課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社グループは、「鋼橋、建築、土木等社会インフラの建設・維持・補修の事業を通じて、豊かな国土と明るい社会創りに貢献する」ことを経営理念としております。この経営理念に基づき、コンプライアンス・リスク管理体制を整備・適切に運用して、公正な競争、社会や顧客のニーズに応える安全で優れた製品・施工・サービスを提供し、グループの持続的な成長の実現・維持を目指すとともに、株主・投資家をはじめ取引先、従業員、地域社会などのすべてのステークホルダーに対して企業としての社会的責任を全うできるよう努めてまいります。

 

(2)経営環境、経営戦略及び優先的に対処すべき課題

わが国経済の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染対策に万全を期し、社会活動が正常化に向かうなか、景気の持ち直しが期待されます。しかしながら、ウクライナ情勢等による不透明感がみられるなか、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、サプライチェーンの制約等による下振れリスクに十分注意する必要があります。

昨年成立した補正予算には22項目の成長戦略が織り込まれ、その多くは道路、港湾、空港、鉄道などの交通・物流インフラへの投資であり、今後も世界に負けない大胆な財政出動による内需拡大、経済成長が期待されています。当社グループの主力である道路橋・鉄道橋などの橋梁事業において、新設橋梁は、厳しい受注競争が続いている一方で、今後10年で4兆円規模の事業が計画されている高速道路会社の大規模更新工事ならびにハイブリッドケーソン・浮体構造物・沈埋函などの沿岸構造物事業、シールドトンネル向けの鋼製セグメント事業などは、質的にも量的にも高い技術力と施工能力が求められていることを考えれば、中期的に当社グループが飛躍する事業環境であると考えます。ならびに鉄道事業についてはコロナ禍で厳しい事業環境に置かれていますが、首都圏ではターミナル駅の再開発事業や連続立体交差事業、大型跨線橋やJR・私鉄各社の高架化、改築工事などを中心に数多くの計画が予定されており、高難度工事における当社グループのもつ安全・安心な技術力が強みを発揮できるものと考えています。

このような事業環境のなか、グループとしての経営管理体制を一層強化し、より強固な収益基盤とするよう、グループの中核である宮地エンジニアリング株式会社とエム・エム ブリッジ株式会社と「共に成長する」を、協力会社と「共に歩む」を基本に更なる事業発展を図ってまいります。国内の鋼橋市場の変化・動向を踏まえ経営資源を新設橋梁、大規模更新工事、民間工事に選択と集中を行い、技術開発やDX(デジタルトランスフォーメーション)に基づく生産性向上に努めるとともに、人材の確保・育成、女性活躍を推進し、働き方改革を進めてまいります。

また、当社子会社の宮地エンジニアリング株式会社では、2018年度から2021年度までの4年間の予定で千葉工場に係る総額50億円程度の設備投資を計画し着手しましたが、新型コロナウイルス禍に伴い、経済や企業活動の先行きに不透明感が増したため、生産性向上やコスト削減、業務効率化などに直結する投資は継続する一方で、計画中の新たな投資については延期しております。今後の事業環境を見極めた上で投資の再開を決定いたします。

当社グループは、2019年5月14日に2019年度から2021年度までの3か年にわたる中期経営計画を策定し事業活動を推進してきましたが、計画最終年度となる当連結会計年度の実績は一部の項目を除き最終年度目標を達成することができました。本計画の数値目標(最終年度)とそれに対する各連結会計年度実績につきましては、3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(2)「経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」を参照ください。

引き続き将来に向けた持続的発展を目指し、2022年度を初年度とする新たな中期経営計画(2022~2026年度)を策定し、2022年5月13日に公表いたしました。今後はこの中で掲げた数値目標を達成すべく、上記の基本方針に沿って経営戦略を実践してまいります。

 

 

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