事業等のリスク

2 【事業等のリスク】

以下において、当社の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。

なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

① 事業環境について

ソフトウェア開発事業においては、設備投資及び開発投資動向が当社の想定どおりに推移する保証はなく、顧客の収益動向が悪化した場合は情報サービス投資が縮小し、当社の経営成績及び財政状態は影響を受ける可能性があります。また、当社事業については、ソフトウェア業界以外の各企業等の情報化投資の動向により影響を受ける可能性があります。

また、大規模事業者から小規模事業者まで多数の事業者が存在しており、これら事業者との競合が生じております。現状においては、政府や民間企業のIT化推進等に伴い業界全体における開発需要は堅調であるものの、一部で競合激化等による価格競争は生じております。この影響による開発需要の減少や新規参入増加等により更に競争が激化した場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、長年積み重ねた通信技術を活かし制御や業務の分野まで幅広く展開しております。今後においても、技術者による現場営業も強化しながら、既存顧客を中心としたリピートオーダーの確保や新たなニーズの掘り起こしに加え、需要拡大が見込まれる成長分野や新規顧客の獲得に向けた営業活動を積極的に進めてまいります。

 

② 特定取引先への依存について

当社の販売先上位である日本電気グループ(日本電気株式会社及びその連結子会社)の売上高構成比は、当事業年度において33.5%と依存度が高い状況にあります。当社としては今後も、日本電気グループに対して積極的な営業活動を行い受注拡大に努めてまいりますが、日本電気グループの方針や事業戦略等に変化が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、更なる事業拡大に向け日本電気グループ以外にも日立グループ、富士通グループ、リコーグループ、東京エレクトロングループ、NTTグループ等との取引拡大に向け注力しており、今後においても継続的に受注拡大を図ってまいります。

 

③ 当社の事業体制等について

(イ)開発プロジェクトの管理について

ソフトウェア開発事業においては、請負契約による開発案件を受注しており、当該開発業務の性質上、作業見積り等による開発案件の受注を行っております。当初の見積り以上の作業工数が必要となり開発案件の採算性悪化や作業遅延が発生したり、契約後におけるシステム開発案件の仕様変更等により開発費用の追加が発生したりする可能性もあり、受注競争激化や優秀な技術者不足による見積精度の低下等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、見積検討会の高度化により開発案件の採算性に十分留意した受注活動を行っており、今後においても技術者教育の強化により見積精度の向上を図ると共に、作業遅延等が発生しないようプロジェクト管理力の強化を図ってまいります。

(ロ)当社が開発するソフトウェアの不具合発生について

ソフトウェア開発事業においては、顧客の検収後にシステムの不具合(いわゆるバグ)等が発見される場合があります。当社が顧客へ納品するソフトウェアの不具合等に起因して顧客企業等における重大なシステム障害が発生した場合や、不具合等の発生に対して適切且つ迅速な処理または対応が困難となった場合には、顧客からの損害賠償請求や当社の信頼低下等が生じる恐れがあり、当社の事業展開、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、ISO9001に準拠した品質マネジメントシステムを用いた品質管理体制を構築し品質向上対策の強化に努めており、今後においても顧客へ納品するソフトウェアの不具合等の発生防止に留意してまいります。

(ハ)情報セキュリティ管理について

当社は顧客の情報システムを構築する過程において、個々の顧客業務内容等の機密情報を入手し得る立場にあることから、当社の過失や第三者による不法行為によって顧客の個人情報や機密情報、当社が保有する個人情報等が外部へ流出した場合には、当社への損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、情報セキュリティ基本方針に基づき、個人情報を含めた情報管理に関する社内教育を徹底し、外部委託先との機密保持契約の締結や入退出管理、アクセス可能者の制限、アクセスログ取得等の情報セキュリティ対策を適切に実施しております。

また、当社ではISO27001に準拠した情報セキュリティマネジメントシステムを用いた情報セキュリティ体制を構築し情報セキュリティ対策の強化に努めており、今後においても個人情報を含めた機密情報の漏えい防止に留意してまいります。

 

④ 開発技術等について

(イ)技術革新への対応について

ソフトウェア業界においては、技術革新のスピードが速く、ソフトウェアを支える技術は日々進化しております。

最新技術の習得及び開発技術力の向上については、個々の技術者の取り組みに依存する部分もあり、業界における技術革新に対して当社の対応が遅れた場合には、顧客企業に提供する技術品質の低下等により、競争力が損なわれ、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、毎年見直しを図りながら実践的な技術教育を行うと共に、高度最先端技術やAWS(Amazon Web Services)等のクラウド対応力強化に向けた専門特化グループの新設を図り、技術者育成にも積極的に取り組んでおります。個々の技術者が継続的にスキルアップできるようなフォローアップ体制も強化しながら、今後においても継続的に技術者教育に取り組んでまいります。

(ロ)知的財産権の対応について

ソフトウェア開発事業においては、ソフトウェア開発にかかる技術ノウハウの蓄積は推進しているものの、公知の技術を活用した受託開発が主体であることから、当社の開発成果による特許性を有する独自技術等は生じ難い業態であります。

一方で、当社が属するソフトウェア業界等においては、自社技術保護の観点から知的財産権が注目され、特許等の申請が増加傾向にあります。当社が事業上用いる技術ノウハウ等について、当社が認識しない第三者が既に知的財産権を取得しているもしくは、第三者が今後において知的財産権を取得した時には、当該第三者より使用差止及び損害賠償等の訴えを起こされる場合や知的財産権の使用にかかる対価の支払い等が発生する恐れがあり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、顧問弁護士や弁理士への事前相談を行う等により、第三者が保有する知的財産権を侵害しないように留意しつつ事業を展開しており、今後においても継続的に留意してまいります。

なお、現時点において、第三者より知的財産権の侵害に関する指摘等を受けた事実はありません。

 

⑤ 富士ソフトグループとの関係について

富士ソフト株式会社は当社の親会社であり、当社は連結子会社として同グループに属しております。

同グループにおいては、「各グループ企業が相互に独立した会社としての尊厳と自主性・主体性を尊重する」旨のグループ会社憲章を定め、各グループ企業が独自の方針等により事業を展開すると共に、グループ企業が各々の特徴を活かしたアライアンスを推進していくことにより、グループ全体としての成長を実現していくことをグループ戦略としております。

当社と同グループとの関係は以下のとおりであります。

(イ)資本関係について

富士ソフト株式会社は、当事業年度末において当社発行済株式総数の51.89%を保有する親会社であり、当社に対する大株主としての一定の権利を保有することとなります。このことから、当社株式の議決権行使等により当社の経営等に影響を及ぼし得る立場にあり、同社の利益は他の株主の利益と一致しない可能性があります。

当社では、社外取締役2名並びに社外監査役3名を選任し、経営の透明性を確保すると共に、取締役会において、当社独自の経営判断に基づき意思決定を行うことで親会社からの独立性確保を図っております。

なお、2022年3月18日に開催の第44回定時株主総会において新たに社外取締役1名を選任し、社外取締役3名並びに社外監査役3名により更なる経営の透明性確保に努めております。

(ロ)役員の兼任について

当事業年度末における当社役員9名(うち監査役3名)のうち、富士ソフトグループの従業員を兼ねるものはおりません。

(ハ)取引関係について

当事業年度における当社と富士ソフトグループとの間に以下の取引関係があります。

 1)親会社である富士ソフト株式会社との取引
  親会社である富士ソフト株式会社との主な取引は以下のとおりであります。
   売上高合計 6億66百万円

 (内訳)・ソフトウェア開発業務等の受注  売上高6億48百万円(前事業年度4億86百万円)

・当社所有不動産の賃貸      東神奈川ビル18百万円

 

当社では富士ソフト株式会社との取引条件につきましては、市場価格を勘案し、当社との関連を有しない会社との取引と同様に交渉のうえ決定しております。また、取締役会において、富士ソフト株式会社との取引状況のモニタリングを実施し、取引の妥当性を確認しております。

なお、当社は富士ソフト株式会社に対し、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を活用した余剰資金の貸付を行っております。当事業年度末における貸付金残高は28億41百万円(前事業年度末19億94百万円)であり、その貸付金利については市場金利を勘案して合理的に決定しております。

 

  2)富士ソフトグループ企業との取引

当社は、富士ソフトグループ企業(兄弟会社)各社との間に、ソフトウェア開発業務の委託または受託取引がありますが、これらはグループ企業各社においてそれぞれ得意とする事業領域に関連する開発業務の委託または受託取引であり、当社及び各社の事業上の必要性に応じ発生しており、その取引額は68百万円(前事業年度66百万円)であります。

当社では富士ソフトグループ各社との取引条件につきましても、市場価格を勘案し、当社との関連を有しない 会社との取引と同様に交渉のうえ決定しております。

また、親会社と同様、取締役会において、富士ソフトグループ各社との取引状況についてもモニタリングを 実施し、取引の妥当性を確認しております。

 

⑥ 法的規制について

当社は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」という。)に基づいた「労働者派遣事業」の許可を受けております。

労働者派遣法に定める派遣元事業主としての欠格事由に該当した場合や、法令に違反した場合等には、当該事業の停止を命じられ、事業が営めなくなるリスクがあります。また、新たに法規制の緩和や改正等が行われた場合等により、当該事業に不利な影響を及ぼすものであれば、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当社では、管轄部署における法令改正の定期的な確認や派遣元責任者講習等の社外教育受講等により関係法令の遵守に努めており、今後においても適切に対応してまいります。

 

⑦ 災害等の発生について

地震・暴風雨・洪水等の自然災害、火災・テロ・暴動・戦争等の人災、感染症が発生し、当社の従業員の勤務に大きな支障をきたした場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の各拠点及び顧客先において、社会インフラの損壊や機能低下等、予想を超える事態が発生した場合は、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、システム障害や災害等の発生に備えデータバックアップ対策を実施しており、事業継続が適切に図れる環境を整備しております。また、災害等の発生に備え自社プロダクトである「楽々セキュアコネクト」を活用した在宅勤務環境を整備しております。

 

⑧ 保有する固定資産の減損損失について

当社は土地や建物をはじめとした固定資産を保有しており、減損損失を認識する必要が発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、固定資産の取得時においてその必要性や収益性等を十分に検証した上で取得すると共に、保有資産の時価や将来の収益予測等について適時確認し、減損損失の兆候を見逃さないよう適正に管理を行っております。

 

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