事業等のリスク

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しているリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 国のエネルギー政策について

当社及び株式会社エコ・テクノサービスが展開する再生可能エネルギー事業に関して、国のエネルギー政策が変更され、電力の固定価格買取制度における買取価格の引き下げや、買取年数の短縮等が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループでは、政策や制度の変更に関する動向等の情報収集に努め、太陽光発電所のセカンダリーマーケットへの進出やエネルギー関連の新規事業への進出等、事業ポートフォリオの充実・拡大を推進しております。

 

(2) 開発リスクについて

当社及び株式会社エコ・テクノサービスが展開する再生可能エネルギー事業に関して、太陽光発電所の開発において、その規模によっては、森林法、環境法等の法令や条例の規制を受け、かかる申請手続も複雑かつ多岐にわたるとともに、許認可がおりるまでの期間が長引く場合があります。また、発電所建設地の近隣住民の反対や行政の不同意等によって開発を中断せざるを得ない事態が生じることもあります。このような事象により、用地確保から発電所建設に至るまでの期間が予想以上に長引く場合や、当該案件の開発を断念せざるを得ない状況が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、太陽光発電所の開発候補地の取得に際しては、綿密な案件の事前調査・デューデリジェンスを行い、開発リスクを把握したうえで、重大なリスクが見込まれない案件の開発を行う方針としております。

 

(3) 気候変動リスク

当社及び株式会社エコ・テクノサービスが展開する再生可能エネルギー事業に関して、太陽光発電所の発電量は、気象条件により左右されます。米国国家航空宇宙局ゴダード宇宙研究所元所長のジェームス・ハンセン博士によると、地球温暖化が進むことで海水温が上昇すると、海から蒸発する水蒸気量が増加して雲の形成が進み、その結果、曇日や雨天日が増え、日照時間の減少につながるとの研究発表がなされております。日照時間の減少は太陽光発電所においては売電収入の減少に直結するため、気候変動は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループにおいて、エコロジーを意識し、社会集団の一員であるのにふさわしくあるよう、小さなことからでも一人一人が地球環境を意識することに努めております。

 

(4) 災害リスクについて

当社及び株式会社エコ・テクノサービスが展開する再生可能エネルギー事業に関して、太陽光発電所の発電量は、太陽光パネル等の設備の劣化や天災・火災等の事故により、想定した発電量と実際の発電量との間に予期せぬ乖離が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社では、災害等による損失リスクを保険によりヘッジするほか、専門技術者を擁するメンテナンス事業会社である株式会社エコ・テクノサービスによる発電データのモニタリング、定期的なメンテナンス、ドローン等の最新技術を用いた点検などを組み合わせ、発電能力の維持に努めております。

 

(5) 商品の安全性に関するリスク

当社及び株式会社ジー・スリーファクトリーが展開する新規エネルギー事業及びサステナブル事業に関して、LPガス及び都市ガス用非常用発電機、マグネシウム電池、消毒機器、基礎化粧品・健康食品のOEMを含む供給者として商品の安全性を最重要課題として認識し、適用される規制を遵守し商品に要求される全ての品質基準を満たすよう努めます。しかしながら、当社グループの努力にもかかわらず、商品がこれらの基準を満たさず、又は、その品質が低下し、安全性に問題が生じる可能性があります。このような問題は、当社グループにおいて生じ得るのみならず、当社の管理が及ばない販売先や仕入先・製造委託先において生じる可能性があります。これにより、費用を伴う製造中止、リコール又は損害賠償請求が発生し、また、当社グループの信用に悪影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社では、規制に関する情報収集と仕入先及び製造委託先との綿密な情報交換と意思疎通に努め、良質な品質管理を行う方針としております。

 

 

(6) 商品開発及び商品供給に関するリスク

株式会社ジー・スリーファクトリーが展開するサステナブル事業において、基礎化粧品・健康食品市場は、消費者嗜好の変化による影響を非常に受けやすい市場です。当社グループが収益及び利益を確保するためには、消費者の嗜好にあった魅力的な商品を提供することが必要となります。当社グループは、市場の変化を的確に把握するよう努めてまいりますが、当社グループが消費者の嗜好にあった魅力的な新商品を開発できる保証はありません。また、当社グループは、健康志向を有する消費者にとって魅力的な商品を開発することを重要な商品戦略の一つとしていますが、他社商品により競争が激化する可能性があります。消費者の嗜好に何らかの重大な変化が生じた場合や、当社グループがこのような変化を的確に把握し、又はこれに対応することができない場合、当社グループの商品の需要が減少し、また当社グループの競争力が低下し、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

当社グループは、商品の供給に関して、消費者の嗜好等を踏まえて需要を予測し、需給計画を立案していますが、当社グループの予測を超える需要が発生した場合等、需要に適切に応じられない可能性があります。この場合、当社グループは販売機会を喪失し、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

当社グループではこれらが重大リスクとならないよう、消費者の嗜好変化のモニタリングと在庫管理と受発注状況、販売先とのコミュニケーションを毎日行っております。

 

(7) 知的財産権、 特許権等について

当社グループは、第三者が保有する知的財産権等を侵害することのないよう、外部への委託等により調査を行っておりますが、万一、当社グループが第三者の知的財産権等を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴えを起こされる可能性があります。これにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

そのため、当社では、事業運営に係る重要な知的財産・ノウハウ等については、当社が必要と認める調査を実施したうえで、重要性に応じて権利の取得を進めるなどの対応を行ってまいります。

 

(8) 小規模組織及び少数の事業推進者への依存について

当社グループは従業員20名の小規模組織であり、取締役、従業員はそれぞれ、経営戦略、製品開発戦略、販売戦略、管理運営等の当社の業務に関して専門的な知識・技術を有し重要な役割を果たしています。これらの者が当社グループを退職するなど人材の流出が生じ、後任の確保が円滑に行えない場合、当社グループの事業展開及び経営成績に重要な影響が生じる可能性があります。

当社では役員及び従業員への情報共有を徹底し権限移譲を進めるなど、組織体制としても柔軟性を高める強化を図りながら、優秀な従業員の確保による人的資産の強化や、社内外の技術・ノウハウを機動的に活用し得るネットワークの構築に努めております。

 

(9) 情報管理について

当社グループは、情報管理に関する内部管理体制を整備しております。しかしながら、不正アクセスや業務上の過失、記憶媒体の紛失等、何らかの原因により情報の漏洩事故が発生した場合、損害賠償費用の発生や信用失墜により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、情報の保管場所を社内から外部クラウドサービスへ移行させ、高水準のセキュリティで安全を担保しつつ業務の効率化を図る施策を行っております。

 

(10)今後の事業展開、新たな事業領域への展開について

当社グループは、再生可能エネルギー事業を主要事業に据えつつも、周辺領域を中心に新規事業の創出を行い、事業の拡大を図っていく方針です。事業拡大の際には多額の開発資金の拠出、人材の確保や設備の増強等追加費用が発生する可能性がありますが、必ずしも想定通りに事業開発が進捗しない場合もあります。また、事業拡大の手段として企業買収や提携等を行う可能性がありますが、必ずしも投資に見合った想定どおりの効果が得られない可能性もあります。

しかし、リスクは適切なコントロールが必要ですが、事業上の全てのリスクを回避していては、有望な投資機会を逃し、株主をはじめとするステークホルダー全体の利益を失う結果にもなりかねません。

当社では、事業拡大に向けた投資判断に際しては、社内外の有識者・専門家からの情報収集やマーケット動向調査・分析を行い、取締役会や経営会議で十分な議論を行うほか、重要性に応じて、独立役員である社外取締役監査等委員3名を中心とした委員会形式により実行可否の検討を行うなど、慎重かつ健全なリスクテイクを行い得る体制構築に努めております。

 

 

(11) 感染症等の影響について

新型コロナウイルス感染症の長期化、あるいは変異株の出現等によって世界的な感染症の再拡大が及んだ場合には、経済活動の制限によりマーケットが悪化し、また対面での営業活動が制限され仕入及び販売活動が滞り、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、病原ウイルス及び細菌に対する感染予防は社会的意義が大変に高いと考え、自ら感染予防のための消毒OEM事業を開始し、かつ事業継続のため、従業員に感染症対策について教育を行うほか、感染予防を目的としたアクリルパーテーションの設置、従業員個別の事情に応じて感染リスクを抑えた勤務を認めるなど、感染状況に応じて柔軟な対応を行っております。

 

(12) 関連当事者との取引について

当社は、原則として関連当事者取引は行わない方針としております。そのうえで、関連当事者取引を行う場合には、取引の合理性や妥当性の検証を含めて、当社の定めたルールに基づいて実施するものとしております。しかしながら、これらの手続きが想定通りに機能せず、何らかの事情により、関連当事者との関係が悪化する、ないしはその取引が不適切なものとなった場合、当社グループの運営体制や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 当社株式の上場廃止に関するリスクについて

当社株式は、2022年3月31日付けで、株式会社東京証券取引所から、以下のとおり特設注意市場銘柄に指定されており上場廃止リスクがあります。これにより、今後の当社グループの対応などによっては、今後の当社グループの事業活動や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

①特設注意市場銘柄指定の理由

株式会社東京証券取引所から以下の指摘を受けております。

株式会社ジー・スリーホールディングス(以下「同社」という。)は、2021年11月10日に特別調査委員会の設置を、2022年2月2日に同社における不適切な会計処理に関する特別調査委員会の調査報告書を、また同年2月18日に過年度の決算内容の訂正をそれぞれ開示しました。これらにより、同社では、前代表取締役社長が、自身が主体的に関与する太陽光発電所案件に関して、会計処理の適切性確保を軽視し背景事情や資金の流れを取締役会で適切に報告しないまま、収益実現の要件を満たさない状況で売上を計上するなどの不適切な会計処理を行っていたことが明らかになりました。その結果、同社は、2017年8月期第3四半期から2021年8月期第3四半期までの決算短信等において、上場規則に違反して虚偽と認められる開示を行い、それに伴う決算内容の訂正により、2017年8月期及び2018年8月期の親会社株主に帰属する当期純利益の赤字を黒字と偽っていたことなどが判明しました。

こうした開示が行われた背景として、本件では主に以下の点が認められました。

・2015年にも太陽光発電所案件の取引に関して不適切な売上計上が発覚し、第三者委員会の調査報告書の提言に基づき2015年11月2日及び2016年1月29日に再発防止策を開示したものの、再発防止策が適切に実施されていなかったこと

・前代表取締役社長のみが太陽光発電事業の全体像を把握し、取締役会に適切な報告を行わなかったこと

・上記の再発防止策に基づき取締役会で深度のある審議を行うべきところ、論点整理された資料が事前に配布されず、不十分な審議で議案が承認されていたこと

・取締役監査等委員の全員が非常勤で、常勤の補助者もなく、社内情報を十分に入手していなかったにもかかわらず、取締役会の議案に係るエビデンスの確認や監査等委員会での検討が不十分であったこと

・太陽光発電事業に係る職務分掌が未整備で業務プロセスが不明確であった結果、前代表取締役社長の業務執行範囲が拡大したこと

・関連当事者情報の適切な把握や利益相反取引を防止するための体制が構築されていなかったこと

本件は、投資者の投資判断に深刻な影響を与える虚偽と認められる開示が行われたものであり、同社の内部管理体制等については改善の必要性が高いと認められることから、同社株式を特設注意市場銘柄に指定することとします。

②特設注意市場銘柄指定日

2022年4月1日(金)

 

③特設注意市場銘柄指定期間

2022年4月1日から原則1年間とし、1年後に当社から内部管理体制確認書を提出、株式会社東京証券取引所が内部管理体制等の審査を行い、内部管理体制等に問題があると認められない場合には指定解除になります。一方で、内部管理体制等に問題があると認められる場合には、原則として上場廃止となります。ただし、その後の改善が見込まれる場合には、特設注意市場銘柄の指定を継続し、6ヶ月間改善期間が延長されます。なお、特設注意市場銘柄指定中であっても内部管理体制等の改善見込みがなくなったと認められる場合には、上場廃止となります。

④今後の対応

株主及び投資家の皆様をはじめ、関係者の皆様には、多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。当社は2022年5月20日付け「改善計画・改善状況報告書の公表に関するお知らせ」にて公表のとおり、内部管理体制の問題点を抜本的に改善しコーポレート・ガバナンスを強化するための改善計画を取りまとめました。また、同改善計画に基づき、当社は2022年6月15日付け「コンプライアンス委員会の設置に関するお知らせ」にて公表のとおり、取締役会で決議された重要な意思決定等を第三者的な視点から監視するとともに再発防止策の進捗及び実効性を監視する機関として「コンプライアンス委員会」を新設いたしました。また、改善計画に則って各種社内規程・規則の改定を行ったほか、そうした規程を順守した業務フローの見直しを進め、既に新制度下での運用段階に入っております。さらに、役職員全員のコンプライアンス意識の向上に向けたコンプライアンス研修を月に一度の頻度で実施しているなど、内部管理体制の強化を着実に進めております。現時点において、改善計画において当初設定した個別対応事案の完了予定日から対応が遅れている項目はありません。今後も、再発防止に向けた改善計画を着実に実行し、内部管理体制の強化に向けた施策を継続的に実施していくことで、特設市場銘柄指定の解除が受けられるよう役職員が一丸となり信頼回復に向けて尽力してまいります。

 

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