文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営理念・経営方針
当社グループは以下の経営理念(ミッション)を制定し、お客様とともに成長・発展し続けることで社会に貢献することを目指しております。
私達はICTを人間の良きパートナーとして活用し、日本の「少子高齢化・人口減少」「環境・資源問題」などに取り組み、「課題解決先進国ニッポン」の持続可能な成長に貢献すると共に、その技術を世界に発信する。 |
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、主な成長性・収益性の指標として、経営の効率性向上による収益重視の観点から、営業利益、営業利益率を主たる経営指標としております。また株主重視の観点から自己資本利益率(ROE)についても重要な経営指標と考えております。
(3)経営環境、経営戦略等
国内企業においては大企業を中心に、デジタル技術を駆使し、ビジネスモデルやビジネスプロセスを変革する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」(注1)に取り組む企業が増加しており、魅力的なサービスの提供及び高い競争力を持つビジネスモデルの実現を目的とした情報化投資が今後拡大していくことが期待されます。
また、我が国では、少子高齢化により人口は減少局面を迎え、労働力人口が減少していく中で日本経済が持続的に成長を続けるためには、労働生産性の向上が不可欠であると考えております。
この様な経営環境下において、お客様に真に価値あるサービスを提供できるようコア・コンピテンシーの醸成と品質向上に取り組むとともに、ITサービスの構造的変化を先取りしたビジネス展開により新たな市場を開拓し、経営体質の強化と事業の継続的発展のため、当社グループは以下の取り組みを進めてまいります。
① デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進
企業の社会的責任として経済発展と社会課題解決の両立が求められてきている中、企業によるDXの投資が増加することが見込まれます。そのような社会環境を踏まえ、当社グループはお客様企業のデジタル化支援に重点を置き、既存ビジネスで収益を確保していくとともに、デジタルマーケティング事業のマーケティングソリューションサービスや情報サービス事業のプラットフォームソリューションサービスを始めとするDX関連ビジネスを推進し、従来からあるIT部門や大手システムインテグレータとのビジネスに加え、事業部門とのダイレクトビジネスを拡大してまいります。
② 戦略投資の実施
DX関連ビジネスを推進するため、優秀な人材の採用・育成等の人材投資や、日本の課題解決支援のためのソリューション創出等の開発投資、M&A等の事業投資を進めてまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、以下の事項を重要課題と捉え、更なる企業価値の向上に努めるとともに、収益性の向上を図り、財務体質の強化に取り組んでまいります。
① 成長分野への展開
当社グループは、常にお客様に満足していただくサービスを提供していくために、技術革新のスピードに対応して新たな分野へ積極的にチャレンジし、更なる成長を目指してまいります。特に、国内のITサービス市場では、ITにおいては既存技術から先進的なデジタル技術へ、市場においては顧客の情報システム部門からビジネス部門へと成長の分野が変化しており、当社グループは従来分野の深化と成長分野の拡大を続けてまいります。
② グループ力の発揮
ITサービス業界がいわゆる「2025年の崖」(注2)の克服に向けた大きな変化の節目を迎えているなか、グループ各社がそれぞれの強みを発揮するとともに機動力を持って相互補完をすることによって、既存ビジネスの再構築とデジタルトランスフォーメーションを担う新規ビジネスの拡大を同時に推進し、持続的な成長の実現と安定した収益の確保に努めるとともに、税務上の繰越欠損金が存在する一部の子会社の業績改善を図ってまいります。
③ 有力ベンダーとの関係強化
成長著しいデジタル技術の分野では、海外の先進技術や製品を有するベンダーとパートナーを組み、サービスの開発や販売で連携することが重要であると認識しております。当社グループでは、各分野で協業いただけるベンダーとのリレーションシップ強化に努め、差別化を図ってまいります。
④ プロフェッショナル人材の育成・確保
当社グループでは、デジタル技術や顧客ビジネスへの提案力獲得のために、既存人材のリスキリング、中途採用の強化、資格取得の推進、有力なサービスプロバイダーとの連携を図ってまいります。
また、あわせて社員の働き方改革を積極的に推進し、労働環境の改善とやりがいの持てる職場風土の醸成によって、社員の満足度向上やワークライフバランスの推進に努めてまいります。
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2022年3月期 |
女性管理職比率 ※ |
9.5% |
有給休暇取得率 ※ |
64.5% |
※当社および㈱日比谷コンピュータシステム、㈱日比谷リソースプランニング、㈱オートマティゴ、㈱アイシス、㈱ビジー・ビーの合計値より算出
〔用語説明〕
(注)1.デジタルトランスフォーメーション(DX)
「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念。企業活動においては、クラウド、人工知能、インターネット経由によるセンサー情報の遠隔検知等の新しい情報技術(デジタル技術と総称される)を駆使して、ビジネスモデル、製品・サービス、業務プロセス等を変革することを指します。
2.2025年の崖
経済産業省が2018年9月に発表した「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開~」の中で指摘された「複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合に想定される国際競争への遅れや我が国の経済の停滞」を指す言葉です。日本企業がこの「2025年の崖」を乗り越えるために必要だと提唱されているのがデジタルトランスフォーメーションです。
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