができない場合、新規事業開発の遅れ、店舗での接客サービスの低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9) 新規事業の展開について

当社グループは、店舗事業が主力でありますが、牡蠣という食材の六次産業化を目指し収入源の多チャネル化を図るため、生産及び加工に係る新規事業を展開しております。生産におきましては、沖縄県久米島町における海洋深層水を利用したウィルスフリー牡蠣の生産を、加工におきましては、岩手県大槌町において牡蠣の加工食品を製造する工場が稼動させ早期の収益化を目指しております。しかしながら、計画通りに進捗しなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10) 商標管理について

当社グループは、「ガンボ&オイスターバー」、「オイスターテーブル」などの複数の店舗ブランドをはじめとする商標権の登録を行っております。当社グループが保有する商標について、第三者の商標権等を侵害している事実はありませんが、第三者の商標権を侵害していると認定され、その結果、使用差し止め、使用料、損害賠償等の支払いを請求された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(11) 個人情報の保護について

当社グループは、店舗事業において会員向けポイント還元やイベントなどを行い、会員の個人情報をデータとして蓄積しております。これらの情報については、「個人情報保護に関する法律」を遵守すべく、データへのアクセス制限や外部からの侵入を防止するための方策をとっております。また、「個人情報保護方針」や「個人情報管理規程」を制定し、個人情報を取り扱う関係者に対して情報漏洩防止の徹底を啓蒙しております。

しかしながら、内部管理体制の問題や外部からの侵入により、これらの情報が漏洩した場合には、信用低下や損害賠償等によって当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(12) 売上高の季節変動について

当社グループは、牡蠣を主食材とする店舗事業及び卸売事業を展開しており、食材に対する消費者の認識上、冬場である11月から3月に売上が偏重する傾向にあります。また、仕入原価も需給バランスが落ち着く冬場の方が低減されることから、損益面でも下半期に大きく偏重する傾向にあります。

当社グループとしましては、夏場における岩牡蠣など、旬の牡蠣による新しい食べ方提案などにより需要の掘り起こしを図るとともに、加工事業などにより外食市場以外での収入源を確保することで、年間を通じて売上の平準化を目指していく方針としております。

なお、2022年3月期は、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言等による影響が大きいものであったため、売上の季節変動が抑制されております。

 第22期(2022年3月期)における当社グループの四半期別売上高及び営業損失の構成は次のとおりであります。

区分

売上高(千円)

構成比(%)

営業利益又は

営業損失(千円)

構成比(%)

第1四半期

412,584

16.25

△151,288

53.33

第2四半期

455,168

17.93

△165,389

58.30

上期合計

867,752

34.17

△316,677

111.63

第3四半期

976,958

38.47

100,072

△35.28

第4四半期

694,513

27.35

△67,071

23.64

下期合計

1,671,471

65.83

33,000

△11.63

通期合計

2,539,224

100.00

△283,676

100.00

 

 

(13) 自然災害等について

当社グループの25店舗は、全国に展開しておりますが、このうち15店舗を関東エリアで展開しております(2022年3月31日現在)。したがいまして、地震・台風などの自然災害や大雪などの局地的な気象状況の影響により、店舗の営業休止や縮小等が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、上記の自然災害に起因して、電力・ガス・水道等の使用の制限、消費者の消費意欲の低下といった影響が生じた場合にも、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(14) 競合について

外食業界は、参入障壁が低く新規参入が多い一方で、少子高齢化の流れの中で外食市場全体は横這いという状況下で激しい競合状態が続いています。その中で当社グループは、取扱食材として極めて高いレベルでの安全性が求められる牡蠣を扱っていますが、その安全性は、ノウハウなどのソフト面のみならず、浄化施設を自社保有するハード面の両面を兼ね備えることで、競争優位性の確保を図っております。しかしながら、今後、当社グループと同レベルのソフト及びハード機能を持つ店舗が出現した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(15) 配当政策について

当社では、株主に対する利益還元を経営上の重要課題と認識しており、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案して、利益還元策を決定していく所存であります。しかしながら、当社は当期純利益を計上したものの、未だ内部留保が充実しているとは言えず、創業以来配当を行っておりません。現在は内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指す方針であり、将来的には、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案しながら株主への利益の配当を検討する方針であります。しかしながら、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。

 

(16)継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、前連結会計年度において営業損失359,215千円、経常損失367,145千円、親会社株主に帰属する当期純損失641,485千円を計上し、前連結会計年度末で116,193千円の債務超過となりました。なお、当連結会計年度においては、営業損失283,676千円、経常損失288,617千円、親会社株主に帰属する当期純利益287,413千円を計上しております。

また、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、政府の「緊急事態宣言」又は「まん延防止等重点措置」が断続的に発令され、時短営業又は休業を適宜実施しており、営業損失が断続的に続いている状況です。

これらの状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

今後、当社グループは以下の対応策を講じ、当該状況の改善及び解消に努めてまいります。

 

① 事業について

ⅰ.店舗事業

 コストコントロールを効かせたwithコロナの経営スタイルに努めます。
 売上面につきましては、販売促進活動の更なる強化や店舗メニューの戦略的見直し等の施策及び予約システム強化で、予約件数を確保し、客数及び客単価の増加に努めます。
 また、コスト面につきましては、グループの安心安全のプラットフォームを更に改善し、原価低減を行い、コロナ禍の営業体制下で、効率的なシフト管理を徹底し、人件費を抑制していきます。
 加えて、withコロナの店舗運営の体制強化へ向け、QRコードによるオーダーシステムを全店舗で導入しました。店舗の業務効率化だけでなく、非接触型の店舗運営で、顧客満足度の向上にも努めてまいります。

 なお、当社は、政府・自治体の要請に従い時短営業等を行っており、協力金の給付を受けることで、赤字の抑制に努めます。

ⅱ.卸売事業

 グループの持つ安心安全のプラットフォームの高付加価値を活かし、国内販売は営業力を強化し、取引先の開拓に努め、取引顧客数と、取扱高を更に強化していきます。
 また、アジアを中心とした海外販売に関しましては、巣ごもり需要のニーズの高まりにより、高級スーパーの販売数が伸びており、更に取引高を拡大させるべく、様々な販路拡大に努め、収益力拡大を目指します。

 

ⅲ.その他

 岩手の加工工場の事業につきましては、牡蠣フライなどの加工製造を行っていますが、新型コロナウイルス感染症拡大による店舗売上減少により、稼働が低迷しておりました。そのため、本加工工場の有効活用を模索していたところ、安定した委託先を探していた阪和興業株式会社の要望に合致し、海産物の加工受託事業を開始しております。今後は、受託事業を拡大し、収益力を強化して参ります。

 また、牡蠣の販売チャネルを拡大させるべく、EC通販サイトを立ち上げた結果、リピーターも着実に増加し、販売量も拡大しております。今後もSNSなどを通じたマーケティングを強化し、収益拡大に努めてまいります。

 

② 財務基盤の安定化

当連結会計年度においては、新株予約権が行使された結果、242,457千円の資金調達をしております。また、2022年1月27日に、ネクスタ匿名組合及び阪和興業株式会社を割当先とする第三者割当増資499,290千円の払い込みが完了し、財務基盤は強化されております。今後は、上述記載のとおり、営業損益の改善に注力して参ります。

 

当社としては、①事業について記載の対応策を実行していくことにより、収益性の改善が可能となり、中長期的な財務健全性の確保ができるものと考えております。しかしながら、新型コロナウイルスの影響や経済環境の変化の影響を受ける等により、計画どおりに推移しない可能性があり、これらの対応策の効果の発現については、不透明な状況です。従いまして、現時点においては、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。

 

なお、連結財務諸表は、継続企業を前提として作成されており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映しておりません。

 

 

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