本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。
当社は、「The Support Tech Company」として「テクノロジーでサポートを新しく。」というミッションのもと、主にコンタクトセンター(注1)に向けてSaaS(Software as a Service)と呼ばれるクラウド環境下で提供される独自ソリューションの提供と、顧客のROI(Return On Investment、投資収益率)を実現する上で不可欠なコンサルテーションサービス、データ構築サービス及びカスタマイズ開発サービスなどを含むプロフェッショナルサービスを展開しております。従来の電話を中心とした人の労力に依存したサポートにおける様々な課題を解決し、顧客サポートの現場に携わる人々の助けとなるソリューションを開発し提供しております。様々な顧客インターフェースと、様々な支援機能をつなぐことで、カスタマーサービスのオペレーションをより効率化し、高度化することで、顧客サポートの現場の人々のストレスを軽減し、喜びを感じてもらえるようなコミュニケーションプラットフォームの展開を目指しております。当事業年度における当社の経営環境としては、国内企業の人手不足感の高まりやコスト削減への圧力から、コンタクトセンターの効率化及び自動化へのニーズは引き続き高く、また今新型コロナウイルス感染症拡大を契機にリモートワークでの対応を含む非対面での顧客サポートのニーズが急速に高まっており、そのようなニーズに対応するサービスの需要が継続しております。
当事業年度の売上高については、当社の主要事業であるSaaSサービスは、コアプロダクトであるMOBI AGENT(モビエージェント)が順調にユーザー企業数を伸ばしており、金融、メーカー、サービスと業界を問わずにリーディング企業に採用を頂きました。特に、当事業年度下期においては、チャットサポートの優良先行事例の創出を目的に、既存の大企業顧客の深耕と大型案件の獲得に注力し、第4四半期会計期間に複数の大型の新規案件を獲得するに至りました。その結果として、一契約当たりの平均MRRも上昇いたしました。また、チャットサポートで個人情報を安全に受取ることが出来る機能「SecurePath」の2件目の導入が進みました。既存のユーザーにおいては、利用度合いが高まることにより従量課金による売上の増加がみられ、さらなる運用の効率化や利用度合いの向上を目指したプロフェッショナルサービスの受注につながりました。2022年8月末時点で、当社SaaSプロダクトの契約数は272件(前年同期比117%)となりました。プロフェッショナルサービスは、カスタマイズ案件及び有償カスタマーサクセス案件の獲得が堅調に推移しました。イノベーションラボサービスは、新規顧客の案件受注に伴い前年同期比で増加となりました
以上の結果、当事業年度における売上高は1,569百万円(前年同期比27.1%増)、営業利益は181百万円(前年同期比35.3%増)、経常利益は173百万円(前年同期比18.6%増)、当期純利益は126百万円(前年同期比5.3%減)となりました。
(資産)
当事業年度末における流動資産は2,031百万円となり、前事業年度末に比べ746百万円増加いたしました。これは主に東京証券取引所マザーズ市場(現グロース市場)への上場に伴う公募増資等による現金及び預金の増加549百万円、売掛金の増加130百万円、仕掛品の増加28百万円、譲渡制限付株式報酬等に係る前払費用の増加21百万円及び現本社オフィス敷金の返還に係る未収入金の増加11百万円があったことによるものであります。固定資産は613百万円となり、前事業年度末に比べ124百万円増加いたしました。これは主にソフトウエアの増加91百万円、オフィス拡張のための敷金払い込みによる増加38百万円及び繰延税金資産の増加7百万円があった一方で現本社オフィス敷金の未収入金への振替による減少11百万円があったことによるものであります。この結果、資産合計は2,649百万円となり、前事業年度末に比べ871百万円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は459百万円となり、前事業年度末に比べ177百万円増加いたしました。これは主に買掛金の増加15百万円、未払金の増加36百万円、長期借入金からの振替による1年内返済予定の長期借入金の増加100百万円、未払法人税等の増加68百万円、「収益認識に関する会計基準」等の適用開始に伴う契約負債(前事業年度末においては前受金)の増加4百万円及び資産除去債務の増加5百万円があった一方で、短期借入金の減少40百万円及び1年内返済予定の長期借入金の返済による減少7百万円があったことによるものであります。固定負債は、前事業年度末に比べ110百万円減少いたしました。これは長期借入金の減少100百万円、資産除去債務の減少6百万円及び繰延税金負債の減少3百万円があったことによるものであります。
この結果、負債合計は459百万円となり、前事業年度末に比べ67百万円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は2,189百万円となり、前事業年度末に比べ804百万円増加いたしました。これは主に東京証券取引所マザーズ市場(現グロース市場)への上場に伴う公募増資により211百万円、第三者割当増資(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)により97百万円、新株予約権(ストックオプション)の行使により16百万円、譲渡制限付株式の発行により12百万円、資本金及び資本準備金がそれぞれ増加したこと、並びに当期純利益の計上126百万円によるものであります。
この結果、資本金428百万円、資本剰余金1,394百万円、利益剰余金365百万円となりました。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ549百万円増加し、1,632百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果獲得した資金は239百万円となりました。これは主に、税引前当期純利益173百万円を計上し、減価償却費160百万円の計上、売上債権の増加129百万円、棚卸資産の増加28百万円及び未払金の増加36百万円があったこと等によるものであります。
投資活動の結果使用した資金は295百万円となりました。これは主にソフトウエア開発の無形固定資産の取得による支出245百万円、工具器具備品の購入による有形固定資産の取得による支出11百万円及びオフィス拡張のための敷金払い込みによる支出38百万円があったこと等によるものであります。
財務活動の結果獲得した資金は604百万円となりました。これは主に東京証券取引所マザーズ市場(現グロース市場)への上場に伴う株式の発行等による収入651百万円及び短期借入金の返済による支出40百万円があったことによるものであります。
当社が提供するサービスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、省略しております。
当社が提供するサービスの性質上、受注実績の記載に馴染まないため、省略しております。
当社はSaaSソリューション事業の単一セグメントのため、販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行い、提出日現在において判断したものであり、将来に関しては不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響に関して、当事業年度における財務諸表に及ぼす影響は軽微なものと判断しております。ただし、今後の状況の変化によって判断を見直した結果、翌事業年度以降の財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。
当事業年度における売上高は、1,569百万円(前年同期比27.1%増)となりました。これは主に、SaaSサービスの導入社数の増加に伴うライセンスの売上高が堅調に推移したこと、プロフェッショナルサービスの売上が堅調に推移したことによります。
当事業年度における売上原価は、674百万円(前年同期比30.9%増)となりました。これは主に、プロフェッショナルサービスにおいて、カスタマイズ案件が堅調に推移したことによります。この結果、売上総利益は895百万円(前年同期比24.4%増)となりました。
当事業年度における販売費及び一般管理費は、713百万円(前年同期比21.9%増)となりました。これは主に、営業人員増加による人件費が増加したことによります。この結果、営業利益は181百万円(前年同期比35.3%増)となりました。
当事業年度における経常利益は、主に支払利息等の営業外費用7百万円等が発生し、経常利益は173百万円(前年同期比18.6%増)となりました。
当事業年度における当期純利益は、法人税等(法人税等調整額を含む)46百万円(前年同期比257.7%増)が発生し、当期純利益は126百万円(前年同期比5.3%減)となりました。
当事業年度における財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」をご参照ください。
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社の資金需要として主なものは、当社製品であるソフトウエアへの開発投資、事業の拡大に伴う人件費及び採用費等であります。財政状態等や資金使途を勘案しながら、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等は、資金需要の額や用途に合わせて最適な方法を選択しております。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については「2 事業等のリスク」をご参照ください。
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
お知らせ