文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
当社グループは、社会の一員として、社会との調和を図りながら持続的に発展し、さらにステークホルダーの期待に積極的に応えていくことの重要性を強く認識しており、「新しい潮流の変化に鋭敏であり続けるアグレッシブな先進企業を目指す」「世界とともに生きる」を経営理念として、独自性のある優れた技術で、時代の先端をいく製品と顧客ニーズに合った製品を提供し、企業の社会的責任を果たしていくことを経営の基本方針としています。
SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、幅広い事業を世界中で展開し、革新的な技術で世界をリードすることで、持続可能な社会と人々の豊かなくらしに貢献する企業となることを目指しています。
『ADEKA VISION 2030』の実現に向けたファーストステージとして、2021年度から新中期経営計画『ADX 2023』をスタートしました。
「ADX」は「ADEKAは変わります(ADEKA Transformation)」という決意を表しており、2030年を目標年とするSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、カーボンニュートラルをはじめとする新しい社会環境に対応するとともに、利益を重視し、足腰の強い企業体質へと自ら変革することで、社会価値と経済価値の追求による企業価値向上を図っていきます。
中期経営計画の最終年度である2023年度に、「営業利益350億円(連結売上高3,800億円)、ROE9%」を目指しています。
「新しい社会環境に対応する経営基盤へ変革し、利益を重視した持続的な成長を目指す」
持続可能な社会の実現に向けて製品・サービスの提供を通じ、社会的課題の解決に取り組み、売上・利益を最大化していきます。中長期的視野で持続的に成長できる収益構造を構築し、社会価値と経済価値を追求することで、企業価値の向上を図ります。
カーボンニュートラルをはじめとする新しい社会環境に対応するために、ADEKAは変わります。社会価値と経済価値を最大化させるべく、以下の3つの基本戦略を進めます。加えて、基本戦略遂行を支える基盤として、人財戦略、DX戦略を進めます。
SDGsの達成に貢献していくため、樹脂添加剤・化学品・食品・ライフサイエンスの各事業における戦略製品に、気候変動対応、環境負荷低減や資源の有効活用等に貢献する「環境貢献製品」や、社会の期待に応える価値創出を目指した「ADEKA Innovative Value製品」(AIV製品)を組み入れ、社会価値と経済価値の双方を追求します。また、事業活動全体で生産性向上を進め、トータルコストの最適化を図ります。
成長ドライバーとして「ライフサイエンス」「環境」「エネルギー」「次世代ICT」分野をターゲットとし、事業化を推進します。加えてM&Aによるポートフォリオの拡充と最適化を図ります。
グループの求心力を高めるべく、グループガバナンスを一層強化するとともに、健全な財務基盤の構築により足腰の強い企業を目指します。また、同時に新しい働き方の追求にも取り組んでまいります。
3.サステナビリティを意識した企業経営
当社グループは、中長期的な視点に立ち、「サステナビリティ」における課題に取り組むことで、グループの持続的かつ安定的な成長による企業価値の向上を実現し、持続可能な社会と人々の豊かなくらしに貢献していきます。
2021年度は、社会価値と経済価値の追求による一層の企業価値向上に向けてサステナビリティに関する下掲の取り組みを実行しました。
さらに、2022年4月には、経営企画部に「サスティナビリティ推進室」と「カーボンニュートラル戦略企画室」を新設し、機動的に推進する組織体制を整備しました。
〔最近の主な活動〕
・「国連グローバル・コンパクト」署名(2021年4月)
・「ADEKAグループ健康経営宣言」表明(2021年4月)
・タスクチームを社内に設置し、女性活躍推進を加速(2021年4月)
・「ADEKAグループ人権方針」制定(2022年2月)
・TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同表明(2022年2月)
・「ADEKAグループ・カーボンニュートラル・ロードマップ」の公表(2022年3月)
・GHG排出量削減目標値の上方修正(2030年「2013年比 46%」へ)(2022年3月)
・「健康経営優良法人2022(大規模法人部門)」に認定(2022年3月)
4.グループ戦略課題
各国における経済政策の効果に加え、ワクチン接種の進展に伴う行動制限や海外渡航制限の段階的な緩和により、緩やかな景気回復が継続すると予想されます。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響に加え、ウクライナ情勢の悪化に伴うさらなる原燃料価格の高騰、物流停滞、インフレの加速など世界経済の不確実性が増大しており、経営環境は予断を許さない状況が続くと予想されます。
当社グループの主要対象分野である自動車関連分野は、半導体不足や材料調達難といった懸念材料が残るものの、新車需要は引き続き高い水準にあり自動車生産の緩やかな回復を見込んでいます。ICT・家電分野は、5G通信の普及拡大に伴う端末の高機能化や通信ネットワーク、データセンターの高度化を背景に、半導体や電子部品関連の成長トレンドが続くと見込んでいます。食品分野は、外出自粛ムード解消の遅れや原材料・包装材等のコスト上昇が重石となり、土産物・外食産業の本格的な回復は下期以降になると見込んでいます。ライフサイエンス分野は、世界的な人口増加や新興国の経済発展などを背景とした食料需要の拡大から、グローバルでの農薬需要の拡大が見込まれます。
このような状況のなか、当社グループは中期経営計画『ADX 2023』の2年目として、社会価値と経済価値を基盤とした企業価値向上と持続可能な社会に一層の貢献を果たすべく各施策の実行に取り組んでいきます。
『ADX 2023』の1年目で目標とする財務指標(最終年度である2024年3月期に営業利益350億円、ROE9%)の水準に到達しましたが、さらなる業績向上に向けて、市場での拡大が見込める競争優位な製品群の拡販を推し進めます。
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