事業等のリスク

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 景気変動リスクについて

当社がコンサルティングサービスを提供する主要得意先である金融機関が、国内外の景気動向等の影響を受けIT投資を抑制した場合、受注案件に対応する職員の稼働率低下が生じ、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、金融・公共ソリューション事業部長が適宜、各案件の責任者から既存得意先及び営業先の状況についてヒアリングし、提供及び提案するコンサルティングサービスの内容について指示しております。これによりニーズとのミスマッチを防止し、職員の稼働率低下に対処しております。また、取締役を含む管理職によって構成される経営会議において各案件の状況について活発な議論が行われ、組織的なモニタリングがなされています。

 

(2) 人材の確保に関するリスク

労働市場における人材獲得の競争激化による人材採用の失敗や人材流出、人材育成計画の未達成等が生じた場合、当社競争力の低下や事業拡大に対する制約、得意先に提供するサービスレベルの低下をもたらし、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、優秀な人材の採用、確保及び育成を全社的に重要な経営課題の一つと定め、コーポレート本部が主管となり採用活動、従業員の定着及び育成に対して優先的に経営資源の投下を行うことで、人材に関するリスクに対処しています。

 

(3) 情報セキュリティリスク

当社の業務遂行にあたり、得意先の機密情報や個人情報を取り扱うことがあります。これらの情報が外部に漏洩した場合には、当社の社会的信用に重大な影響を与えるとともに、多額の対応費用が発生することにより、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、情報セキュリティマネジメントの国際標準であるISO27001の認証及びプライバシーマークを取得するとともに、役職員、協力会社(ビジネス・パートナー)等に対し、守秘義務の順守、機密情報や個人情報の厳重な管理を指導すると共に、情報管理を効率的に行うための環境構築を進めることで、情報セキュリティリスクに対処しています。

 

(4) 委託先管理に関するリスク

当社が受注する業務の一部では、人的資源の制約から協力会社(ビジネス・パートナー)に対し、業務を再委託することがあります。委託先の選定に当たっては、プロジェクト遂行能力等を勘案して選定するとともに優秀な人材の確保を依頼しておりますが、委託先のプロジェクト管理及び人材確保が適切になされない場合には、コストの増加や納期遅延、品質の低下等を招く可能性があり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、各部長や現場責任者等が委託先の業務につき、業務進捗のみならず個々の人材の体調面に至るまでレビューし、適宜情報の共有と問題の明確化及びそれらへの具体的対処にあたることで委託先業務の品質管理を行い、委託先の管理に関するリスクに対処しています。

 

(5) 代表取締役への依存に関するリスク

当社の代表取締役社長である蒲原寧は、当社の設立以来、当社の経営方針や戦略決定をはじめ、事業開発、ブランド力向上等において重要な役割を担っております。また、本報告書提出日の前月末現在の当社発行済株式総数の25.60%を所有する筆頭株主でもあります。何らかの理由により蒲原寧に不測の事態が生じて当社の業務を継続することが困難となった場合、または代表取締役社長を退任するような事態が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

現時点では、このようなリスクが顕在化する可能性は低いと認識しておりますが、当社では、取締役会及び経営会議等において経営情報の共有を図るとともに、各事業を統轄する取締役、執行役員及び事業部長等へ職務執行の権限委譲を進めています。また、重要な経営方針及び施策等の立案においては、蒲原寧を含めた主要な経営幹部で審議しています。

 

(6) 法的規制に関するリスク

当社のコンサルティング事業において「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下、「労働者派遣法」という。)」で定められた労働者派遣事業に該当するものがあります。労働者派遣法に定める派遣元事業主としての欠格事由に該当した場合や、法令に違反した場合には当該事業の停止を命じられる可能性があります。また、新たに法規制の緩和や改正等が行われた場合、当社の経営環境に変化をもたらすものであれば、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 

当社では、コンプライアンス委員会及びリスク管理委員会が、各事業のコンプライアンスに関してモニタリングすることで、労働者派遣法を含めたコンプライアンス遵守に努めています。また、広く社内のコンプライアンス違反に関して役職員が相談できる窓口として外部通報窓口を設置し、運用し、法的規制に関するリスクに対処しています。

 

(7) 研究開発に関するリスク

当社は人工知能(以下、「AI」という)を利用した物体自動認識技術をはじめ、先端ICT(情報通信に関する技術)等を用いた事業の多角化に取り組んでおり、イノベーション事業部がこれらに関する研究開発活動を行っております。AIに関する技術革新のスピードは速く、また競争も激しさを増しているため、今後の研究開発活動の進捗状況や計画遅延の発生等により、当初想定した研究開発費が増加し、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、現在、イノベーション事業部において設置型AI搭載レジ「ワンダーレジ」の拡販を推進しており、製品の性能及び機能性向上に関する開発活動を行っております。当事業年度末現在、当該製品の大口販売契約等には至っておらず、イノベーション事業の売上高に対して研究開発費を含めた営業費用が上回っております。当社は、ワンダーレジの将来性に期待しておりますが、今後の事業の進展に際しては、研究開発費の増加、改良の遅延、受注及び販売台数の想定からの大幅な乖離、生産体制及び保守体制構築等の計画遅延、競合製品の出現等、様々な不確実性が伴います。このため、期待どおりに事業が進展しなかった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、イノベーション事業の営業体制を強化、研究開発費の管理強化等を通じて、販売面とコスト管理の強化に取り組んでおります。また、研究開発から生まれた技術を活用した新製品を開発し、イノベーション事業の製品ラインナップの強化を図り、収益源の多様化に取り組んでいます。

 

(8) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社は、当社役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、ストックオプションを付与しております。本報告書提出日の前月末現在、ストックオプションによる潜在株式総数は31,600株であり、発行済株式総数12,767,671株の0.25%に相当します。これらの新株予約権が行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

当社では、毎月、取締役会において財務状態のモニタリングを行い、最適な資本構成について、適宜、検討を行っています。

 

(9) 保有株式の減損損失に関するリスク

当社は、無人決済店舗システムの事業化を目的とした事業会社を設立し、関係会社株式を保有しております。また、業務提携の強化を目的に投資有価証券を保有しております。これらの株式の実質価額が著しく低下した場合には、減損損失が計上され、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、関連会社に役員を派遣するとともに、月次で業績報告を受け関連会社の財政状態を把握し、減損の兆候を早期に認識し、適切に対処することとしております。また、資本業務提携先に対しては、シナジーの創出に取り組むとともに、株主として議決権の行使を通じて提携先企業の経営に関与することとしています。

 

(10) 自然災害や感染症に関するリスクについて

大規模な地震、大型台風、風災、水災、津波、大雪、火災等により、当社及び得意先の建物、設備並びに従業員が被災した場合、出勤や業務遂行に支障が生じ、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。またインフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症が流行した場合にも、従業員の出勤や業務遂行に支障が生じ、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、これらの自然災害や感染症の拡大が国内景気の動向や得意先の業績に影響する場合、得意先においてIT投資が抑制されることで、新規プロジェクトの減少や既存プロジェクトの規模の縮小等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、現在流行中の新型コロナウイルス感染症による影響はありません。また社内の感染を防ぐため、テレワーク環境の構築、会議のウェブ化、出張の自粛に取り組むとともに、出勤も事業運営上必要な範囲に留めるよう取り組んでいます。また、感染の可能性に関わらず体調の優れない場合には出勤を控える等の対応をしております。従業員が業務において感染者と接触した可能性がある場合は、会社の費用でPCR検査を行い感染拡大防止に努めています。

 

(11) 重要事象等について

当社は、2020年2月期から2022年2月期にわたり、営業損失、経常損失及び当期純損失を計上しています。また、2022年2月期末の現金及び現金同等物は前事業年度末に比べて増加したものの、営業キャッシュ・フローは2期連続のマイナスとなりました。2023年2月期の業績見通しは、営業利益26百万円、経常利益22百万円及び当期純利益16百万円を見込んでおり、収益の大幅な改善を計画していますが、営業キャッシュ・フローは3期連続でマイナスとなる見込みです。一方で、2022年2月期末の現金及び預金は1,342百万円であり、2023年2月期に計画する営業キャッシュ・フローのマイナス、設備投資及び借入金の返済等に必要な資金は十分に確保していることから、事業継続に支障はないと判断しています。

これらの状況から、2021年2月期末以降、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在していると認識していますが、財政面では、事業計画で予定する当面の支出を充たす手元資金を有しており、また、当該事象を解消または改善する以下の施策を実行することで、引き続き、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しています。

① コンサルティング事業の堅調な推移

2023年2月期におけるコンサルティング事業の売上高は2,538百万円を見込んでいます。2022年2月期第3四半期会計期間からコンサルティングサービスの引き合いが強い状況が続いており、受注が堅調に推移しています。今後、さらなる受注拡大をねらい、即戦力となる中途採用者の採用強化とパートナー企業の増加に取り組んでいくとともに、新卒採用者や未経験者の育成にも強力に取り組み、旺盛な需要を取り込んでいく方針です。

② ワンダーレジ-BOOK、EZレジの拡販

2022年2月期に書籍販売に特化した「ワンダーレジ-BOOK」とシンプルな機能と構成で低価格化を実現したコンパクトPOSセルフレジ「EZレジ」の販売を開始しました。ワンダーレジ-BOOKは、書籍特有のバーコードに対応し、加えて、一度に複数の商品を読み取れること等が従来の書店向けセルフレジには無い機能として注目されています。試験導入では、目標を上回る利用率や効率化を実現しており、正式採用に向けた営業活動に取り組んでいます。EZレジは簡易なPOS機能を搭載しながらも、設計や機能を工夫して低廉な価格を実現したセルフレジです。学校や病院内の売店のほか、24時間無人営業の古着販売店に導入される等、実績を増やしています。また、価格と使いやすさが評価され、チェーン店においてもセルフレジ化のツールとして検証が進められる等しており、これらの拡販の機会を獲得できるよう営業活動を強化しています。

 

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