当社グループでは、高度化・多様化する最新の情報技術を取り込み、新規サービス・製品の開発及び既存サービスの進化のための研究開発活動を推進しております。
当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
医療機器のMRIや超音波診断装置で利用されているコントローラーや医療事務システム等で利用されている組込みパソコンの後継機の開発に取り組んでまいりました。組込みパソコンの後継機では、主に省電力化、省資源化を図っております。
AE(Acoustic Emission)センサー(音響の反射を検知するセンサー)を利用した、金型プレス機械の故障予知システムの製品化に向けた研究開発を継続しております。
高速応答、高安定性の両立が期待される新モーター制御技術であるモデル予測制御(MPC :Model. Predictive Control )の研究開発に取り組んでまいりました。当連結会計年度では制御アルゴリズムを開発し、実機での基礎評価を実施し、高速応答の結果を得るに至りました。高安定性に向けては、継続評価を行ってまいります。
ITソリューション事業に係る研究開発費は
防災・減災、観光サービス等においてリアルタイムな情報伝達を可能とする通信システム「V2X」の活用に係る研究開発に取り組んでまいりました。V2X技術を適用し、当社グループの従前の研究開発の成果として既に社会実装された「バスロケーションシステム」に係る取組みを継続しております。
独自AIモデルの研究により、距離や速度・進行方向を認識し、夜間でも光の動きにより移動する車両を検出することを実現し、道路作業員等の安全のため、後方からの接近車両を検知して注意喚起する「後方接近車両検知システム」の運用を開始しました。このシステムの導入により、危険な現場で作業する作業員の安全も確保できるようになります。
エリアの地図情報と位置情報活用アプリを連動させ、道路除雪状況や除雪作業実績の見える化を実現し、除雪車等位置情報システムの運用を開始しました。ICTの活用による産業の振興、市民生活環境の向上及び行政サービスの改善への取組みを継続しております。
AIの画像解析によりカメラ映像から物体の検出・分類を行うエッジAIシステムの研究開発に取り組んでまいりました。深層学習・機械学習の理論を導入し、良品・不良品解析や様々な分野に応用できるシステムを実現しております。
AIを活用した太陽光発電所の施設の点検業務高度化の研究開発の取組みを継続しております。
IoT/IoEソリューション事業に係る研究開発費は
フィールド運用中の電子機器の信頼性とセキュリティの保証のためには、シリコンライフサイクル全体を通したアプローチが重要という考え方が広まっております。これまでにIn chip sensor技術の一つでもあるLSI(※2)の劣化検知に関する研究を行い、一定の成果を得ておりますが、一部機能を改善し、本研究開発ではデジタル温度電圧センサーの測定精度向上により技術価値の向上や劣化検出技術以外への適用範囲拡大等について取り組んでまいりました。
IoTにおいては各種センサーからの情報を容易にクラウドへ転送させる仕組みが必要となっており、本研究ではセンサーからの情報とクラウド間の通信方式としてBLE(Bluetooth Low Energy)の 採用と設置場所を選ばない電池駆動方式を採用し、無線通信における電波干渉や低消費電力化による長時間駆動の実現に向けた課題解決に取り組んでまいりました。また、クラウドに格納された膨大な情報(ビッグデータ)の解析にAIの活用や集積された情報の可視化を簡便に環境構築可能なプラグインの拡充を実施し、ユーザビリティを向上させた環境プラットフォームの開発に取り組んでまいりました。
半導体トータルソリューション事業に係る研究開発費は
(注)上記に用いられる用語の説明は以下のとおりであります。
(※1)V2X(Vehicle to X):
車と車(V2V)、車と交通インフラ(V2I)等、道路情報の提供や安全運転のための情報ネットワークです。
(※2)LSI(Large Scale Integration):
大規模集積回路のこと。トランジスタやダイオード、抵抗などの電子部品を、半導体チップに組み込んだ集積回路 。
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