業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大によって緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の発令や延長が繰り返し行われ、経済活動は大きく制限を受けました。下期に入ってからは感染者数も減少し、経済活動の回復が期待されたものの、2022年1月以降ではオミクロン株による感染再拡大に加え、ウクライナ情勢に起因する資源や原材料価格の高騰など、未だ先行きが不透明な状況が続いております。

このような状況の下、当連結会計年度においては、継続して感染管理製品や口腔ケア製品を重点販売製品として拡販することに加え、工場稼働率を上げるための設備投資や製造受託の拡大、医療機関や商業施設、一般家庭の感染防止に貢献する製品開発、全社をあげた経費削減等に取り組みました。感染管理製品の販売に関しては、前期ほどの特需はないものの、新型コロナウイルス感染症の拡大前と比較すると市場は拡大しており、販売額は増加しております。

同連結会計年度の業績につきましては、売上高は30,091,616千円(前年同期比2.5%減)、営業利益は740,807千円(同43.3%減)、経常利益は856,914千円(同37.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は642,619千円(同53.1%減)となりました。

 

(メディカル事業)

メディカル事業では、感染管理製品の販売を中心に、口腔ケア製品やその他高付加価値製品の販売拡充及び製造受託の拡大推進に努めました。売上面では、感染管理製品の販売について、前期ほどの特需はないものの、拡大した市場に対して積極的に販売いたしました。衛生材料や口腔ケア製品、手術関連製品については、医療機関における外来・手術件数の減少などの影響により、計画未達となりました。
 結果、売上高は8,619,155千円(前年同期比12.7%減)、経常利益は385,591千円(同54.5%減)となりました。

(コンシューマ事業)

コンシューマ事業では、感染管理製品、育児用品、介護製品、口腔ケア製品、各種衛生材料及び医療用品等の幅広い製品を、大手量販店、ドラッグストアや通信販売事業者などの多くの顧客に対し販売をいたしました。感染管理製品については、前期と比較すると販売価格が下落傾向にあり、利益率は低下しております。
 結果、売上高は21,472,461千円(前年同期比2.3%増)、経常利益は967,037千円(同3.2%減)となりました。

当期の財政状態の概況は、次のとおりであります。

当連結会計年度末の総資産は17,155,542千円、自己資本は5,906,517千円で、自己資本比率は34.4%(前連結会計年度末は31.1%)となりました。

(資産)

当連結会計年度末の総資産は17,155,542千円となり、前連結会計年度末に対して46,062千円増加いたしました。流動資産は13,476,301千円で、前連結会計年度末に対して5,744千円減少いたしました。「受取手形及び売掛金」に「電子記録債権」を加えた売上債権が522,994千円増加した一方で、売上債権以外の科目が528,739千円減少(主に「有価証券」が238,255千円減少、「商品及び製品」が144,965千円減少)したことが要因です。

固定資産は3,679,240千円で、前連結会計年度末に対して51,807千円増加いたしました。「有形固定資産」が369,878千円増加した一方で、「投資有価証券」が266,934千円減少したことが主な要因です。

(負債)

当連結会計年度末の負債は11,190,271千円となり、前連結会計年度末に対して555,572千円減少いたしました。

流動負債は8,221,574千円で、前連結会計年度末に対して285,944千円増加いたしました。「短期借入金」「関係会社短期借入金」「1年内返済予定の長期借入金」を合わせた借入金が404,036千円増加した一方で、「未払法人税等」が152,394千円減少したことが主な要因です。

固定負債は2,968,696千円で、前連結会計年度末に対して841,517千円減少いたしました。「長期借入金」が778,270千円減少したことが主な要因です。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は5,965,271千円となり、前連結会計年度末に対して601,635千円増加いたしました。「利益剰余金」が555,344千円増加したことが主な要因です。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、1,105,422千円と前年同期と比べ254,499千円(△18.7%)の減少となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは466,913千円の収入となりました。

主に、税金等調整前当期純利益945,369千円あった一方で、売上債権の増加額が519,055千円あったことが主な要因です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは326,654千円の支出となりました。

これは投資有価証券の売却による収入が147,576千円あった一方で、有形固定資産の取得による支出が439,801千円あったことが主な要因です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは444,193千円の支出となりました。

これは短期借入金の純減額が106,000千円、長期借入金の返済による支出が368,234千円あったことが主な要因です。

(キャッシュ・フロー関連指標の推移)

 

2018年
3月期

2019年
3月期

2020年
3月期

2021年
3月期

2022年
3月期

自己資本比率(%)

26.5

28.0

25.1

31.1

34.4

時価ベースの自己資本比率
(%)

15.5

17.1

76.1

53.5

36.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

4.8

5.8

11.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

42.0

54.2

27.4

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

2.営業キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いは、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、2018年3月期及び2020年3月期の営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載を省略しております。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

メディカル事業

7,067,359

△9.5

コンシューマ事業

2,194,065

△10.5

合計

9,261,425

△9.7

 

(注)1.金額は販売価格によっております。

b. 商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

メディカル事業

2,117,603

△5.6

コンシューマ事業

16,171,735

0.5

合計

18,289,339

△0.3

 

(注)1.金額は仕入価格によっております。

c. 受注状況

受注生産が全体に占める割合が僅少なため、記載を省略しております。

 

d. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

メディカル事業

8,619,155

△12.7

コンシューマ事業

21,472,461

2.3

合計

30,091,616

△2.5

 

(注)1.セグメント間の取引はありません。

2.主要な販売先

主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

㈱西松屋チェーン

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

10,545,206

34.2

11,389,407

37.8

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たり、当連結会計年度末における資産・負債及び連結会計年度における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っており、継続して評価を行っております。過去の実績あるいは連結会計年度末時点の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、資産・負債の簿価あるいは収入・費用の数値を測定しております。なお、実際の結果は見積り特有の不確実性のために、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループでは、固定資産の減損会計や繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りについて、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき実施しております。

固定資産の減損については、減損の兆候がある場合の回収可能価額の算出は、将来キャッシュ・フロー、割引率及び正味売却価額等の見積りに基づいています。

繰延税金資産については、期末の将来減算一時差異等のうち、将来にわたり税金負担額を軽減すると認められる範囲内で認識し、その回収可能性の判断は、会社分類や将来減算一時差異等の将来解消見込年度のスケジューリング等の判断及び見積りに依存しています。

新型コロナウイルス感染症による影響は、当社グループについては、品薄だった感染管理製品の供給も潤沢に市場に出回っており、大きな特需はないと想定しているものの、一定程度の需要は継続するとの仮定に基づき会計上の見積りを行っております。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症による影響は不確定要素が多く、翌連結会計年度の当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績の分析は、「第2  事業の状況  3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2  事業の状況  2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、M&A他の資金需要に対応する場合等は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保及び財務の健全性・安全性を維持するため、銀行等の外部金融機関または親会社のキャッシュ・マネジメント・サービスより借入を行う方針です。

資金調達を行う際は、期間や国内の市場金利動向等、また自己資本比率やROEといった財務指標への影響度等を総合的に勘案しながら、最適な調達を実施します。

⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指して資本効率を重視しており、「ROE (自己資本当期純利益率)」を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における「ROE (自己資本当期純利益率)は11.5%(前年同期比18.2ポイント悪化)でした。これは品薄だった感染管理製品も潤沢に市場に出回り特需が減少したことで、親会社株主に帰属する当期純利益が727,972千円減少したためです。

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