課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、果たすべき使命として「紙の可能性を追求し、多様な機能材との新結合を図ると同時に、環境との調和を目指した商品・サービスの提供を通じて、人類・社会に貢献すること」を掲げ、独自の製品・技術・サービスで世界一の会社を目指しております。

 

(2)経営戦略

 当社グループは、長期経営について以下の基本方針を掲げております。

 「新市場の開拓と事業領域の拡大」

「中核商品のグローバル市場における競争優位の追究」

「SDGsと高収益の両立」

 

 「新市場の開拓と事業領域の拡大」については、マーケティングとベンチマーク活動、アライアンス戦略により、次世代中核商品の開発と生産体制を確立し、事業領域をさらに拡大してまいります。

 「中核商品のグローバル市場における競争優位の追究」については、世界に浸透するブランドの構築により売上・利益の最大化を図ってまいります。

 「SDGsと高収益の両立」については、当社グループはSDGsにおいて注力する10の目標を設定しております。当社は持続可能な社会の実現と利益追求の両立を目指し、優しい素材を使い、優しい機能を提供し、優しい社会を考え、事業目標を設定し達成を目指してまいります。

 このように、安定成長を見込む中核商品と成長分野での新事業からなる積極的な経営を目指してまいります。

 

(3)経営環境

 今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が緩和される中で、各種政策の効果や世界経済の改善もあって、景気の持ち直しが期待されています。しかしながら、ウクライナ情勢等による不透明感がみられる中で、原材料価格の上昇や供給面での制約等による下振れリスクが懸念されております。当社グループを取り巻く環境としましては、自動車関連資材の需要は回復基調にあるものの、世界経済の混乱を受け生産の調整が続いております。水処理関連資材においてはアジア・中東地域を中心に需要が堅調に推移する中で、今後も厳しい競争の継続が予想されます。

 

(4)対処すべき課題

 当社グループは、世の中の流れを的確に捉え、お客様との接点を強化し、自らのコア技術を高めて、新時代に向けた新たなビジネスを展開してまいります。10年先の社会を見据えた長期ビジョンを設定し、お客様とともにその実現に向けて突き進んでいくことを目指しております。

 また、当社グループは、健全な経営と企業価値向上のため、総資産経常利益率(ROA)を重要な経営指標と位置付けております。当連結会計年度にスタートしました第3次中期経営計画『Awa Breakthrough Plan』では、最終年度の総資産経常利益率(ROA)の目標を4.4%としており、収益性の向上や資産の効率的運用に取り組むとともに、基盤事業の拡大と強化、新事業の創出に向けた活動やDXによる労働生産性向上、デジタル営業の推進や人財育成等に向けた取り組みの強化により、持続的な発展と高収益企業の実現を目指してまいります。

 このような状況のもと、以下の事項を主要な課題として認識し、今後の事業展開を図ってまいります。

 

① 基盤事業の強化と収益構造の改善

 基盤事業である水処理関連資材については、伸びていく市場に対し高品質と安定供給により競争力優位を更に高めるため、生産力増強と営業力の強化を行ってまいります。自動車関連資材のエンジン用濾材については、高付加価値商品の生産に注力し安定供給が可能な生産体制を構築すると共に、グループ全体での購買活動の効率化と調達先の多様化を推進し、収益構造の改善に努めてまいります。

 

② 新事業の創出

 自動車における動力源の電動化や電子機器の小型化・高性能化、居住空間におけるエネルギー効率の最大化に向けたサーマルマネジメント課題の要求を受け、当社では断熱・熱伝導などの機能をもつサーマルマネジメント材料「M-thermo」の開発、ラインナップの拡充を進めるとともに販売先の開拓に努めてまいります。

 また、水資源問題が世界的に深刻化する昨今、水のリサイクル利用で水資源の保全と有効活用に貢献する廃水処理装置「M-fine」のグローバル展開を進めるとともに、新たにM-fineメンテナンスサービスを開始し、付加価値の向上に努めてまいります。

 

③ アライアンスの戦略的活用

 戦略的なアライアンスによる中核商品の事業基盤強化、コーポレートベンチャーキャピタル等の活用により、当社の技術と異業種・異分野がもつ技術の融合を図り、新事業創出および事業拡大に取り組んでまいります。

 

④ ブランド力の強化と展開

 コーポレートブランド「AWA」と基盤事業である水処理関連資材の主力ブランド「PURELY」、エンジン用濾材を中心としたブランド「AWAPAPER」のグローバル市場での更なる価値向上を図るため、高品質の追求や商品ラインナップの拡充に取り組んでまいります。また、新事業に向けたブランドである「M-fine」「M-thermo」「CARMIX」の効果的展開を図るため、マーケティング活動の強化と市場ニーズに合致した商品開発を行い、ブランドの認知拡大に努めてまいります。

 加えて新たに導入したデジタルツール等を活用し、積極的な情報提供や営業活動を行うと共に、ステークホルダーとの接点を強化し、長期的な企業価値の向上を図ってまいります。

 

⑤ 生産性カイカクとDXの推進

 収益構造の改善と資本効率の向上を目的とし、間接業務の合理化・省力化、業務プロセスの見直しを進めており、生産工程においてはIoTの活用や改善活動のレベル向上によりコスト競争力強化に取り組んでまいります。

 また、DXを推進し、営業の業務プロセスや顧客接点の変革、定型作業の自動化等による業務全般の更なる効率化を図ると同時に、持続的成長を支える人財の確保と育成を強化し、人財の高度化を図ることで効率的な経営資源の活用と経営基盤の強化に努めてまいります。

 

⑥ サステナビリティの推進

 当社は持続可能な社会の実現と利益追求の両立を目指し、優しい素材を使い、優しい機能を提供し、優しい社会を考え、事業目標を設定し達成を目指してまいります。

 2021年度より、CO2削減へのチャレンジ、EV・水素社会に向けた技術革新、安全な水の普及と水資源の有効活用、資源循環の推進、働き方改革の推進等を方針に掲げ活動を行っております。今後も、社員一人一人の日々の活動がサステナブルな社会の実現につながるという意識を共有してまいります。

 

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