下記の文中の将来に関する事項は、当会計年度末現在において当社が判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「生き生きとした発展成長を通して、ソフトウェア技術で、社会に、そしてお客様・株主様・社員に貢献する」という企業理念のもとに、これまでに培った技術を活かし豊かで夢のある社会の創造に貢献する企業を目指しております。
(2)目標とする経営指標
当社は、継続的な増収増益と安定配当を経営目標としております。また、収益確保による自己資本利益率(ROE)の向上を図ることを目標としております。
(中期計画)
(3)中長期的な会社の経営戦略
当業界においては、技術革新のスピードは速く、特にソフトウェアを支える技術は日々進化しております。こうした事業環境のなか、当社は「サイバーコムテクノロジーで社会に貢献する」を長期方針に掲げ、確かな技術基盤とソフトウェア技術者集団としての力強さを身につけた企業として、お客様への高品質なソリューションの提供に努めております。
当社におきましては、2021年度より新3ヵ年中期計画をスタートしており、2年目となる2022年度におきましては基本方針として「ビジネス変革」を掲げ、オンラインを活用した事業活動を積極的に推進することにより多様化するお客様のニーズにお応えしてまいります。
ソフトウェア事業においては、通信分野で培った多くの実績と高い専門性を強みとし制御分野から業務分野まで幅広く手掛けることができる対応力を武器に、更なる技術領域の拡大と、活発化しているDXへの取り組みに向けた対応力を強化しプロジェクトの拡大に努めてまいります。
サービス事業においては、AWS(Amazon Web Services)をはじめとした多様化する基盤技術への対応力強化と構築分野の増強、エンドユーザー対応力の強化に注力するとともに、自社プロダクトである「Cyber Smart」シリーズ製品、クラウドVPNサービス(※1)「楽々セキュアコネクト」、位置情報ソリューション「Cyber Position Navi」の拡販に努めてまいります。
また、2022年2月に販売を開始しました、お客様が必要とするITソリューションをワンストップでご提供する新サービス「Cyber Solution Plusシリーズ」など当社の幅広い技術力を武器に、徹底したお客様目線でのサービス提供に努め案件拡大を推進してまいります。
(※1)VPN:通信事業者の公衆回線を経由して構築された仮想的な組織内ネットワークまたはそのようなネッ
トワークを構築できる通信サービスのこと。企業内ネットワークの拠点間接続などに使われ、あ
たかも自社ネットワーク内部の通信のように遠隔地の拠点との通信を行うことができます。
(4)経営環境及び対処すべき課題
今後のわが国の経済は、感染再拡大の影響による輸出の減少、製造業の落ち込み、雇用・所得の低下が見込まれており、全体的に厳しい状況での推移が見込まれております。
当業界においては、企業によるシステム投資には慎重な姿勢が見込まれるものの、人員不足、リモートワーク対応による合理化・省力化に対する設備投資の継続、情報システムやネットワークのセキュリティ対策及び信頼性の確保に対する取り組み、サービスが開始されている第5世代移動通信(5G)及びローカル5G(※2)、社会インフラや医療分野等の成長分野における投資が見込まれます。
また、AI(Artificial Intelligence)、IoT(Internet of Things)、車載開発(CASE(※3))、RPA(Robotic Process Automation)を活用したビジネスの進展やクラウド領域の拡大によるニーズの高まり等により、堅調に推移するものと予測されております。
一方で、IT技術者不足が常態化し人材の確保及び育成が大きな課題となっております。
こうした経営環境に対応するため、今後当社といたしましては、技術力、営業力及び開発力の強化に加えオンラインを活用した事業活動を行い、お客様の更なる価値向上に貢献するため、特に下記の5点を重要課題として取り組んでまいります。
(※2)ローカル5G:超高速かつ大容量の通信を実現する次世代通信技術である5Gを活用し、企業や自治体など
の事業者が地域や産業分野の個別ニーズに基づき建物内や特定地域などのエリアで構築し活
用する自営の5Gサービスのこと。
(※3)CASE:Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、
Electric(電動化)といった車載開発における技術内容
① 技術力確保と品質向上及び生産性向上
技術革新のスピードが速く、特にソフトウェアを支える技術は日々進化しております。
第5世代移動通信(5G)、AI(Artificial Intelligence)、IoT(Internet of Things)、車載開発(CASE)による新しいビジネスの進展やエネルギー分野等の社会インフラ、医療分野の需要拡大、RPA(Robotic Process Automation)を活用した業務効率化やクラウド領域の拡大によるニーズの高まり等、当社を取り巻く事業環境は大きく変化しております。
こうした事業環境のなか、AWS(Amazon Web Services)を始めとしたクラウド対応力強化に向けた専門特化チームの新設を図り、高度最先端技術教育を強化すると共に品質向上に努めてまいります。また、当社の技術ノウハウを活かした部品やツールの利活用、自動化等による開発コストの低減を図り生産性向上に努めてまいります。
② 安定収益基盤の強化
当社が属するソフトウェア業界においては、国内外の同業各社との競合に直面しております。
このような状況下、当社はオンラインを活用した事業活動を推進しながら受託開発において高品質なソフトウェアの提供とサービス提供型ビジネスへの転換により一定の利益を確保する取り組みのほか、より高い収益性の実現と成長性を維持するために自社プロダクト及びサービスの拡充を図ってまいります。更には自社技術を活かした新プロダクトの創出と、今後の需要拡大が見込まれる成長分野への積極的な営業活動を継続し、安定収益基盤の強化を図ってまいります。
③ 技術者の確保
当業界において優秀な技術者を確保することは、会社の発展、成長に欠かせない要件となっております。
このような状況下、当社はオンラインを活用した採用活動を推進しながら、即戦力となる技術者の確保を目的とした中途採用に加え、継続的な会社の発展、成長を支えるための新卒採用活動も強化し、優秀な技術者の確保に努めております。グローバル化が進む高度情報化社会では、高度な知識とスキルを保有する人材が必要であることから、働き方改革への対応やダイバーシティへの柔軟な対応に努めてまいります。
また、技術者確保のひとつの方法として、パートナーと位置付ける協力会社からの技術者の受け入れを行っており、新規開拓及び継続的関係強化により社外からの技術者の確保にも努めております。
④ 人材育成
当社は、人材が重要な財産であると認識し、会社を発展成長させるための重要な課題として当社人財マネジメント方針に基づいた人材育成に取り組んでおります。技術面においては、高度最先端技術教育の強化とプロジェクトマネジメント力及び品質管理能力の向上を図っております。営業面においては、業界動向や顧客情報の早期収集により顧客目線に立った提案力の強化を図っております。管理面においては、現場の成長を支援、牽制する管理力の向上を図っております。
⑤ 業務の適正を確保するための体制の強化
当社は、財務報告の信頼性と業務の有効性・効率性を確保のため、違法行為や不正等が行われることなく、組織が健全かつ有効・効率的に運営されるよう、内部統制システムを整備し適切に運用しております。
また、コンプライアンスに留意のうえ企業統治を一層強化する観点から、継続的改善に努める旨の内部統制システムの構築に関する基本方針を決定しております。
詳細は、「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 4『コーポレート・ガバナンスの状況等』」に記載のとおりであります。
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