業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度末における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は9,409,762千円となりました。主な内訳は、現金及び預金6,798,191千円、受取手形及び売掛金1,607,300千円、前渡金828,486千円であります。また、固定資産は2,263,318千円となりました。主な内訳は、投資有価証券1,921,333千円、無形固定資産115,283千円であります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債は2,584,261千円となりました。主な内訳は、買掛金1,274,414千円、前受金605,406千円、繰延税金負債180,084千円、未払法人税等161,350千円であります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は9,088,819千円となりました。主な内訳は、資本金3,218,069千円、資本剰余金3,208,795千円、利益剰余金2,065,262千円、その他有価証券評価差額金544,952千円であります。

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度(自 2021年3月1日 至 2022年2月28日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待されますが、供給面での制約や原材料価格の動向による下振れリスクの高まりが懸念されるなど、依然として先行き不透明な状態が続くと想定されます。
 当社グループを取り巻く国内ITサービス市場においては、IoT(注1)、AI(注2)などのデジタルトランスフォーメーション(DX)に関連するシステム投資が一層その存在感を強めていましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、時間と場所を有効に活用できる柔軟な労働環境の急速な整備が求められており、ウィズ/アフターコロナ時代の新しい働き方としてテレワーク環境の導入など新たなクラウド需要が発生し急速に普及が進んでおります。
 世界的には、パブリッククラウド市場をけん引するAmazon Web Services(以下「AWS(注3)」)は、依然高い成長率を維持しながら順調に市場を拡大しています。

なお、当社グループでは、テレワークをはじめとした柔軟な働き方に対応した労働環境や制度の整備を積極的に推進し、新型コロナウイルス感染症の社内外への感染防止と従業員の安全確保を最優先とすべくテレワーク体制を一層強化するとともに、テレワークに伴う毎月2万円の在宅勤務手当を従業員に支給するなどの取り組みを継続して行っております。営業活動においても、ビデオ会議システムを活用した社内外とのコミュニケーション、SNSを活用したオンラインセミナー・イベントの実施、動画配信等によるオンラインマーケティングを積極的に推進し、ウィズ/アフターコロナ時代における新たな働き方へ順応しています。
 このような状況の中、当社グループは、クラウド専業インテグレーターとして、AWSを中心としたクラウド基盤に関するコンサルティング、基盤構築・運用、クラウドサービスの機能強化、並びにシェア獲得によるビジネスの拡大に尽力してまいりました。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は10,920,831千円営業利益は638,712千円経常利益は653,514千円親会社株主に帰属する当期純利益は442,353千円となりました。

なお、当社グループの事業はクラウド事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりませんが、製品・サービス別の業績の概要は以下のとおりであります。

 

 

(クラウドインテグレーション)

クラウドインテグレーションは、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復、更なるクラウド需要の加速に伴い、順調に顧客獲得と受注が増え、プロジェクト数(前期比5.5%増)、取引社数(同6.4%増)及び、プロジェクト単価(同23.2%増)が増加しました。以上の結果、売上高は552,634千円となりました。

 

(リセール)

リセールは、既存顧客からの継続的な受注及び大口顧客のAWS利用料の増加によりARPU(注4)が堅調に推移するとともに、新規顧客の獲得もあってアカウント数も増加、また、セキュリティを中心とするサービス・ソフトウェアのライセンス販売、自社サービスの販売も堅調に推移しました。以上の結果、売上高は9,231,220千円となりました。

 

(MSP(注5))

MSPは、既存顧客からの継続的な受注により堅調に増加しました。また、SRE(注6)の浸透により、大型顧客や案件に対しては専任チームを編成して対応にあたるなど、標準対応以上のサービス提供をMSPの役割として担うことが増えております。以上の結果、売上高は1,127,148千円となりました。

 

(その他)

その他は、特定顧客向けサービスの縮小により、売上高は9,828千円となりました。

 

〔用語解説〕

(注1) IoT:「Internet of Things」の略称であります。コンピュータなどの情報通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、相互に通信を行うことにより認識や制御を自動的に行うことを意味します。

(注2) AI:「Artificial Intelligence」の略称であります。日本では「人工知能」として知られております。従来から概念として広く知られた言葉ですが、膨大なデータの分析・解析・学習処理をクラウドベースで実現することにより現実味を帯びはじめています。

(注3) AWS:「Amazon Web Services」の略称であります。Amazon.comの関連会社であるAmazon Web Services, Inc.が提供する、Webサービスを通じてアクセスできるよう整備されたクラウドコンピューティングサービス群の総称であります。

(注4) ARPU:「 Average Revenue Per User 」の略称であります。1社あたりの平均売上金額を表す数値であります。

(注5) MSP:「Managed Service Provider」の略称であります。顧客がAWS上に展開した仮想サーバーやネットワークの監視・運用・保守等を請け負うサービスであります。

(注6) SRE:「Site Reliability Engineering」の略称であります。Webサイトやシステムの信頼性向上に向けた取り組み(自動化、障害対応、パフォーマンス管理、可用性(システムが停止することなく稼働し続ける能力)担保など)を行い、価値の向上を進める方法論及び役割であります。

 

 

(売上高)

当連結会計年度における売上高は10,920,831千円となりました。これは主に、リセール9,231,220千円によるものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度における売上原価は9,174,498千円となりました。これは主に、リセール売上にかかる仕入高によるものであります。

以上の結果、売上総利益は1,746,333千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は1,107,620千円となりました。これは主に、給料及び手当404,663千円によるものであります。

以上の結果、営業利益は638,712千円となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は56,265千円となりました。これは主に、受取手数料39,704千円、受取配当金7,772千円、持分法による投資利益6,075千円によるものであります。

また、営業外費用は41,463千円となりました。これは主に、投資事業組合運用損21,447千円、為替差損14,953千円によるものであります。

以上の結果、経常利益は653,514千円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における法人税等合計は221,572千円となり、非支配株主に帰属する当期純損失は20,539千円となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は442,353千円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は6,798,191千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は337,948千円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益643,386千円、仕入債務の増加額428,044千円、前受金の増加額293,457千円等があった一方で、前渡金の増加額556,164千円、売上債権の増加額410,374千円、法人税等の支払額221,463千円等があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は1,067,305千円となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出1,009,977千円、無形固定資産の取得による支出56,148千円等があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は101,046千円となりました。これは主に非支配株主からの払込による収入75,000千円、株式の発行による収入26,174千円等があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

当社グループは受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。

 

c.販売実績

当社グループは「クラウド事業」の単一セグメントとしておりますが、当連結会計年度の販売実績を製品・サービス区分ごとに示すと次のとおりであります。

 

製品・サービス区分の名称

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

  至 2022年2月28日)

クラウドインテグレーション(千円)

552,634

リセール(千円)

9,231,220

MSP(千円)

1,127,148

その他(千円)

9,828

合計(千円)

10,920,831

 

(注) 1.製品・サービス区分間の取引については相殺消去しております。

2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」及び「② 経営成績の状況」に記載しております。また、当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、リセールにおける仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資、継続的なソフトウエアの開発及び投資有価証券の取得等によるものであります。なお、当社グループの資金の源泉は主に新株の発行及び営業活動によるキャッシュ・フローによるものであります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りに関しては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。

 

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。

a.受注損失引当金

 受注損失引当金は、受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における受注契約のうち、将来の損失発生が見込まれ、かつ、当該損失を合理的に見積ることが可能なものについては、翌連結会計年度以降の損失見込額を計上しております。当該損失見込額は将来の工数等の見積りに依存するため、見積りの前提となる条件や仮定に変更が生じた場合には引当金の追加計上が必要となる可能性があります。

 

b.投資有価証券

 投資有価証券のうち時価のあるものについては、期末時点で市場価格が取得価額に対して著しく下落している場合、時価のないものについては、投資先の純資産価額の当社持分が当社の帳簿価額に対して著しく下落している場合につき、将来の回復の可能性を検討し、評価損を計上することとしております。将来、時価又は実質価額が下落し、回復可能性がないと判断した場合には、減損処理する可能性があります。

 上記のうち非上場株式については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得