文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の方針
当社は、「われわれ積水化成品グループは、人間尊重と相互信頼を基本に全員経営を実践し、“新しい幸せ”を目指して常にイノベーションをし続けます」を経営理念として定めております。
また、「私たち積水化成品グループは、経営理念の実践を通して地球環境を含むすべてのステークホルダーに対して社会的責任を果たし、グローバルに社会の持続的発展に貢献します。」とのCSR宣言を行い、さらに、CSR活動の基盤として「環境・安全品質に配慮したモノづくり」、「コンプライアンスを重視した誠実な経営活動」、「全員経営の実践」の3点を据えて、「グローバルに顧客から信頼されるプラスチックス・ソリューション・カンパニー」を目指しております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標
当社グループは、2022年4月に開始する新中期経営計画「Spiral-up 2024」を作成しました。
以下に記載の「基本方針」に則り、「重点課題」を中心に全員経営で取り組みます。
<基本方針>
「持続可能社会への貢献」と「持続的な企業価値向上」の実現に向けて、「ESG経営」を土台に強靭な収益基盤を確立する
<重点課題>
① 収益体質の強化
・事業ポートフォリオの再構築
基盤事業のさらなる安定化と成長事業の創出及び拡大を図るべく、ターゲット事業領域として5重点分野を設定し、経営資源の選択と集中により事業ポートフォリオを再構築する。
※ターゲット事業領域(5重点分野)
基盤領域 : 「食」
注力領域 : 「エレクトロニクス」「モビリティ」
期待領域 : 「医療・健康」「住環境・エネルギー」
・Proseat事業の高収益体質構築
コストダウン、生産性改善を徹底するとともに、EVシフト化の進む欧州において、当社の素材開発力とProseatの開発提案力とのシナジーを最大化させ、差別化されたソリューションを提供し一層の高収益体質に変革する。
・生産革新によるコスト競争力の強化
テクノロジーの活用を含めた生産革新とモノづくり力の強化を継続的に進める。
「新たな生産技術、新たな設備技術」「生産性向上による競争力強化」「生産現場の効率化・スリム化」「生産現場の安定稼働」「基礎技術力の伝承・強化」
・開発品の早期収益化
開発品を中長期の成長ドライバーと位置付け、RX(リサーチトランスフォーメーション)の考え方を体現
する。
② 環境・社会課題解決型事業への転換
循環経済(サーキュラーエコノミー)を軸に据えた事業構造転換と2050年カーボンニュートラルを目指す
ことで、環境・社会価値と経済価値の両立を目指す。
・循環型ビジネスによる環境貢献製品の拡大
・カーボンニュートラル実現への挑戦
③ 経営基盤の強化
マテリアリティを特定し、PDCAマネジメントを徹底する。「PL重視の経営」から「資本効率重視の経営」に変革し、ROE向上を図る。
・マテリアリティ(経営重要課題)の取り組み強化
・財務体質の強化
経営指標としては、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益を重視し、自己資本当期純利益率(ROE)の向上に努めてまいります。
「Spiral-up2024」の定量目標
連結目標 |
2021年度 (実績) |
2022年度 (計画) |
2024年度 (計画) |
3ヵ年平均 伸長率 |
売上高 |
1,175億円 |
1,250億円 |
1,350億円 |
5% |
営業利益 (営業利益率) |
14億円 (1.2%) |
18億円 (1.4%) |
50億円 (3.7%) |
50% |
経常利益 |
14億円 |
16億円 |
48億円 |
50% |
親会社株主に帰属する当期純利益又は 親会社株主に帰属する当期純損失(△) |
△59億円 |
9億円 |
30億円 |
-% |
ROE |
(-%) |
(1.5%) |
(3.0%) |
- |
(億円未満は切捨てで表示しております)
2023年3月期の連結業績予想(2022年4月1日~2023年3月31日)
|
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属 する当期純利益 |
1株当たり 当期純利益 |
||||
|
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
円 銭 |
第2四半期(累計) |
60,000 |
1.0 |
400 |
△38.8 |
300 |
△60.0 |
100 |
△70.3 |
2.21 |
通期 |
125,000 |
6.3 |
1,800 |
23.0 |
1,600 |
14.1 |
900 |
- |
19.91 |
(3) 対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症(以下「本感染症」といいます。)の影響は、ワクチン接種の進展など世界各国における感染抑制の取り組みにより収束に向かっていくことが期待されますが、ウクライナ侵攻の長期化や為替の変動、原燃料価格上昇の影響にも留意する必要があります。
当社グループでは、(2)のとおり2022年4月に新3カ年中期経営計画「Spiral-up 2024」を作成し、「『持続可能社会への貢献』と『持続的な企業価値向上』の実現に向けて、『ESG経営』を土台に強靭な収益基盤を確立する」との基本方針に基づき、重点課題に取り組んでまいります。
また、環境課題解決については、事業活動の中核と位置付けており、日本政府の2050年カーボンニュートラル宣言に賛同し、その実現に向けた取り組みを策定しました。事業活動に伴うCO2排出の最小化と技術・製品など新しい価値創出によるCO2削減を同時に進めることで、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを推進してまいります。そのため、当社グループ全体の環境に関する業務を一元的に牽引していく組織として、4月に「GX推進部」を設立いたしました。
さらに、2020年7月に公表した「SKG-5R STATEMENT」に掲げた目標達成に向け、SKG-5R(※)活動推進の一層の強化を図っております。環境貢献製品(サステナブル・スタープロダクト)(※)の創出と拡大については、特に資源循環を意識し、2030年度までに当社グループの売上高に対する同製品比率の目標を従来の20%から50%まで引き上げるとともに、製造において使用する製品原材料の50%を、リサイクルまたはバイオマス由来に置き換えるという目標を掲げ、それぞれ「ReNew+」(※)、「BIO Cellular」(※)、というカテゴリーブランドを制定し、製品ラインナップの拡充を今後も行い強化してまいります。
※「SKG-5R」は、SKGは積水化成品グループ、「5R」は、Reduce,Reuse,Recycle,Replace,Re-createを指します。
※「サステナブル・スタープロダクト」は、原料調達から製造・供給・廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体で、環境負荷低減や限りある資源に配慮した製品をいいます。
※「ReNew+」は、リサイクル原料を活用した当社製品カテゴリーです。
※「BIO Cellular」は、生分解性またはバイオマス由来プラスチックスを活用した当社製品カテゴリーです。
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