業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルスの影響を受けた前期と比べ大幅に改善しており、需要の回復が進みました。その結果、売上高は前年同期比で増収となり、また利益面でも、全般的な販売数量の回復に加え、前期に実施したグループ全体での原価低減や固定費削減の効果等もあり、営業利益は前年同期比で増益となりました。一方、期後半では、原燃料価格の高騰や不安定な世界情勢等、外部環境の変化により、製造原価が上昇に転じて不透明感が増しており、増益のペースは緩やかなものとなっております。

 このような状況の中、当社グループは、基盤事業の強化と資源再利用事業、脱プラスチック等の社会的要請も背景にした成長施策を実施し、当社グループのもつオンリーワンの品質と技術を活かした新製品開発、更には製紙以外の新たな事業領域に取り組んで参りました。同時に財務基盤の強化による筋肉質化を一層進めて、企業価値向上に鋭意取り組んで参りました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,661百万円減少し、125,430百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ937百万円減少し、46,867百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,723百万円減少し、78,562百万円となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高80,711百万円(前年同期比5.6%増)、営業利益4,231百万円(前年同期比31.1%増)、経常利益5,733百万円(前年同期比4.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益5,251百万円(前年同期比6.1%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

1) 産業素材事業

 段ボール原紙は、日本東海インダストリアルペーパーサプライ株式会社を通じて国内外向け販売が堅調に推移しました。クラフト紙につきましても、国内向け販売が順調に推移しました。一方、利益面につきましては、水力発電による売電事業が渇水の影響等もあり、前年同期比で減益となりました。

 この結果、当セグメントの売上高は39,375百万円(前年同期比6.0%増)、営業利益は1,154百万円(前年同期比2.0%減)となりました。

2) 特殊素材事業

 特殊印刷用紙の売上は、新型コロナウイルス感染の影響により大幅に減少した前年同期を上回りました。商業印刷向けの高級印刷用紙は、需要の回復に力強さがなく、厳しい状況が続いていますが、ファンシーペーパーは書籍・パッケージ用途で底堅い需要に支えられ、堅調に推移しました。他方、特殊機能紙につきましては、電子化による影響で情報用紙の売上は前年同期を下回りましたが、海外向け一部製品の需要は引き続き旺盛で、また、2020年に発売した高耐熱性絶縁紙はユーザーの要望に細やかに対応して顧客開拓を進めた結果、特殊機能紙の売上は前年同期を上回りました。原価面につきましては、パルプ・薬品等の購入価格上昇の影響を受けましたが、財務体質強化に伴う一層の効率化に加えて、徹底した原価低減に取り組み、利益は前年同期を大幅に上回りました。

 この結果、当セグメントの売上高は21,275百万円(前年同期比13.5%増)、営業利益は2,643百万円(前年同期比102.9%増)となりました。

3) 生活商品事業

 ペーパータオルの需要は高い水準で推移していますが、各社の増産や新規参入によって市場への供給量が増加し、販売数量は前年同期を下回りました。また、トイレットペーパーにつきましては、委託生産分の販売数量が前年同期を下回ったものの、長尺品の拡販効果等により、ほぼ横ばいで推移しました。一方、ラミネート等の加工製品につきましては、経済活動の緩やかな回復基調に伴って需要が増加傾向にあることに加え、新規受注活動の成果が表れて販売数量は前年同期を大幅に上回りました。しかしながら利益面につきましては、全製品とも原燃料価格の高騰、固定費の増加等により減益となりました。

 この結果、当セグメントの売上高は16,859百万円(前年同期比1.7%増)、営業利益は574百万円(前年同期比31.0%減)となりました。

 

4) 環境関連事業

 自然環境活用分野につきましては、土木・建築設備工事の完成高が前年同期を下回ったことなどにより減収となりました。利益面でも、2020年11月に製造開始したウイスキー等の将来成長事業に係る先行費用が大幅に増加したことなどもあり、前年同期比で減益となりました。資源再活用分野につきましては、リサイクルビジネスの強化を目的として前期に子会社化した株式会社駿河サービス工業が堅調に推移したことに加えて原価低減等により増益となりました。また、同社は8月に非連結子会社の湘南商事株式会社を吸収合併いたしました。

 この結果、当セグメントの売上高は8,174百万円(前年同期比6.8%減)、営業利益は2百万円(前年同期比96.2%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は11,722百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,474百万円の減少となりました。

  当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動の結果得られた資金は9,579百万円となり、前連結会計年度に比べ2,059百万円の減少となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益7,299百万円、減価償却費6,225百万円、法人税等の支払額2,073百万円、売上債権の増加額1,841百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動の結果使用した資金は4,701百万円(前連結会計年度は893百万円の獲得)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出7,231百万円、有形固定資産の売却による収入2,688百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果使用した資金は6,422百万円となり、前連結会計年度に比べ2,820百万円の減少となりました。主な内訳は、短期借入金の増加額4,170百万円、長期借入金の返済による支出4,160百万円、自己株式の取得による支出4,002百万円、配当金の支払額1,669百万円であります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 

生産高(百万円)

 

前年同期比(%)

産業素材事業

43,285

5.8

特殊素材事業

18,661

17.8

生活商品事業

15,447

3.1

環境関連事業

112

20.2

合計

77,507

7.8

 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、販売価格によっており、自社利用分も含まれております。

 

b.受注実績

  当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

特殊素材事業

24

67.0

-

100.0

環境関連事業

3,751

48.4

2,568

35.4

合計

3,775

45.1

2,568

34.2

 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

    2 受注実績は、建築土木工事について記載しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 

販売高(百万円)

 

前年同期比(%)

産業素材事業

37,445

6.4

特殊素材事業

20,598

13.5

生活商品事業

16,674

1.8

環境関連事業

5,992

10.2

合計

80,711

5.6

 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

日本東海インダストリアルペーパーサプライ株式会社

29,705

38.9

32,063

39.7

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

 1) 財政状態

  (資産)

 当連結会計年度末の総資産は、125,430百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,661百万円の減少となりました。主な要因は、投資有価証券の期末時価評価等により減少したことによるものであります。

  (負債)

 当連結会計年度末の負債は、46,867百万円となり、前連結会計年度末に比べて937百万円の減少となりました。主な要因は、その他(設備関係支払手形)の減少によるものであります。

  (純資産)

 当連結会計年度末の純資産は、78,562百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,723百万円の減少となりました。主な要因は、自己株式の取得により減少したことによるものであります。自己資本比率は57.5%となり、前連結会計年度末に比べて0.2ポイント上昇しました。

 

 2) 経営成績

  (売上高)

 当連結会計年度の売上高は80,711百万円となり、前連結会計年度に比べて4,308百万円(5.6%増)の増加となりました。セグメントごとの売上高につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

  (売上総利益)

 当連結会計年度の売上総利益は11,759百万円となり、前連結会計年度に比べて671百万円(6.1%増)の増加となりました。これは主に、売上高が増加したことによるものであります。

  (営業利益)

 当連結会計年度の営業利益は4,231百万円となり、前連結会計年度に比べて1,003百万円(31.1%増)の増加となりました。これは主に、売上総利益が増加したことによるものであります。

  (経常利益)

 当連結会計年度の経常利益は5,733百万円となり、前連結会計年度に比べて237百万円(4.0%減)の減少となりました。これは主に、持分法による投資利益が減少したことによるものであります。

  (親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は5,251百万円となり、前連結会計年度に比べて342百万円(6.1%減)の減少となりました。これは主に、経常利益が減少したことによるものであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループが経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標としては、収益稼得水準の観点から営業利益を最も重視しており、また営業外の活動を反映する経常利益や、株主に対する還元の基準となる親会社株主に帰属する当期純利益についても重要視しております。加えて、投下資本の生産性を示す指標としてROAやROEについても、重要な経営指標と考えております。当社グループは、将来目指すべき姿として長期目標(売上高1,200億円、営業利益100億円、営業利益率8.3%、ROE8%)を定め、更なる成長の機会探索と既存事業の体質強化に取り組んでおります。

 当連結会計年度における営業利益は42億円、経常利益は57億円、ROEは7.2%となりました。第5次中期経営計画を推進することで、引き続き当該指標の改善に邁進していく所存でございます。

 

d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 また、資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

  (資金需要)

 当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。運転資金需要の主なものは紙パルプ製造・販売における原材料及び商品仕入れ、製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備資金需要の主なものは紙製造工程の維持更新投資、エネルギー関連投資、研究開発関連投資、環境関連投資等、固定資産購入によるものであります。

 

  (財務政策)

 当社グループは、短期運転資金等の短期性資金については、主に金融機関からの短期借入金にて調達し、長期運転資金及び設備投資等の長期性資金については、内部資金及び金融機関からの長期借入金並びに金融機関を引受先とする社債(私募債)発行等により調達しております。なお、資金の性格、今後の資金需要、金利動向等の調達環境、予想される貸借対照表の流動比率及び借入金長短比率等を総合的に考慮し、調達額及び調達方法を適宜判断して実施しております。

 また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に備えて、現預金残高の積み上げにより一定程度の手許流動性を確保しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

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