課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループにおける経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
  なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものとなります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは創業以来「社員全員が世界に誇れる物(組織・製品・サービス)を創造し、より多くの人々(同僚・家族・取引先・株主・社会)に対してより多くの「幸せ・喜び」を提供する企業となる。そのための努力を通じて社員全員の自己実現を達成する。」を経営理念としています。その実現のために「Technology×Creative」をスローガンに、最新の技術分野に挑戦し続け、テクノロジー・オリエンテッド・カンパニー(技術志向の企業)として世界を舞台に活躍する世界企業を目指してまいります。また、企業の経営効率化を支援する「クラウドソリューション事業」、デジタルを基軸に企業のマーケティングを支援する「デジタルトランスフォーメーション事業」の二つの事業を通じて、顧客企業の発展を支え続けていくことで企業価値の向上を目指してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、企業価値を継続的に拡大することが重要であると考え、成長投資やリスク許容が可能な株主資本水準の維持を基本とします。その実現のため、売上収益、営業利益及び親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)を重要な経営指標とし、これらについて目標値を設定し公表いたします。高収益事業の開発及びビジネスモデルの確立により、これらの指標の向上を図り、目標値の達成を目指してまいります。

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

当社グループの展開するクラウドソリューション事業及びデジタルトランスフォーメーション事業は、ともに技術の進化、顧客嗜好の変化、競合他社の競争が激しい事業領域であります。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の収束時期は未だ見通しが立っておらず、先行きは極めて不透明な状況となっております。当社グループの主要顧客の経営環境にも影響が見られ、一定の影響は当面の間続いていくものと想定されます。そのような事業環境の中で、当社グループが長期的に持続可能な成長を見込み、経営戦略を確実に遂行していくために対処すべき課題は以下のとおりです。

 

① 優秀な人材の確保、育成

継続的な成長の原資である人材は、当社グループにとって、最も重要な経営資源と認識しております。当社グループが属する情報サービス産業では、人材の獲得競争が激化しており、このような状況の中、優秀な人材を継続的に雇用し、定着させることが当社グループの発展において重要であります。人的基盤を強化するために、採用体制の強化、教育・育成、研修制度及び人事評価制度の充実、就業環境の向上等、各種施策を進めてまいります。

 

② 営業力の強化

デジタルトランスフォーメーション事業において、業界での認知度の向上を目指し、マーケティング戦略を強化、リード獲得数の向上を図ってまいります。また、引き続き大手広告代理店との連携を強化し、案件の受注増加を目指してまいります。

クラウドソリューション事業においては、成長産業へのシェアを増加させるべく、営業・マーケティング活動の幅を広げ、また大手システムインテグレーター企業との連携を強化し、案件の受注増加を目指してまいります。

 

③ 技術力、製品力の向上

競争が激化しつつあるデジタルトランスフォーメーション事業において、事業機会を確実に成長につなげるためには、技術面、サービス面において一層の差別化が要求されます。技術の最新動向をキャッチアップするとともに効果的に事業に反映することで技術的優位性の強化を実現してまいります。

クラウドソリューション事業においては、主力製品であるクラウドERP「ZAC」の特徴であるSaaS型モデルの強みを活かすために、技術的な領域における研究を今まで以上に進めてまいります。「ZAC」の基本機能をAPI(注1)化し、他社のクラウド製品やBI(注2)製品等と積極的な連携を行い、UI(ユーザーインターフェース)の改善、スマートフォン端末への対応等の重点施策を推進するために、研究開発体制の強化に努めてまいります。

 

④ 事業の海外展開

デジタルトランスフォーメーション事業において、顧客は一層海外展開を強く推進する傾向にあります。当社グループとして、顧客をグローバルにサポートできる体制は必要な要件であると考えております。同時に、海外市場を開拓することによって、大きな成長機会が期待されます。

クラウドソリューション事業においては、ERP市場では主要企業がグローバルに活動を行っており、当社グループが更なる成長を遂げるためには、グローバルでの事業運営は必要不可欠であります。製品の多言語、多通貨対応は必須の要件であり、そのような機能追加の開発投資を行ってまいります。

当社グループは、こうした機会を確実に取り込むべく、海外連結子会社の体制の強化、グローバルパートナーの開拓等を通じて、リスクを低減しながらも海外への展開を積極的に進めてまいります。

 

⑤ 認知度の向上、ブランドの確立

当社グループが市場での浸透度を高めていくためには、一層の認知度の向上、信頼感の醸成が必要となってまいります。顧客に「市場のリーダー」として信頼していただけるよう、製品・サービスのたゆまぬレベルアップ、既存顧客の満足度の向上、パブリシティ強化を通じ当社グループブランドの確立及び普及に努めてまいります。

 

⑥ 新型コロナウイルス感染症の影響及び対応策について

 デジタルトランスフォーメーション事業においては、主要顧客である小売・自動車業界に影響が及んだことで、当事業の業績に影響を与えました。そのため、顧客範囲の拡大に向けた営業強化に取り組み、業績への影響が最小限となるよう努めてまいります。

 また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大、緊急事態宣言の発令に合わせ、リモートワークの実施や時差出勤の活用、社内の感染予防対策の徹底等、当社従業員並びにステークホルダーの皆様の安全確保と事業継続に考慮した対応に努めており、業務の効率化など生産性の向上にも取り組んでおります。

 

(注) 1.API: Application Programming Interfaceは、あるコンピュータプログラム(ソフトウェア)の機能や管理するデータ等を、外部の他のプログラムから呼び出して利用するための手順やデータ形式等を定めた規約、関数等の集合のことを指します。

2.BI: Business Intelligenceは、業務システム等から蓄積される企業内の豊富なデータを、集約・分析・加工して、企業の意思決定に活用しようとする手法のことを指します。

 

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