課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社グループは、自らが担う社会的責任について常に念頭に置き、中長期的な企業価値向上に努めております。

 新型コロナウイルス感染拡大による消費活動における価値観の変化に対応するため、コーポレートビジョンを「全ての魅力にスポットライトが当たる社会へ」に変更し、あらゆる企業や商品、個人が持つ魅力や価値を、事業をしている地域・規模に関係なく世の中に広く伝えることを当社の使命とすることといたしました。ユーザーの多様なニーズに合わせたサービスの提供・付加価値向上に努めます。

 また「付加価値の追求による企業価値の向上」を経営方針とし、顧客価値を最優先したプロダクト開発・提供を通じ、収益率の高い複数の事業ポートフォリオを保有する高付加価値経営を軸とします。加えて、新たな事業への中期的な投資育成、ならびに当社の魅力を積極的に市場へ発信することによる企業価値の向上に努めます。

 

(2) 中期的な経営戦略等

① 各サービス提供価値の強化による顧客提供価値(KVI)の増大

 リリース配信サービスにおけるメディアリレーションやインフルエンサーPRサービスにおけるクリエイティブ向上、クリッピングサービスにおける著作権クリア、クラウド翻訳サービスにおける翻訳者の確保等、プロダクト自体の価値の向上を目的とした施策を遂行してまいります。

② 各サービスアセットを組み合わせた付加価値の高い複合サービスの提供

 既存サービスの単独販売のみならず、事業横断的にサービスを組み合わせた(クロスアセット)高付加価値サービスの企画・提供を推進してまいります。

 上記施策により、顧客単価・顧客ストック率の向上を実現するとともに、高収益化及び企業価値の向上を目指してまいります。

 加えて、現在の中核サービスであるリリース配信、インフルエンサーPR、クリッピング、シェアオフィスと同規模の売上を見込める新規事業の創出を目指します。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 2023年3月期から2025年3月期までの3年間を対象とする中期経営計画を策定し、2022年5月11日に公表いたしました。当社グループの新たな経営方針「付加価値の追求による企業価値の向上」に合わせ、「営業利益」を最重要指標としております。

 

(4) 当社グループを取り巻く経営環境

① デジタルPR事業

(a) インフルエンサーPR市場

 2020年10月、株式会社サイバー・バズ/株式会社デジタルインファクトはインフルエンサーマーケティング市場の調査を実施し、発表しております。同調査による2020年のインフルエンサーマーケティングにおける市場規模は317億円となっております。今後もインフルエンサーPRの需要はさらに拡大し、2023年に605億円、2025年には723億円に達する高成長が見込まれる分野であると分析されています。

(b) 広報・PR市場

 当社が運営するリリース配信代行サービスにおける市場規模は発表資料がありませんが、2021年5月公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会発表「PR業に関する実態調査」によると、2020年度における市場規模は1,111億円と、新型コロナウイルス感染拡大の影響により2018年度(1,290億円)と比較し減少しております。一時的な減速感はあったものの、それまでの市場拡大等も考慮し、今後も緩やかに成長するものと推測しております。

 

② シェアオフィス事業

 レンタルオフィス市場は、働き方改革、モビリティワーク、遊休不動産活用、オープンイノベーション、スタートアップ支援など多様な切り口で新規参入が増加し、市場は急拡大しております。また、コロナ禍によるワークスタイル様式の変化によりレンタルオフィスの認知度も急上昇し、企業にとっては、通常のオフィス賃貸と同等水準の『標準的な選択肢』となりつつあることから、国内オフィス賃貸市場規模である約30兆円市場内における成長領域となっております。

 

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループの事業は、特定のオペレーター(人員)依存のものではなく、均一で高品質なサービスが提供できる徹底した仕組み化による組織運営が基盤となっております。そのため、日々の運用の中で、顧客とのコミュニケーションによるニーズ取得や業界潮流といった商品開発における材料の取得、それを事業化するという機能を強化することが重要であると考えております。

 

 当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。

① 新コーポレートビジョン・経営方針の浸透

 当社グループは、新型コロナウイルスの世界的パンデミックによる消費活動における価値観の変化に応じ、コーポレートビジョン及び経営方針の刷新を決定しました。これにより、当社グループの目指す姿や追求する目標は大きく変化することとなりますが、現場従業員への新方針の浸透には一定の時間が必要となります。マネジメント層による指導等のトップダウンの指導とともに、人事評価における評価項目等の従業員に直結する事項の変更を実施する等、当社グループ一丸となり新たな方針に向かうための施策を推進します。

② 人材の確保と育成、エンゲージメント向上

 当社グループは、新コーポレートビジョン・経営方針に向け、営業・オペレーション・商品開発・管理等の各部門において組織力・現場力の強化が必要と考えます。そのような背景から「ポジション(ポスト)が人を育てる」という育成方針のもと、既存従業員へ新組織の管理職として積極的なポジション(ポスト)提供と権限委譲を推進しております。成長組織の実績を有する人材の調達をはじめ、マネジメント層の指導力・管理能力の向上、社内教育制度の充実を図るとともに、社内コミュニケーション活性化の施策を通じた従業員のエンゲージメント向上に努めていく方針であります。

③ 情報管理体制の強化

 当社グループにおける事業運営上、顧客の公開前情報や個人情報を含む機密情報を保有することがあります。そのような中、今般のリモートワーク導入の加速化や個人情報保護法の改正等の外部要因もあり、ますます機密情報の保護に関しては重要課題であると認識しております。情報管理面において、その保護方針及び社内規程に基づき管理を徹底するとともに、社内教育・研修の実施、業務フローの精度向上、持続的なシステムの整備等を行ってまいります。

④ サービスブランドの知名度向上

 当社グループが今後も成長を続けていくためには、クライアント企業や一般消費者への認知拡大が必要不可欠であり、サービスブランドの知名度向上が重要課題であると認識しております。費用対効果を勘案しながらプロモーション活動を強化していくとともに、加えて、当社自身の認知拡大も推進すべく、広報活動にも注力してまいります。

⑤ 内部管理体制の強化

 当社グループの継続的な成長のためには、コーポレート・ガバナンスが適切に機能することが必要不可欠であると認識をしております。業務拡大に合わせ、関連する法規制や社会的要請等にも適切な対応をすべく、引き続き内部管理体制の整備及び改善に努めてまいります。

⑥ M&Aによる成長加速

 当社グループでは、創業より多くのM&Aを行っており、今後も積極的にM&Aを活用する方針であります。M&Aを行うにあたり、投資効果はもちろん、対象企業の提供サービスにおける事業規模や成長性、相乗効果、ならびに次世代に求められる事業ニーズや先進性等を十分に検討したうえで、事業領域の拡大と業績の向上につながるM&Aを積極的に実行し、競争力の強化を図ってまいります。

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