事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)需要及び市況の変動

 当社グループは製紙業を主たる事業としており、事業セグメントごとに異なったリスクがあるものと認識しております。

 ①産業素材事業

 当事業は段ボール原紙やクラフト紙等の産業用包装材を主に扱っております。経済環境の悪化に伴って物流活動が停滞した場合、また、悪天候により農産物の収穫量・流通量が著しく低下した場合、産業用包装材の需要が減少し、当事業の業績に負の影響を与える可能性があります。また、当事業の海外展開先である中国及びASEAN諸国の政情や経済状況が著しく変動した場合、販売量の減少や市場価格の下落等の要因で、当事業の業績に負の影響を与える可能性があります。これらのリスクへの対応については、生産コスト低減施策を通じ、さらなる低コスト・高能率の生産体制を作りあげてまいります。

 ②特殊素材事業

 当事業が扱っている出版向けファンシーペーパー等の特殊印刷用紙及び特殊機能紙は、「多品種・小ロット高付加価値」が特徴の高価格製品群となっております。出版部数の伸び悩みに伴い、当事業の主力製品群である特殊印刷用紙の市場そのものが縮小傾向にありますが、他方で、ハイエンドパッケージ向け新製品の開発や中国市場の開拓等、積極的な製品展開に努めております。しかしながら、特に高価格の特殊印刷用紙においては、景況変動の影響をいち早く受けやすく、経済活動が停滞した場合、需要が著しく減少し、当事業の業績に負の影響を与える可能性があります。今般のコロナ禍ではリスクが顕在化し、第14期連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)において、商業印刷、出版、パッケージ向け等の特殊印刷用紙の需要が減少いたしました。需要は回復基調にあるものの、当該リスクへの対応については、引き続き、新たな潜在的ニーズの追求に努めると共に、今後の市場動向を注視してまいります。

 ③生活商品事業

 当事業が主に扱っているトイレットペーパーにつきましては、国内人口減少に伴う需要減少がある反面、インバウンド需要の高まりから、業界では堅調な伸びとなっておりました。しかしながら、商業施設向け商品が多数あり、新型コロナウイルスの感染拡大以降、観光客減少に伴い、インバウンド需要が減少しております。この状況が長期化する場合、販売数量の減少等を通じて、当事業の業績に負の影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応としては、市販品の拡販及び顧客ニーズを取り込み、製品のさらなる品質向上を推進し、生産効率を維持してまいります。

 またペーパータオルにつきましては、社会全般の衛生意識の高まりから需要は堅調であるものの、競合他社が同事業へ参入する動きもあり、長期的には供給が需要を超える可能性があります。ネットワークを強化しつつ、機能性を高めた製品の投入を検討するなどして存在感を顕示してまいります。

 

(2)原燃料価格の変動

 製紙業においては多量の原燃料を使用するため、その事業の主たる原料価格に変動があった場合、当該事業の業績に負の影響を与える可能性があります。また、原燃料の輸入取引について為替変動リスクを負っており、主として米ドルに対して円安が生じた場合、業績に負の影響を与える可能性があります。

 産業素材事業において主たる原料である段古紙の価格は、中国およびASEAN諸国をはじめとした海外情勢の影響を受けやすくなっております。したがって、海外情勢に著しい変化があった場合、調達価格が高騰し、当該事業の業績に負の影響を与える可能性があります。

 生活商品事業において使用する上質の古紙の価格は、ペーパーレス化の進展に伴い、年々その発生量が減少し、古紙需給の影響を受けやすい状況となっております。したがって、更なるペーパーレス化の進展により、上質の古紙の発生量が減少した場合、調達価格が高騰し、当該事業の業績に負の影響を与える可能性があります。

 古紙の調達価格上昇リスクについては、運送費のより安価な近場からの安定調達に注力するとともに、長年の取引関係を勘案した安定調達先の確保に努め、さらに段古紙については、日本製紙株式会社との共同調達の実施などにより対応しております。

 特殊素材事業において多量に使用するパルプについては、その多くを諸外国から調達しております。調達価格は海外市況の影響を受けるため、パルプ生産国の経済活動に著しい変化があった場合や、世界的な需要が高まった場合においては、調達価格が高騰し、当該事業の業績に負の影響を与える可能性があります。パルプの調達価格上昇リスクの対応については、調達先を国内外で多様化するとともに、各取引先との良好な関係作りに注力しております。また、当社グループ全体としては、島田工場で製造している未晒パルプシートの海外輸出も行うことにより、購入パルプ価格の上昇の影響を緩和する施策も行っております。

 

(3)取引先の信用リスク

 当社グループの取引先の経営状況が、市場の変動や業界再編成等により財務上の問題に直面した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性については、現時点では確認しておりませんが、新型コロナウイルスによる影響が長期化した場合、社会全般における倒産リスクが高まるものと認識しており、各事業本部が密に連携し、一層の管理体制強化を図ってまいります。

 

(4)資金調達

 資金調達については、現状の経済情勢下においては重大なリスクはないものと認識しておりますが、変異株による新型コロナウイルス感染症拡大が更に広がり、更に厳しい要請下での緊急事態宣言期間が長期におよぶ状況となった場合は、金融機関からの資金調達が困難になる可能性があると考えております。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりませんが、手許流動性の確保のため現預金の積み増しを実施し、非常事態に備えております。

 

(5)法的規制

 製造販売業務を主体とする当社グループにつきましては、環境規制に加えて、労働安全衛生法、製造物責任法、知的財産権に関する規制等の様々な法規制の適用を受けております。このため、これらの規制の改定等に対応することや、これらの規制に関連した訴訟等を受けることにより、事業活動が制限されたり、高額な費用負担や環境対策設備の設置等、コストの増加につながることがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応について、当社グループでは常設の機関としてコンプライアンス委員会を設置し、常に法令遵守を念頭に置いた経営管理に努めており、また、特に環境規制については社長直轄の部署として安全・環境統括室を設置しており、環境関連の法改正及び環境保全に係る社会的要請の動向に、引き続き注視してまいります。

 

(6)災害や感染症及び事故による影響

 当社グループは、製造ラインの突発的な中断による潜在的なマイナス影響を最小限にするため、定期的な予防保全を行っております。また、災害事故等不測の事態発生に備え、影響を最小限にするための教育・訓練等を実施しており、特に地震対策については、当社内に緊急時の対応組織を設け、臨機応変に対応することにしております。しかし、これらの影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。また、当社グループの工場及び施設の多くは静岡県にあり、大規模な地震やその他の操業を中断する事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 また、従業員が重大な感染症に罹患した場合、従業員及びその家族への感染拡大を防ぐため、工場の操業を停止する可能性があり、停止の期間やその範囲は想定しておりません。今般の新型コロナウイルスの世界的な拡大を受け、当社グループでは、各都道府県の感染状況や政府機関の判断を随時注視しながら、リモートワークの導入をはじめとした社内施策を講じ、感染防止に努めております。

 

(7)環境の激変に伴う所有資産価値の変動

 ①投資有価証券の減損に係るリスク

 当社グループは、時価のある有価証券を保有しておりますが、時価が著しく下落した場合には、取得原価と時価との差額を当該期の損失とすることとなり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 ②固定資産の減損に係るリスク

 当社グループは、多くの製紙業に関係する生産設備等の有形固定資産を有しております。第15期連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)においては、デジタル化の進展等に伴い特殊素材事業の一部の資産グループに減損の兆候がみられ、割引前将来キャッシュ・フローの総額が固定資産の帳簿価額を下回ったことから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額を減損損失として計上しております。引き続き、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用に伴い、このような資産又は資産グループについて、時価の下落や当該資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フローの状況によっては減損処理が必要な場合があり、そうした場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 ③のれんの減損に係るリスク

 当社グループは、第13期連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)に株式会社駿河サービス工業を連結子会社化したことに伴い、のれんを計上しております。当該のれんにつきましては、事業価値及びシナジー効果が発現された結果得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えておりますが、景気変動等の影響により収益性が低下した場合には、減損損失計上により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

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