当社グループは、当社、子会社6社(MarkLines North America, Inc.、麦柯莱依斯信息咨詢(上海)有限公司、MarkLines (Thailand) Co., Ltd. 、MarkLines Europe GmbH、MarkLines India Pvt. Ltd.及び株式会社自動車ファンド)及び関連会社1社(自動車産業支援ファンド2021投資事業有限責任組合)で構成されており、自動車産業に特化したトータルソリューションを「情報プラットフォーム」事業を中心に、コンサルティング、人材紹介、LMC Automotive Ltd.製品(市場予測情報)販売、プロモーション広告、ベンチマーキング関連及び自動車ファンドの7つの事業を通じて提供する「自動車産業ポータル」を運営しております。
一台の自動車を開発、生産、販売するには、完成車メーカーのほか、それを支える部品メーカー、材料メーカー、設備・機械メーカー、ソフトウェアベンダー、商社・運輸など多くの関連企業が製品やサービスを提供して自動車産業のサプライチェインを形成しています。
当社のサービスは、これらのサプライチェインを形成する国内外の完成車メーカーから中小の部品メーカーなど、当連結会計年度末現在、4,200社以上の企業に利用されています。
以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメント区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
(1) 「情報プラットフォーム」事業
「自動車産業ポータル」の中核を成すのが、「情報プラットフォーム」です。自動車において、プラットフォームとは車台を意味します。この車台=プラットフォームを、複数の車種で共有し、車両開発の短縮化や製造コストの低減を図ることは、価格競争の厳しい昨今の自動車業界において主流の開発概念となりつつあります。
当社は、このコンセプトに着眼し、多くの自動車産業関連企業が当社のデータベースへアクセスすることで、上記と同様の効果を生み出し、情報戦略の効率化が図れるツールとして、「情報プラットフォーム」を構築いたしました。この「情報プラットフォーム」は、自動車関連企業が共通に必要としながら、入手するには手間やコストがかかる世界各国の自動車産業の情報を、手軽に入手できるインターネットを通じた情報提供サービスであり、利用者に対して、企業の調達活動とマーケティング活動をサポートするものです。
契約企業の登録会員(ユーザー)は、「情報プラットフォーム」にアクセスし、「情報データベース」を利用することで、新規部品メーカーの開拓、市場分析、顧客動向調査、技術戦略立案、販売促進など、多方面に活用できます。一方、1週間以内であれば無料で全てのコンテンツを閲覧できる無料登録会員サービスがあります。登録後1週間経過した無料登録会員は、引き続き一部コンテンツの利用が可能です。
情報は日本語のほか、英語、中国語でも提供しておりますので、米国、欧州、中国、韓国、タイなどの外国企業も利用しており契約企業数の約52%を占めております。当連結会計年度末現在、4,200社以上の自動車関連企業が採用し、国内外の無料登録会員を含む34万人以上(2022年2月現在)のユーザーが利用することで、ページビュー数を伸ばしております。
また、日本の会社が中国、米国などの現地子会社でも採用することにより、本社や現地スタッフとの情報共有が図れます。
◎ 地域別法人契約社数の推移
(単位:社)
[法人会員の職種別構成]
一般的にネットでの情報は無料との考え方が根強くありますが、ニュースのような「フロー情報」ではなく、当社の情報部が、プレスリリース収集・取材・アンケート・外部機関からの買い入れなどの手法で一元的に収集、整理、分析し、業界の実務家向けに使い易いようデータベース化した「ストック情報」として提供することで、情報を有料化しています。
また、英国の調査・コンサルティング会社 LMC Automotive Ltd.との業務提携により、生産・販売台数の予測情報の一部を情報メニューに加えております。
主なメニューを以下に記載いたします。
① 部品別シェア・納入情報
・部品別マーケットシェア情報
約300品目にわたる部品のサプライチェイン情報(部品別・車種別納入情報)を提供しております。
・分析レポート(リチウムイオン電池、駆動モーター、排気システム、CVT等)
リチウムイオン電池、駆動モーター等の部品分類ごとにおける主要サプライヤーの事業動向をレポートに取りまとめて提供しております。
② 部品メーカー情報
・60,000社部品メーカー検索
新興国を含めた世界の自動車部品メーカーの所在情報を60,000社以上の規模でカバーするデータベースです。また、部品名や部品分類(約1,000種類)から世界の部品メーカーを検索し、拠点位置を地図上にプロットすることができ、加工法検索では、加工法を検索キーとして、当該工法で製造する部品の逆引きが可能です。
・主要400社レポート
世界の主要自動車生産国における部品メーカー約400社の動向を詳細かつタイムリーにレポートします。事業動向や、ニュースだけでなく、展示会出展の写真やパネル情報もカバーしております。
・世界の展示会取材
主要400社レポートに関連して、世界各地で開催される展示会の取材情報や取材動画を掲載しております。
③ 自動車販売台数/生産台数
販売台数は66カ国、生産台数は44カ国の年次・月次データを提供しており、国別・メーカー別・モデル別にデータベース検索を行うことができます。また、グラフ・エクセルによる出力ができます。
また、世界31カ国の国別・メーカー別・機種別エンジン基数データ(年次)も提供しております。
④ 完成車メーカーの拠点
世界各国にある完成車メーカーの工場別生産モデル、生産能力、生産実績、等を収載。メーカー、国で絞り込み、地図上にプロットができます。
⑤ モデルチェンジ予測
・メーカー、国別予測
トヨタ、ホンダ、日産、スズキ、マツダ、三菱、SUBARU、ダイハツ、General Motors、Ford、Volkswagen、ステランティス、現代/起亜、タタ、マヒンドラ&マヒンドラ、吉利集団、BYD等に関する主要市場の販売モデルについて、モデルチェンジの変遷と2026年頃までの予測情報を提供しております。
・ EV・自動運転
世界のHV(ハイブリッド車)、PHV(プラグインハイブリッド車)、EV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)のモデル発表計画や既販売モデルの自動運転技術に係る情報をデータベース化し提供しております。
⑥ 外注先・調達先情報
自動車部品、加工、金型、材料、CAD、CAMなどのシステムソリューション、その他サービスなど外注・調達先選定のためのデータベースを提供しております。
(2) ベンチマーキング関連事業
EV, PHVなど電動車両の本格的普及、電子制御やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)の採用拡大など技術変化とともに、分解調査への需要は益々高まっております。この需要に応えるため、さまざまな分野で分解調査事業を行っている国内外の企業との提携により開始した事業です。
① 分解調査レポート/データ販売
注目車種の車両分解調査レポート、関心の高い車載製品の解析データやレポートを取り扱っております。
② 車両・部品調達代行サービス
ベンチマーキング活動に必要な部品調達や車両の調達を代行するサービスです。
(3) LMC Automotive Ltd. 製品(市場予測情報)販売事業
2013年3月に英国の調査・コンサルティング会社 LMC Automotive Ltd.との業務提携により開始した事業です。同社の市場予測情報を独占販売しております。
(4) コンサルティング事業
コンサルティング事業は、注目度の高いCASE関連の技術・市場の動向調査、コスト比較分析、サプライチェーンなどの調達状況調査、技術コンサルティング、専門性の高い提携先企業との共同プロジェクト等を、顧客の依頼に個別対応して行う事業です。その活動は、当社の蓄積情報や独自の知見、社内外専門家のネットワーク等を駆使して進めております。
(5) プロモーション広告事業
情報プラットフォームの会員に対し、自社の製品・サービスを販促することができる下記サービスを提供する事業です。
① PRメール
潜在顧客(購買・設計担当者等)に向けて、契約企業が新製品・新技術や企業ニュースなどをE-mailで配信することができるサービスです。配信先は、会員登録時にエンジンやHV/EVなど興味のある分野を任意に選択し、情報を必要としている会員のみですので、効率的な販促活動が可能になるサービスです。
② 製品情報
加工機械、装置・測定機器などの生産システムやプラスチック成形などの部品加工技術、自動車の設計、製造に関する製品・技術情報が「情報プラットフォーム」の「外注先・調達先情報」や各情報コンテンツに画像とともに掲載されることにより、会員に向け視覚的に、かつ効果的なPRが出来るサービスです。
③ バナー広告
不特定多数ではなく、自動車関連産業に従事する会員が有料で閲覧するサイトであるため、効率的なPRが可能となります。製品・サービスの販売促進・企業の知名度向上のほか、展示会・イベント等の告知等にも効果的なPRが可能となるサービスです。
(6) 人材紹介事業
自動車業界に特化した人材紹介事業です。自動車関連企業からの求人要望に対し、求職者を求人企業に紹介し、マッチングに成功した場合、当該求人企業から紹介手数料を得る仕組みです。
(7) 自動車ファンド事業
カーボンニュートラルに向けた動きが世界規模で広がる中、自動車産業では電動化、自動運転などの研究開発活動が加速し事業再編やベンチャー企業の誕生など新たな資金需要が生まれています。この流れを受け立ち上げた自動車産業に特化したベンチャーキャピタル事業です。新たな技術を生み出し将来の産業界に大きく貢献する可能性のあるベンチャー企業及び社歴のある中堅企業でも、自らがイノベーションを起こして再成長を期す企業を投資対象とし、産業界を資金面から支援するサービスです。
[事業系統図]
上述の事項を事業系統図によって示すと下記の通りとなります。
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