業績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の当社グループをとりまく経営環境は、未だ新型コロナウイルス感染症の収束を見通せない中にありますが、当社グループの事業範囲においては、感染拡大防止対策を取りながらも通常の事業活動を行える状況にまで戻ってまいりました。
当連結会計年度の国内の設備投資は、半導体関連産業が引き続き堅調に推移したことに加えて、その他の産業においても一部回復基調がみられました。海外においても、半導体関連産業を中心に設備投資が伸長しました。半導体デバイス用途においても、引き続き旺盛な需要が続き、電子材料の需要が伸長しました。国内自動車生産台数は、半導体不足に加えて新型コロナウイルス感染症による東南アジアからの部品供給停滞の影響を受けて、前年を下回りました。一方、国内の建設機械の生産台数は、前年に比べ増加しました。また、国内の建築着工についても前年に比べて増加しました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は64,732百万円(前年同期比+20.9%)、営業利益は6,575百万円(前年同期比+93.1%)となりました。
為替差益などを計上したこと等により当連結会計年度の営業外損益の純額は437百万円の利益で、前連結会計年度比+193百万円(前年同期比+79.0%)となりました。
この結果、経常利益は7,012百万円(前年同期比+92.2%)となりました。
固定資産除却損を計上したこと等により、当連結会計年度の特別損益の純額は240百万円の損失で、前連結会計年度比△357百万円(前連結会計年度の特別損益の純額は117百万円の利益)となりました。
経常利益の7,012百万円に特別損益の240百万円を減算し、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は6,772百万円となりました。これから法人税、住民税及び事業税2,217百万円を減算および法人税等調整額259百万円を加算し、非支配株主に帰属する当期純利益41百万円を減算した親会社株主に帰属する当期純利益は4,773百万円(前年同期比+71.2%)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(管材システム事業)
管材システム事業は、主力製品の樹脂バルブを軸に樹脂管材市場を拡大することを基本戦略としています。また、耐食問題の解決と樹脂管材の機能性を追求した製品開発によりお客様のお役立ちに注力した営業活動を推進しています。
国内の設備投資では、建設資材価格が高騰していることから設備投資に対する慎重姿勢が継続しているものの、コロナ禍からの回復基調が一般設備関連で見られ始めました。樹脂バルブ等の基幹製品については、継続する半導体関連の大型工事案件に支えられて、販売が堅調に推移しました。また樹脂管材等を用いた請負工事も堅調に推移したことから、売上は前年を上回りました。
海外では、米国において半導体関連産業をはじめとした設備投資需要が継続しており、売上は前年を上回りました。また、中国と韓国においても半導体や液晶関連への設備投資による需要増を受けて、売上は前年を大きく上回りました。
半導体製造装置向けのダイマトリックス製品は、日本をはじめ、韓国、台湾、中国向けの販売が伸長したことから、売上は前年を大きく上回りました。
利益面においては、人件費の増加や原材料価格高騰の影響はあったものの、国内外での売上高が増加したことに加え、円安の影響もあり前年を大きく上回りました。
この結果、売上高は37,725百万円(前年同期比+22.4%)、営業利益は4,897百万円(前年同期比+129.3%)となりました。
(樹脂事業)
素形材用途向けの製品は、国内においてお客様の製造品質や作業環境の改善につながる提案と新規のお取引先様への営業活動を行い、海外においてはお客様の品質要求に合わせた提案活動を継続して推進した結果、売上は前年を上回りました。
発泡材料製品は、現場発泡断熱材において、回復基調にあるビル・マンション等の建築需要の取込みに注力したことや、トンネル掘削用の土木材料において、採用を頂いている工事案件が計画通りに推移した結果、売上は前年を上回りました。
電子材料用途を主力製品とする高機能樹脂は、半導体の微細化に対応している国内大手レジストメーカー向けの低メタル製品に加え、レガシー半導体向けの製品の需要も引き続き堅調に推移しました。中国では、LED、印刷版、およびFPD用途で販売が増加し、売上は前年を大きく上回りました。
利益面においては、高機能樹脂は増益となったものの、素形材製品や発泡材料製品が原材料価格高騰の影響を受けて前年を下回りました。
この結果、売上高は18,608百万円(前年同期比+17.1%)、営業利益は819百万円(前年同期比△11.9%)となりました。
(水処理・資源開発事業)
水処理事業は、お客様のニーズに基づいた水資源を有効に活用できる水処理・水再生システムの設計・施工を行っています。国内の民間および公共工事は、受注した案件が見込み通りに進捗したことに加えて、民間の大型工事案件が完工したことから、売上は前年を大きく上回りました。中国においては、大型の排水処理案件の受注、完工により売上は前年を上回りました。
資源開発事業は、再生可能エネルギーである地熱発電の蒸気井などの掘削工事や温泉開発工事を行い資源の有効活用に貢献しています。地熱発電の掘削工事は、深度の深い蒸気井掘削工事案件が完工したこと、また温泉設備工事も堅調に進捗にしたことから、売上は前年を大きく上回りました。
メンテナンス事業及び薬剤事業は、施設や設備の安定稼働のためのサービスや水処理薬剤を提供することでお客様へのお役立ちに注力しています。メンテナンス事業は、水処理施設の水処理水量の増加により維持管理に伴う売上は回復したものの、修繕工事案件が減少し売上は前年を下回りました。薬剤事業の売上は、前年並みに推移しました。
利益面においては、水処理事業や資源開発事業での売上の増加に加え、固定費の減少により前年に比べ大きく上回りました。
この結果、売上高は8,398百万円(前年同期比+22.8%)、営業利益は724百万円(前年同期比+253.5%)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、74,925百万円(前年同期比+10.6%)となりました。
流動資産は、主として現金及び預金や受取手形、売掛金及び契約資産が増加したことなどから、47,830百万円(前年同期比+18.0%)となりました。
固定資産は、主として機械装置及び運搬具や退職給付に係る資産が減少したことなどから、27,095百万円(前年同期比△0.4%)となりました。
流動負債は、主として未払法人税等や支払手形及び買掛金が増加したことなどから、18,365百万円(前年同期比+15.2%)となりました。
固定負債は、主として退職給付に係る負債が増加したことなどから、4,693百万円(前年同期比+0.1%)となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどから51,867百万円(前年同期比+10.1%)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,913百万円増加し、14,311百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、売上債権の増加1,388百万円、棚卸資産の増加1,240百万円などの資金減よりも、税金等調整前当期純利益6,772百万円などの資金増が上回ったため、7,175百万円(前年同期は3,420百万円の資金獲得)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、有形固定資産の取得による支出1,500百万円などの資金減により、1,655百万円(前年同期は2,069百万円の資金使用)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、配当金の支払額962百万円、短期借入金の減少967百万円などの資金減により、2,064百万円(前年同期は1,146百万円の資金使用)となりました。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費のほか、製品の仕入れ、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は2,836百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、14,311百万円となっております。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における管材システム事業、樹脂事業及び水処理・資源開発事業の受注実績は、次のとおりであります。
なお、管材システム事業の一部、樹脂事業の一部及び水処理・資源開発事業を除くその他の事業については、見込み生産を行っております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」、達成状況は、「① 経営成績」に記載のとおりであります。
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