(1)事業の特徴
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社と関連会社1社及びその他の関係会社1社により構成され、電子カルテシステム・オーダリングシステム・医事会計システム等の総合医療情報システムの開発・販売及び保守サポートを中心とするシステム事業を行っております。なお、当社の事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しておりますが、販売区分は「システムソフトウェア」、「ハードウェア」、「保守サービス等」としております。
システムソフトウェアでは、医療機関向けに、患者の診療情報の記録、検査及び投薬等の指示、医事会計など一連の院内業務効率化のための各種医療情報システムの提供を行っております。自社開発システムとしては電子カルテシステム、オーダリングシステム、医事会計システム、その他として健診システム、リハビリシステム等の部門支援システムがあります。また、複数のシステムを組み合わせることで、総合病院からクリニックに至る医療機関向けに総合医療情報システム「PlusUs」を提供しています。
このほか、システムの稼動に必要なサーバやPC等のハードウェアの販売、導入後のユーザーサポート、メンテナンスサービスの提供及び消耗品の販売にかかる保守サービス等を行っております。
さらに最近では、医療機関内にサーバを設置するオンプレミスに加え、データセンターを利用したクラウド型医療情報システムをサブスクリプションモデルで提供しており、サーバ投資の初期コストや運用管理コストを低減するとともに、高レベルのセキュリティと耐災害性を備えたサービスを提供しています。
当社の製品開発については、システム開発部署に資源を集約することにより、ノウハウの集積度を高め、開発対象を中小規模の病院をターゲットとした製品群に集中することで生産性を向上させ、製造原価の低減に努めております。また、製品導入については、作業工程の標準化、効率化等により、導入期間の短縮に努めております。
当社の総合医療情報システムの中核をなすWeb型電子カルテシステムは、従来のクライアントサーバ型電子カルテシステムと異なり、端末への専用プログラムのインストールや管理にあたるシステム管理者の常駐を必要とせず、納期の短縮、初期導入コスト・ランニングコストの低減につながります。こうしたWeb型の特徴を生かし、複数の医療施設を持つグループ医療機関に対して、システムの共有を行うプライベートクラウド型の導入を推奨したアプローチを行っています。また、当社は、サポートセンターからリモート技術を活用して、24時間のサポート体制でサービスを提供しています。
(2)主な製品
A.Web型電子カルテシステム「PlusUs-カルテ」
Web型電子カルテシステムは、医療現場の声を第一に、医師の大切なカルテ情報の取り扱いにあたり、多忙な日々の診察の中でも、迅速かつ容易にカルテ作成を可能にするユーザーインターフェースを備えたシステムとして開発を重ねてきました。
医療機関における情報化の経過は看護支援システム、オーダリングシステムそして電子カルテシステムへと変化してきました。当社はいち早くWebベースによるこれらの主要システムを一つのシステムに統合しました。システムを統合したことでデータベースの一元化が可能になり、複雑なデータ連携の仕組みが不要になると同時に、データ反映がリアルタイムになりました。またWebベースで運用することで、端末(パソコン)の管理が不要になり、高いセキュリティと低い運用コストを実現することができます。さらに、データバックアップの容易性と保存場所の拡張性を確保するとともに、データウェアハウスを容易に構築することができるようになりました。
また、多様な診療形態に適応した専門機能群を有しており、精神科、産科向け等の診療科ごとの機能、透析診療のスケジュール、基本情報、透析条件記録等の透析機能、さらに、患者の栄養管理のための、職種の壁を越えた栄養サポートチーム等のチーム医療に適したオプション機能もあります。
医療現場で発生する医師や看護師などが入力した診察内容や看護・検査記録、さらには検査データや予診データなど、あらゆる診療の場で発生するデータが他の医療情報システムとも柔軟に対応できるタグ形式の(*)XML文書の形で同時保存できるように対応しております。
(*)XMLとは、インターネット上で扱うデータを記述するためのデータフォーマットです。
B.Web型オーダリングシステム「PlusUs-オーダ」
Web型オーダリングシステムは、院内のコンピュータネットワーク上において医師から薬や注射、検査、処置、リハビリ等の指示(オーダ)が出されるとリアルタイムに施行部門へ伝達されますので、複数の診療科での重複投与の防止や施行時の患者取違いの防止に役立ちます。また、手書きで起こりがちな、転記ミス等が減少し、帳票の印刷と同時に算定情報が医事会計システム「PlusUs-医事」へ送信されますので、請求漏れの軽減ができます。患者にとっては受付や会計での待ち時間の短縮にメリットがあります。
Webベースで運用する事で、端末(パソコン)の運用管理が不要になり高いセキュリティと低い運用コストを実現することができます。
C.医事会計システム「PlusUs-医事」
当社が長年培ってきた医事会計に関する技術ノウハウを集積した医事会計システムです。世界標準のデータベースを採用したシステム構成で、高品質な運用の安定を図っており、様々な病院の運用体系を考慮し、歯科・介護も同じシステムで対応しています。また、国の政策に対応した、オンライン資格確認や電子レセプト、DPC(診断群分類)等のシステムを開発し、複数社の電子カルテ・オーダリングシステムとの接続に対応した、標準マスタの利用やXML技術を用いて、柔軟な対応と品質の安定を図っております。
D.部門支援システム
当社では部門支援システムとして健診システム「PlusUs-健診」、リハビリ部門システム「PlusUs-リハ」、手術部門システム「PlusUs-手術」を開発、販売しています。
健診システム「PlusUs-健診」は、健康診断、人間ドック、生活習慣病予防健診などの健診業務をサポートするシステムです。健康診断および人間ドックに関する業務の『はじめから終わりまで』、また受診後のデータ管理において、健診・ドック施設はもとより受診者へのサービスを大幅に向上いたします。「PlusUs-健診」は、施設側での運用設定が容易で施設ごとにシステムをセットアップする事ができる機能を提供いたします。
リハビリ部門システム「PlusUs-リハ」は、リハビリ療法士の理学・言語・作業の各療法に対応した運用画面と訪問リハビリ機能では訪問先での患者情報、リハカルテの参照・登録・退院後フォローを支援します。また電子カルテ、オーダリング、医事会計システムとの連携により療法士の管理業務、患者の受付から計画・実施・評価・リハカルテ・計画書・帳票作成までの大幅な省力化を実現します。
手術部門システム「PlusUs-手術」は、電子カルテからオーダされた手術申込情報を取り込み、手術室ごとに予定一覧の確認と予約確定をスピーディに行います。入退室時間・術式等の管理等、実施入力では「手術実施記録」や手術材料に貼付されている保険請求ラベルのバーコードを読込むことにより、使用した材料や薬剤を簡単に入力することができます。記録された手術管理情報は、そのまま医事会計システムで取り込むことができます。その他手術管理台帳等の管理等手術室の医師・看護師を全面的に支援します。
(3)当社の販売形態
当社の販売・サポート体制につきましては、当事業年度末現在営業拠点15か所(本店・支店・営業所・出張所)を設置し、九州・中国・四国・近畿・中部・関東・東北・北海道各エリアにおいて直販を主体に展開しておりますが、一部、関係会社1社(関連会社)及び協業等により販売を展開しています。地域別では、これまで、本店のある九州エリアでの販売が中心となっておりましたが、その他エリア、特に関東・東北・北海道エリアでの営業体制強化を図っております。
なお、当社の販売形態の事業系統図は、次のとおりであります。
[事業系統図]
お知らせ