事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 以下に、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要と考えられる事項については、情報公開の観点から積極的に開示しております。なお、当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項以外の記載事項を、慎重に検討した上で行われる必要があると考えられます。

 なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 失敗プロジェクトの発生

 当社は自社製品「OBPM Neo」を活用しプロジェクト管理を徹底していますが、何年かごとに大きな失敗プロジェクトが発生してしまいます。一つのプロジェクトの失敗でも当社の事業に大きな損失を与えることとなります。表面化していないプロジェクトの潜在リスクを早期に発見し、対処できるようPMO機能の強化を行っていきます。

 

(2) ソフトウエアモデルからサービスモデルへの流れ

 IT業界は、ハードウェアからソフトウエアの時代に移り変わり、さらにサービスの時代となっています。パッケージソフトウエアを作成して販売するというモデルは、典型的なソフトウエア時代の収益モデルですが、クラウドサービスで収益を上げるモデルにパイを奪われつつあります。

 こうした時代変化の中、当社もソフトウエア製品の開発・販売のみならず、クラウドサービス事業を拡大しています。新規事業「TOPSIC」や、既存事業「SI Object Browser PM(2021年3月から「OBPM Neo」)」もクラウドサービスのビジネス形態としています。こうした新しい事業モデルへの変革が十分にできなかった場合、時代ニーズにマッチできなかった企業として成長できないリスクがあります。

 

(3) ECサイトのトラブルについて

 ECサイト上での企業と消費者間、または企業間の取引においては、違法な取引やセキュリティ問題などのトラブルが発生する可能性があり、たとえばハッカー攻撃など不測の事態により、個人情報が漏洩する危険性も無いとは言い切れません。このようなトラブルが、当社のECサイト構築パッケージソフトである「SI Web Shopping」によって構築されたサイト上で行われる、または発生する可能性もあります。かかる事態が生じた場合、問題行為を行った当事者だけではなく、当該サイトを構築・運用するためのソフトウエアを提供したとして、当社が販売機会損失や信用損失などによる損害賠償請求も含めて責任を追及され、または問題の解決を迫られることも考えられます。このような事態が生じた場合、その解決にかかる費用が発生し、当社の業績は影響を受ける可能性があります。

 

(4) 製品の重大な不具合(バグ)による信用の低下について

 プログラムの不具合であるバグを無くすことは重要な課題ですが、ハードウェアや基本ソフトなどの環境との相性もあり、皆無にするのは難しいと一般的に言われています。当社は、このようなバグを発生させないよう、開発の最終段階で念入りなテストを行い、品質を確保するようにしています。製品の信頼性を高めることが、長期的なユーザーの獲得につながるものと考えております。

 しかし、念入りなテストを行ったとしても、予期しえない重大なバグを内在したまま販売する可能性がなくなるわけではありません。製品を販売した後に重大なバグが発生した場合、製品の信用が低下し、当社の業績は影響を受ける可能性があります。

 

(5) 新製品・新業態開発について

 当社のプロダクト戦略は、単一の製品に依存するのではなく、次々と新製品・新業態を企画・開発する方針です。これまでもAI製品やプログラミングスキル判定などの新サービスを次々とリリースしています。しかしながら、新しい分野に投入した製品が十分な収益を上げるまでにはある程度の期間がかかります。場合によっては、市場の見誤りや競合製品との競争の激化、社内体制の不備などにより、販売が低迷する可能性があります。かかる事態が生じた場合、当社はそれまで開発に要した投資を回収できず、当社の業績は影響を受ける可能性があります。

 

(6) 知的財産権について

 プロダクト事業では、開発した製品が他社の特許を含む知的財産権を侵害する可能性が無いとは言えません。知的財産権侵害により第三者から製品の販売中止などの提訴をされ敗訴した場合、製品の販売中止や回収を命じられることも考えられます。また、販売開始後、当社製品が他社の知的財産権に抵触することが発覚した場合、当社はロイヤルティの支払いが必要な使用権許諾を得なければなりません。かかる事態が生じた場合、当社の業績は影響を受ける可能性があります。

 

(7) 開発体制について

 自社プロダクトは、常に新技術を取り入れながら企画・開発されております。このため、社内のエンジニアは、高度な技術力が要求され、次々と新しい技術を習得し続ける必要があります。当社は、新規採用によるエンジニアの拡充、及び資格取得制度やチューター制度、社員研修制度、社内勉強会などによる社員教育に力を入れております。しかし、技術の移り変わりが激しくエンジニアの育成が間に合わない場合、又はエンジニアの社外流出が生じた場合は、開発作業に重大な影響を及ぼし、将来的に競争力のある製品をタイミング良くリリースできなくなる可能性があります。かかる事態が生じた場合、当社の業績は影響を受ける可能性があります。

 

(8) 訴訟ないし法的権利行使の可能性について

 当社の製品やソフトウエアプログラムあるいはインターネット全般に関する技術等が、意図せず第三者の権利を侵害する可能性があります。かかる場合には、第三者より権利の侵害請求に関する訴訟を提訴される可能性があります。また、当社が請け負った開発プロジェクトが失敗して、契約通りに本番稼働できないような場合、顧客から債務不履行などにより訴訟を提訴される可能性もあります。

 このような事態に陥った場合、当社は当然に、法的手段により防衛・解決に努力いたしますが、敗訴等となった場合には当社の事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、ハッカーやコンピュータウイルスなどによるシステム障害が生じた場合、当社製品の利用者に一定の損害を与えることから損害賠償等が提起される可能性もあります。このような事態に対応するため、法的防御の観点から、当社製品の使用許諾書に免責事項を入れておりますが、上記と同様に敗訴等となった場合には当社の事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 新型コロナウイルスの感染拡大による事業リスクについて

 新型コロナウイルスの感染拡大が当社事業に与える影響は限定的であり、当社ではテレワークの実施やオンラインでの営業活動など、可能な限りの感染防止策を講じておりますが、当社社員またはパートナー企業社員に新型コロナウイルス感染者が多数出るような事態となった場合には、開発中のプロジェクトに遅延が生じることなどにより、業績に影響を与える可能性があります。

 

 

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