事業等のリスク

2【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがございます。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではございません。

 

<事業戦略に関するリスク>

項目

リスク内容

当社の対策

(1)経済変動による需要業界の動向

主要需要業界であるエレクトロニクス及び自動車業界において、様々な国又は地域の経済状況の影響を受けるリスク。景気後退に伴ってそれらの業界の需要が減少し、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

ライフサイエンス事業などの強化により安定な事業構成を目指すとともに、事業単位においては高機能で高付加価値の製品群を増やし、事業内ポートフォリオの組み換えを推進していくことで、リスク低減に努めています。

(2)為替相場の変動

為替相場の変動による影響を受ける可能性。海外の連結子会社や持分法適用会社の経営成績は、連結財務諸表作成のために円換算されますが、円高によって当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

外貨建ての製品輸出及び原材料等の輸入を行っており、為替予約等によりリスクを軽減させる措置を実施しています。

(3)原油価格、ナフサ価格及び主要原材料価格の変動

特に合成樹脂事業では、原油価格、ナフサ価格の変動や主要原材料市況の変動により、原材料調達価格や製品市況が変動し当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

原材料価格の変動に対して、原価低減や売価への転嫁の施策を行い、また、原材料の調達先を複数確保するなどその影響の低減を図っています。

(4)海外事業展開

不利な政治又は経済要因の発生、労働環境の違いによる労働争議等の発生、人材の採用と確保の難しさ、社会インフラの未整備による事業活動への悪影響、戦争・テロその他要因による社会的混乱等のリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

カントリーリスク等の重要な事業の継続あるいは早期復旧を可能とするため、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための判断基準、行動指針についてリスク管理委員会を中心にマネジメントし、有事に対してはBCP(事業継続計画)を発動して対応を協議しています。

(5)製品品質保証、製造物責任

当社グループの生産した製品に起因する損害が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

当社グループは製品の品質保証体制を確立し、製造物責任保険を付保してリスクを軽減しています。

また、データインテグリティの重要性を認識し、その確保に努めております。

(6)新製品の開発

業界と市場の変化が予測の範囲を大きく超えた場合、新製品をタイムリーに開発出来ないことなどにより、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

市場ニーズを先取りした研究テーマ設定、ユーザー状況に即応できる弾力的な研究体制の整備・強化に取り組んでいます。特にエレクトロニクスおよびライフサイエンス分野は技術的な進歩が急速であるため、常に技術革新に対応して最先端の材料開発に努めています。

(7)次期成長事業の研究開発

次期成長事業の創出のために、積極的に研究開発投資を行っておりますが、これら全ての研究開発活動によって常に十分な成果を得られるとは限らず、その結果によっては当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

新たな分野の研究開発の加速、成功確率を高めるため、JSR・慶應義塾大学 医学化学イノベーションセンター(JKiC)、JSR Bioscience and informatics R&D center (JSR BiRD) 等を設置しオープンイノベーションを推進し多様な技術の醸成を図ると共に、ベンチャーとの戦略投資を伴う共同研究を実施することで、開発技術の事業化促進に取り組んでいます。

(8)知的財産の保護

他社との間に知的財産を巡って紛争が生じたり、他社から知的財産権の侵害を受けたりする可能性があります。

当社グループの事業展開にとって知的財産の保護は極めて重要であり、知的財産権保護のための体制を整備し、その対策を実施しています。

(9)気候変動

気候変動に伴う移行リスクとして、今後各国・地域における脱炭素社会に向けた政策の強化、炭素排出に関連する法令等の改訂・新規制定が想定外の急速なスピードで実施された場合、かかる取り組みへの支出の増加、当社グループの事業活動への制限等を受ける可能性があります。

当社グループは、気候変動への対応に対する世界的な関心の高まりを受け、1990年代から生産プロセス等でのエネルギー利用効率を高める活動を開始しました。

2020年10月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への支持を表明し、2050年度までに温室効果ガス(GHG)排出量実質ゼロを目標に掲げ、省エネ活動に加え、高効率設備の導入、再生可能エネルギーの活用などを通じ、さらなるGHG排出量の削減に取り組んでいます。

 

<事業のオペレーションに伴うリスク>

項目

リスク内容

当社の対策

(10)化学品取扱、環境規制

各種の化学物質が万一流出した場合や環境に関する規制が一層強化された場合には、事業活動が制限されたり、補償・対策費用の支出、あるいは新たに設備投資に多額の費用が発生したりすることがあり、結果として当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

環境保全を重要な経営方針の一つと掲げ、環境に関する各種法律、規制を遵守し、製品・化学物質の安全確保、環境負荷の低減及び廃棄物削減や省資源・省エネルギー、生物多様性の保持等に努めています。

(11)法規制

事業活動を行っている各国におきまして、事業・投資の許可や輸出入規制、商取引、労働、知的財産権、租税、為替等の様々な法規制の適用を受けております。これらの法規制を遵守出来なかった場合やこれらの法規制の強化又は大幅な変更がなされた場合には、事業活動が制限されたり、規制遵守のための費用が増大したりすることがあり、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

事業に関連する各国法規制の情報を日々収集し、必要な対応を行っています。特に、改正頻度が高く、違反リスクも大きい各国の環境関連法令、製品の安全性・品質関連規制、輸出入関連法令の変更について、注視しています。

(12)訴訟

取引先や第三者との間で紛争が発生し訴訟、その他法的手続きの対象となるリスクがございます。重要な訴訟等が提起された場合、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

事業に関わる各種法令を遵守するとともに、知的財産権の適正な取得、契約条件の明確化、その他リスク低減等により紛争の発生を未然に防ぐように努めています。また各国の弁護士事務所等と連携し、訴訟等に対応する体制を整えています。

(13)原材料の調達

原材料メーカーの事故による供給中断、品質不良等による供給停止、倒産による供給停止、労働争議、戦争・テロ等の影響で生産活動に支障をきたし、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

原材料の調達先を複数確保するなどして安定的な原材料の調達オペレーションを実施しています。

(14)情報システム・情報管理

サイバー攻撃等による不正アクセス、従業員等の悪意あるいは重大な過失に基づく行動、停電・災害等により、データの改ざん・破壊、個人情報の漏洩、情報システムの障害等が発生し、事業活動に支障をきたす等の事態が起こる可能性があります。

ソフトウェアや危機に対するセキュリティ対策の実施、定期的に従業員への教育および訓練を実施し、本件リスクが顕在化しないよう努めています。

(15)自然災害、事故災害

大きな自然災害や製造設備等で事故が発生した場合には、生産活動の中断あるいは製造設備の損壊により、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

事故に対しては全ての製造設備において危険要因の掘り起こしに基づく対策を講じると共に、定期的な設備点検を実施しています。また、従業員の安否をいち早く確認できるよう安否確認システムを導入するとともに、定期的に地震等自然災害に備えた教育・訓練を実施する等の安全対策に取り組んでいます。

(16)新型コロナウイルス感染症の拡大

新型コロナウイルス感染症が拡大による経済活動の制限、オフィス・工場等の一時閉鎖や稼働低下等が発生し、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

オフィス・工場等においては、感染症対策の徹底を図っています。また、危機においても事業継続と経営の安定を確保する組織力、サプライチェーンを維持し、激変する経営環境に備えて更なる財務基盤の強化にも取り組んでいます。

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