事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項および本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、当社はリスク管理を実施することで、以下のリスクに対してその発生可能性を一定程度低い水準まで抑えられていると考えております。また、これらのリスクの発生時期及び顕在化した場合に当社の経営成績等の状況に与える定量的な影響の程度につきましては、合理的に予見することが困難であるため具体的には記載しておりません。

 また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)事業内容に関するリスク

① AI関連市場について

 当社が属するAI関連市場は、各産業でAIの実用化に向けた取り組みが進んでいること等から、今後も拡大を続けていくと予想しております。また、当社の事業展開も当該市場の拡大をその基本的条件としております。

 しかしながら、AI関連市場の成長は、AI技術の開発、利用、普及等を制限するような法規制、政策、景気動向、技術革新、関連する市場の動向等の様々な要因により影響を受けます。これらの要因により、AI関連市場の成長ペースが大きく鈍化した場合には、当社の事業および業績に影響を与える可能性があります。また、市場の拡大が進んだ場合であっても、当社が同様のペースで順調に成長しない可能性があり、かかる場合には、当社の事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 技術革新について

 当社の事業領域であるAI関連市場は全世界で研究開発が進んでおり、技術革新の速度が極めて速いという特徴があります。当社はそうした技術革新に対応できる体制づくりに努めており、AIを活用したビジネスにより収益の拡大を図っていく所存でありますが、今後において技術革新のスピードやこれに伴う新たなビジネスモデルの出現を含む市場環境の変化に、当社が適時適切に対応出来ない場合、当社の事業および業績に影響を与える可能性があります。

 当該リスクへの対策として、当社は、AI関連市場における技術動向を今後も継続的に注視し、必要に応じて資本提携を含む業務提携等の経営戦略を推進し、AI関連市場におけるシェアの維持及び拡大を進めてまいります。

 

③ 事業拡大に伴う継続的な設備・システム投資について

 当社は極めて速い技術革新のスピードに対応していくために、必要な研究開発資金を適時適切に投入するとともに、サーバ等の設備に順次投資を行っていく必要があります。しかし、このような研究開発投資や設備投資にもかかわらず、当社の想定を上回る急激な事業環境の変化等により、想定した投資効果を得ることができない可能性があります。その結果、業績の悪化、将来のキャッシュ・フローの見積額の減少等が生じた場合、固定資産に関して減損損失等が発生し、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④ プラットフォーム運営事業者の動向

 当社のBtoCサービスは、大手プラットフォーム事業者がサービス提供するプラットフォーム上において、各プラットフォーム事業者のサービス規約に従いサービスを提供しており、ユーザーへのサービス提供に係るシステムの利用、ユーザー獲得、代金回収等において、かかるプラットフォーム事業者に実質的に依存しております。今後、何らかの理由でプラットフォーム事業者との契約継続が困難となった場合、プラットフォーム事業者による手数料や利用料等の料率変更やサービス内容の変更、事業戦略の転換があった場合には、当社のBtoCサービスの提供が困難になる等、当社のサービス内容の変更や手数料等の負担が増加する可能性があり、その結果、当社の事業および業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ モバイルアプリについて

 当社が提供するモバイルアプリにおいては、アプリおよびゲーム内でのアイテム課金や月額プレイ課金による収益が主たる収入となっているため、ユーザーの嗜好にあった課金アイテムの提供を行うとともに、イベントの開催、アプリのアップデート等を通じてユーザーの利用を活性化しユーザーに継続してアプリを利用してもらえるように運営しております。しかし、かかる施策が適時適切に行えなかった場合、または施策が功を奏さなかった場合のほか、競合他社が当社のモバイルアプリよりも魅力あるタイトルを市場に投入するなどして、当社の提供するモバイルアプリの競争力が低下した場合等には、ユーザーのアイテム課金や月額プレイ課金が継続して利用されない状況になり、想定していた収益が得られない可能性があります。この結果、当社の事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

⑥ 機密情報の管理体制について

 当社のAIが学習対象とする情報の中には、顧客の経営戦略上極めて重要かつ機密性が高い情報が含まれる場合があります。また、当社のBtoCサービスでは、ユーザーに関連する情報も扱っております。当社では、これらの情報の管理においては、アクセス制限等を行うことで社内での機密性確保並びに漏洩防止を図っておりますが、万が一当社社員の故意・過失、事故、災害、悪意を持った第三者の不正アクセスやサイバー攻撃などにより、これらの情報の漏洩が生じた場合、損害賠償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生し、また、当社への信頼性が揺らぐことにより、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があり、その結果、当社の経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 競合の動向について

 当社の属するAI関連事業分野においては、本書提出日現在で競合他社が全世界に存在しているほか、新規参入事業者も非常に多く見受けられ、今後も他業種大手企業から高度に専門化した新興企業に至るまで、様々な事業者が新規に参入する可能性があります。これらの競合他社や新規参入事業者は、その資金力、技術開発力、価格競争力、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度などにおいて、当社よりも優れている場合があり、その優位性を活用してサービスの開発に取り組んだ場合、当社が競争で劣勢に立たされ、当社の期待通りにサービスを提供できない、または顧客を獲得・維持できないことも考えられます。また、AI関連市場はいまだ未成熟であるため、かかる新規参入や競合他社の動向等により、市場シェアの構成が急激に変化する可能性があり、かかる場合には、当社の事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社としましては、これまで培ってきたAI技術を活かして、顧客・ユーザーのニーズに合致したAIサービスの開発を継続していく所存ではありますが、競争環境の更なる激化等、競合の状況によっては、価格低下圧力による利益率の悪化、対策のための追加のコストの負担等の原因により、当社の事業および業績に影響を与える可能性があります。

 

⑧ システム障害について

 当社の事業は、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しております。そのため、自然災害や事故等により通信ネットワークが遮断された場合には、サービスを提供することが不可能な場合があります。また、アクセスの一時的な増加による負荷増大によって、当社のサーバが停止し、サービス提供に支障が出る場合があるほか、外部からの不正な手段によるコンピューター内への侵入等の犯罪や当社担当者の過誤等によって、当社のシステムに重大な影響が出る場合があります。

 また、当社のAI開発においては、当社技術者が開発したアルゴリズムをもとに、教師データ(学習の元になるデータ)等を活用した機械学習を行うことで、未知の状況においても、学習により構築したモデルに基づいて、AIが精度の高い判断を行うことが可能になっております。そのため、システム障害により当社のアルゴリズム、または機械学習に利用される教師データ等が消失した場合には、当社でのAI開発の続行が不可能となり、または、機械学習によるAIの精度向上が困難となり、当社の提供するAIサービスの質が低下する可能性があります。また、学習済みのモデルが消失した場合にも、AIサービスの提供に支障が生じる可能性があります。

 当社としましては、定期的なシステムのバックアップを実施するとともに、外部のデータセンターを利用することでセキュリティ強化や安定的なシステム運用ができるような体制の構築に努めておりますが、前述のような状況が発生した場合には、サービスの提供が困難になる可能性があり、その結果、当社の事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社への損害賠償等により当社の事業および業績に直接的な影響が生じる可能性があるほか、当社および当社システムやサービスへの信頼の低下により、間接的に当社の事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

 加えて、当社では、サービスの安定稼働および事業成長のために、システムインフラ等への継続的な設備投資や維持・管理費用が必要となります。当社の想定を上回る急激なユーザーまたはトラフィックの拡大や、セキュリティその他の要因によるシステム対応強化が必要となった場合、想定外の追加投資や費用の増加等が必要となる可能性があり、当社の事業および業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ モバイル関連市場について

 我が国のモバイル関連市場は、モバイル端末の普及に伴って継続的な拡大が続いてきたものの、個人のモバイル端末の保有率の更なる上昇の余地には限界があることから、成熟期へと移行しつつあるものと認識しております。

 また、モバイル関連事業は国内外の経済状況の変動、法的規制、政策、技術革新、関連する市場の動向等様々な要因による影響を強く受けるため、今後新たな法的規制の導入や技術革新、通信事業者に関する動向の変化などにより、市場の成長ペースが更に鈍化する可能性があります。当社がこのような市場環境の変化に適切に対応できなかった場合には、当社の事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 自然災害、事故等について

 当社では、自然災害、事故等に備え、定期的なバックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止または回避に努めておりますが、当社所在地近辺において大地震等の自然災害が発生した場合、当社設備の損壊や電力供給の制限等により、事業継続に支障をきたす可能性があります。また、当社設備、通信ネットワークや情報システムなどを復旧・回収するために多額の費用負担が発生する可能性があり、また、復旧に相当時間を要した場合、その間の収益機会を喪失するおそれがあるほか、信頼性や企業イメージが低下することにより、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社の事業および業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ 法的規制について

 当社の事業は、「電気通信事業法」「不当景品類及び不当表示防止法」「資金決済に関する法律」「特定商取引に関する法律」等による法的規制を受けております。また、当社は、コンテンツ制作等を第三者に外注している場合があり、それらの取引の一部は「下請代金支払遅延等防止法」の適用対象となります。さらに今後の事業の拡大の中で、当該事業に必要な各種許認可を得る必要が生じ、当該許認可にかかる規制の下におかれる可能性があります。当社では、これらの法令を遵守するために、コンプライアンス体制の整備等を含む管理体制充実に取り組んでおります。しかしながら、将来において、当社が提供するサービスやコンテンツが法的規制に抵触する可能性を完全に否定することはできず、また、今後インターネットの利用者や関連するサービス及び事業者を規制対象とする新たな法令等の制定や法解釈の変更がなされることにより、当社が提供するサービスの事業展開に制約が生じる可能性があります。また、当局から処分を受け、または、取引先から契約の解除や損害賠償の請求を受けること等により、当社や当社のサービスに対する信頼性の低下、法規制等への対応に要する費用や負担の増加等により、当社の業績及び企業イメージに影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ 事業基盤の拡充及び新規事業について

当社は、今後、事業規模の拡大と収益の多様化を実現するため、事業基盤の拡充や新規事業に取り組んでいく方針であります。当社は、事業基盤の拡充及び新規事業展開に際しては、資本又は業務上の提携やM&Aも有効な手段であるものと認識しております。また、同様の目的で、事業会社への出資などの投資活動も行っています。

当社は、事業基盤の拡充や新規事業については、既存サービスとのシナジーやリスク等について企画及び開発段階において十分な検討を行うことによりリスク低減を図る方針ですが、かかる施策が功を奏する保証はありません。また、提携、M&A、出資等の方法により、事業基盤の拡充及び新規事業展開を実施する場合には、当社の想定どおりに提携先等との関係構築・強化が進捗しない、統合又は提携により当初想定した事業のシナジー効果等が得られない、デュー・ディリジェンスの限界等から法的若しくは事業上の新たなリスク要因が発生する、または期待した投資のリターンが得られない等の可能性があり、これらに起因して当社の事業又は業績に影響を及ぼす可能性があります。また、かかる施策が当社の想定どおり進捗せず、または期待した収益を得られなかった場合には、保有する有価証券やのれんの減損損失等が発生し又はこれらの取り組みに付随した追加投資が必要となる可能性があります。

(2)事業運営・組織体制に関するリスク

① 特定人物への依存について

 当社共同創業者である林隆弘、高橋知裕の両名は当社の事業推進に極めて重要な役割を果たしております。当社としましては、両名に過度に依存しない事業体制の構築を目指し、人材の育成および強化に注力しておりますが、何らかの理由により両名が業務執行できない事態となった場合、当社の事業および業績に影響を与える可能性があります。

 

② 知的財産権の管理について

 当社は、運営するコンテンツおよびサービスに関する知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権を侵害しないよう、十分な注意を払っております。しかしながら、今後当社が属する事業分野において第三者の権利侵害が成立した場合は、第三者より損害賠償および使用差止め等の訴えを起こされる可能性および権利に関する使用料等の対価の支払が発生する可能性があり、また当社の知的財産が侵害された場合においても、当社の事業および業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

また、当社の開発するAIに関するプログラムコマンドであるソースコードについては、当社のビジネスに不可欠なものであるものの、特許の取得等の方法による権利保護が困難であるため、当社のAIに関するライセンスを第三者に付与する場合等には、ソースコードの流出を防止するために必要な措置を講じております。しかしながら、第三者の故意又は過失その他の事由により、ソースコードが流出、模倣等された場合には、当社の開発するAIの優位性が損なわれ、結果として、当社の事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、ソースコードの漏洩や模倣等に対する損害賠償等により当社の事業および業績に影響が生じる可能性があります。

 当該リスクへの対策としては、当社の顧問弁護士や外部専門家と連携することで、知的財産権の管理に対するリスク低減に努めてまいります。

 

③ 人材の採用と育成について

 当社が、今後更なる業容拡大に対応するためには、継続して優秀な人材の確保・育成が重要な課題となります。現在も採用による人材の獲得に加え、入社後の社内における研修、各種勉強会の開催、福利厚生の充実等、社員の育成および人材の流出に対応した各種施策を推進しております。しかし、当社が注力するAI領域におけるエンジニアの数は国内において限定的であり、高度な技術を持つエンジニアその他の人材の確保は非常に競争が激しくなっております。新規の採用や社内における人材の確保・育成が計画通りに進まず、適正な人員配置が困難になった場合には、外部への業務委託も困難であるため、競争力のあるサービスの開発と提供を行うことが困難となり、当社の事業および業績に影響を与える可能性があります。また、将来において、人材の獲得、確保、育成にかかる費用が当社の想定を超えて増加した場合には、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社が注力するAI領域においては、ユーザーに提供するサービスの付加価値や優位性が、その基礎となるAIの能力に依存するため、当社の提供するサービスの基幹となるAIの開発に携わる高度かつ専門的な技術を有する特定のエンジニアへの依存度が高くなる傾向にあります。そのため、このようなエンジニアが何らかの理由により開発に関与することができない事態になった場合には、当社の提供するAIサービスの付加価値や優位性を保つことができず、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 また、当社では、人材の確保・育成のためには、労働基準法をはじめとする労働関係法令の遵守とそのための適切な労務管理や労働環境の整備が重要であると考えており、各種人事労務規程の整備等を行っておりますが、当社が、適用のある労働関連法令を適切に遵守できなかった場合や、適切な労務管理や魅力のある労働環境の整備を実現できなかった場合には、当局からの処分又は指導や労働者からの訴訟の提起等により、これらに対応するための費用が増加し、または必要な人材の確保に支障が生じるなど、当社の事業および業績に影響を与える可能性があります。

 

④ 小規模組織であることについて

 当社は小規模な組織であり、内部管理や業務執行についてもそれに応じた体制となっております。当社では、今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、人員の増強及び内部管理体制や業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合やこれらの施策の遂行に要する費用等の負担が増大した場合には、当社の業績および事業展開に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 内部管理体制について

 当社は、企業価値の持続的な増大を図るために、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、人材、資本、サービス、情報資産の適正かつ効率的な活用をすることが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性および財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しております。

 そのためにも、当社では内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、今後の事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業および業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 当社は取締役および従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブ等を目的として、新株予約権を付与しているほか、今後も優秀な人材確保のため新株予約権を発行する可能性があります。現在付与されている、または今後付与する新株予約権の行使が行われた場合、発行済株式数が増加し、1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。また、新株予約権の行使により発行された株式が、一度に大量に市場に流入することになった場合等には、適切な株価形成に影響を及ぼす可能性があります。当事業年度末における新株予約権による潜在株式数は270,600株であり、発行済株式総数15,025,582株の1.80%に相当しております。

 

⑦ AI(BtoB)サービスに関する収益認識について

 当社が営む事業のうち、特にAI(BtoB)サービスについては、取引毎に履行義務の内容が異なっており、当社では内部統制の整備及び運用を通じて、その契約形態や取引実態等に応じて履行義務を識別し収益認識を行っております。しかしながら、各取引の実態を反映した収益認識を行うにあたり、各契約における収益額が、収益認識基準に基づき履行義務の充足とともに適切に計上されているかの判断は複雑な会計上の判断を必要とすることから、何らかの理由により、この判断を適切に実施出来なかった場合には、当社の経営成績並びに財政状態を正しく把握出来ない可能性があります。

 

⑧ 減損の可能性について

 当社では関連会社株式として、バリオセキュア株式会社株式1,995,548千円を保有しております。同社株式は市場価格のある有価証券に該当するものであるため、株式市場の変動等により市場価格が著しく下落し、かつ回復可能性が認められない場合には評価損を計上することとしております。当社は同社向けに定期的なヒヤリング・モニタリング等を継続実施しておりますが、今後の経営環境の変化等により同社株式の市場価格の著しい下落や業績状況の著しい悪化等が発生し、減損処理が必要となった場合には、当社の経営成績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 資金使途について

 上場時に実施した公募増資による調達資金につきましては、主にサーバ等への設備投資、外部サーバ費用等の通信費、研究開発費、事業拡大に必要な人件費や人材採用費、広告宣伝費等に充当しました。また、2019年12月24日に実施した公募増資による調達資金については、新規人材の採用関連費用、機械学習用サーバ等への設備投資、同サーバ費用等の通信費、オフィス増床の為の敷金及び費用、当社事業に応用可能な周辺技術を有する企業等への投融資、運転資金等に既にその一部を充当しており、残額については、2022年6月10日に開示しております「資金使途の変更に関するお知らせ」にて記載の通り、当社事業に応用可能な周辺技術を有する企業等への投融資資金に充当する想定であります。しかしながら、当初の計画に沿って調達した資金を使用しても想定した投資効果が得られない場合、当社の経営成績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 配当政策について

 当社は、利益配分につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としております。

 しかしながら、当社は、本書提出日現在では配当を行っておらず、また今後の配当実施の可能性および実施時期については未定であります。内部留保の使途については、利益を見込めるプロジェクトへの再投資や事業拡大への投資について討議しており、将来的にはこれらとのバランスを見ながら配当についても検討してまいります。

 

⑪ 訴訟等について

 現時点において、当社の事業、業績または財政状態に重要な影響を及ぼす当社に対する係属中の訴訟はありません。しかしながら、将来において当社の取締役、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性は否定できません。かかる訴訟が発生した場合には、その内容や賠償金額によって、当社の業績および事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対策としては、当社の顧問弁護士や外部専門家と連携することで、訴訟等のリスク低減に努めてまいります。

 

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