業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度の資産合計は、3,097,288千円となりました。その主な内訳は、現金及び預金1,768,742千円、売掛金707,912千円、のれん276,311千円であります。

 

(負債)

負債合計は、939,176千円となりました。その主な内訳は、買掛金151,001千円、1年内返済予定の長期借入金を含む長期借入金116,664千円、退職給付に係る負債214,667千円であります。

 

(純資産)

純資産合計2,158,111千円となりました。その主な内訳は、資本金77,881千円、資本剰余金64,237千円、利益剰余金2,030,406千円であります。この結果、自己資本比率は69.7%となりました。

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する感染拡大防止策やワクチン接種等により、感染症による厳しい状況が緩和され、景気が持ち直されてきております。一方、新型コロナウイルス感染症の変異株による影響や半導体不足等がサプライチェーンを通じて企業活動に与える影響等、不透明さを拭えない状況が続いております。このような状況の中、日銀短観2021年12月調査によると、当社グループの売上の過半を占める業種である金融機関を含む全産業のソフトウェア投資額は2021年度計画が前年度比14.0%となっており、IT投資は持ち直され、増加していくことが期待されます。

このような当社グループを取り巻く環境の中、① 進化するデジタル社会において、成長性の高い技術・サービスを提供する、② より良い製品サービスを提供し、社会の中で存在価値の高い企業となる、③ 環境・社会・ガバナンス(ESG)を重視し、持続的成長を目指す、を中期経営方針として掲げ、顧客からの信頼を獲得し持続的にサービスを提供することができるよう、様々な要望に対応したサービス提供を行うとともに、デジタルトランスフォーメーション等のデジタル社会の変化をビジネスのチャンスとするために、多数の先端技術の吸収を積極的に行うとともに、顧客及びビジネスパートナー向け営業体制の見直し、業容拡大に向けた人材の積極採用等の施策を行ってまいりました。また、2021年4月1日に株式会社ヒューマンソフトを連結子会社化し、当社グループの事業領域の拡大を図りました。

この結果、当連結会計年度の売上高は4,774,221千円、営業利益は505,004千円、経常利益は528,243千円、親会社株主に帰属する当期純利益は349,234千円となりました。

 

なお、当社グループは、システムインテグレーション事業の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいと考えられることから、セグメント情報の記載を省略しております。

 

事業のサービス別売上高については、以下のとおりです。

a システムインテグレーション事業

当連結会計年度においては、依然としてIT技術者不足の状況にあるため、コロナ禍における採用環境の変化に対応した採用活動を積極的に取り組むと同時に、ビジネスパートナーとの協力関係の強化及び新規のビジネスパートナーの開拓を行うなど、さらなる受注拡大に向けた体制構築を進めてまいりました。

その結果、当連結会計年度の売上高は4,513,715千円となりました。

 

b クラウドサービス事業

当連結会計年度においては、積極的な広告宣伝を行い、クラウドサービス事業の認知度を上げることにより新規契約を順調に獲得し、累計契約台数が着実に増加しております(2021年12月末時点の累計契約台数7,985台)。

その結果、当連結会計年度の売上高は260,506千円となりました。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、1,768,742千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、318,834千円となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上527,162千円、売上債権の増加額62,447千円、法人税等の支払額166,025千円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、243,798千円となりました。その主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出265,624千円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、15,204千円となりました。これは、長期借入れによる収入150,000千円、長期借入金の返済による支出101,145千円、社債の償還による支出70,603千円であります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

当社グループが行う事業では、提供サービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b 受注実績

当連結会計年度のシステムインテグレーション事業の受注状況を示すと、次のとおりであります。

事業の名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

システムインテグレーション事業

4,935,123

1,054,887

合計

4,935,123

1,054,887

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c 販売実績

当連結会計年度の販売実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。

事業の名称

金額(千円)

前期比(%)

システムインテグレーション事業

4,513,715

クラウドサービス事業

260,506

合計

4,774,221

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

株式会社JSOL

623,750

13.1

富士通株式会社

613,511

12.9

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響に関して、当連結会計年度末時点において当社グループの事業活動に重要な影響を与えていないことから、業績に与える影響は軽微と仮定し、会計上の見積りを行っております。

a のれんの評価

のれんの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

b 退職給付に係る負債

確定給付制度の退職給付債務及び退職給付費用は、数理計算上の仮定を用いた見積りを基礎として算定しております。当該数理計算上の仮定には、安全性の高い債券の利回りを用いた割引率及び予想昇給率等の様々な計算基礎があります。

これらの計算基礎について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、退職給付引当金及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。

c  繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の回収可能性は、将来減算一時差異が将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、将来の利益計画に基づく課税所得の十分性、将来加算一時差異の十分性等を満たしている場合に、将来減算一時差異が将来の税金負担額を軽減する効果を有するものとしております。

これらの判断は、将来の利益計画に基づく課税所得、一時差異等の解消見込年度等の見積りに依存するため、将来の不確実な経済条件の変動等によりこの見積りの前提とした条件や仮定に見直しが必要となった場合、繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。

d 工事進行基準

当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる案件については、工事進行基準(進捗率の見積りは原価比例法)を採用しております。

工事進行基準の適用にあたっては、工事収益総額、工事原価総額及び当連結会計年度末における進捗度を合理的に見積っておりますが、想定していなかった原価の発生等により当該見積りが変更された場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しておりますが、その主な要因は以下のとおりであります。

 

(売上高、売上原価及び売上総利益)

当連結会計年度における売上高は、4,774,221千円となりました。これは主に、システムインテグレーション事業における高収益案件の増加に加え、システムエンジニアの要員数が増加したこと及び2021年4月1日に株式会社ヒューマンソフトを連結子会社化し、当社グループの事業領域の多角化を図ったことによるものであります。

当連結会計年度における売上原価は、3,480,292千円となりました。これは主に、システムインテグレーション事業において、コロナ禍における当社グループを取り巻く環境に柔軟に対応し、機動的な対応を実施した結果、システムエンジニアやビジネスパートナー数が順調に推移したことに伴うシステムエンジニアの人件費及びビジネスパートナーへ支払う外注費等であります。

この結果、売上総利益は1,293,928千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費並びに営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、788,924千円となりました。これは主に、本社機能等に携わる人材の人件費、システムエンジニアやデジタルコンサルティングサービス・セキュリティサービス開始に向けての人材獲得等に伴う採用費、連結子会社買収関連費用等によるものであります。

この結果、営業利益は505,004千円となりました。

 

(営業利益率)

当社グループでは売上と売上を獲得するために費やしたコストを管理するために営業利益率を主要なKPIとして管理しております。

当連結会計年度における営業利益率は、高収益案件の増加や株式会社ヒューマンソフトの連結子会社化等による増収効果が人件費等の増加を吸収し売上総利益率が27.1%となり、採用強化により増加した採用関連費用やM&Aに伴い発生した取得関連費用等を吸収し、営業利益率は10.6%となりました。引き続き、高収益案件の増加等による売上高の拡大を図り、当社グループの成長に必要な投資を吸収することにより、営業利益率の向上を図ります。

 

2021年12月

営業利益率(%)

10.6%

 

 

(営業外損益及び経常利益)

当連結会計年度の営業外損益の主な内訳は、営業外収益として助成金収入20,451千円、営業外費用として支払利息738千円、社債償還損603千円となり、経常利益は528,243千円となりました。

 

(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の特別損益は、非連結子会社であるPT. AXIS ITSolution INDONESIAの清算に伴い関係会社清算損1,080千円を計上いたしました。

法人税、住民税及び事業税は170,715千円、法人税等調整額は7,212千円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は349,234千円となりました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要のうち主なものは、外注費、労務費、販売費及び一般管理費に係る運転資金であります。これらの所要資金については、自己資金により充当しておりますが、資金調達が必要な場合には、主に銀行借入により資金を調達する方針であります。

 

 

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