課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

  当社グループでは、創立以来、健康な生活を願う人々の期待に応えるため、経済性に優れ品質の高い医療用医薬品の製造販売を続けております。そして、絶え間ない創造と挑戦によりジェネリック医薬品に対する社会的要請に応え、世界の患者様と、それを支えるご家族のためにグローバル総合ジェネリックメーカーに進化し、社会に貢献することを目指し、「我々は、我々のジェネリック医薬品が世界の患者様とそのご家族・薬剤師様・お医者様・卸売業者の方々・製薬企業の方々に必要とされ、提供し続けるために自ら存続する努力を行い、ジェネリックメーカーとして世界で卓越する。」を当社グループのミッションステートメントとして掲げております。

 

(2) 経営環境・経営戦略等と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

  当社は、2021年3月に業務停止処分を受けた富山第一工場において、製造する全製品について、厳しい品質評価等を行いながら、順次、生産・出荷を再開してはおりますが、同工場ではいまだ一部の製造予定品目については出荷再開には至っておりません。また、小林化工株式会社における生産・出荷停止の影響により、当社の連結子会社であるエルメッド株式会社が同社に製造委託していた製品の販売を中止しております。これら品質問題に起因した売上の減少に加えて、毎年の薬価引き下げにより、収益構造の悪化が発生しております。さらに、北米事業において投資を継続してきた、バイオシミラー(バイオ医薬品の後続品)、オーファンドラッグ製剤(希少疾病治療薬)の開発計画全体を見直すことに起因して、のれん・無形資産を中心に減損損失を2022年3月期において計上しております。

  このような厳しい経営状況及び財務体質を踏まえ、当社は、今後の再成長に向けた強固な収益体質の確立と財務体質の抜本的な改善を図るため、産業競争力強化法に基づく特定認証紛争解決手続(以下「本事業再生ADR手続」といいます。)のもとで事業再生に取り組んでおります。当社は、2022年5月13日付で、事業再生実務家協会(同協会は、法務大臣より認証紛争解決事業者としての認証、及び経済産業大臣より特定認証紛争解決事業者としての認定を受けている団体です。)と連名にて、全てのお取引金融機関様に対して2022年5月13日付で一時停止通知を送付いたしました。そして、2022年5月26日に、本事業再生ADR手続の対象債権者となる全てのお取引金融機関様の出席のもと、同手続に基づく事業再生計画案の概要の説明のための債権者会議(第1回債権者会議)を開催いたしました。第1回債権者会議では、全てのお取引金融機関様から一時停止通知について同意を得るとともに、一時停止の期間を事業再生計画案の決議のための債権者会議の終了時までとさせていただくことにつき、ご承認をいただきました。また、当社は、今後の資金繰りを確保するため、メインバンクである株式会社三井住友銀行から十分な融資枠を迅速に確保いただいておりますが、当該融資を実行いただくことについて、全てのお取引金融機関様からご承認をいただきました。今後は、本事業再生ADR手続の中で、全てのお取引金融機関様と協議を進めながら、公平中立な立場から事業再生実務家協会より調査・指導・助言をいただき、事業再生計画案を策定いたします。同計画案については、事業再生計画案の決議のための債権者会議にて、全てのお取引金融機関様の同意による成立を目指してまいります。事業再生計画の詳細については、同計画案が成立次第お知らせいたします。

 

 (新型コロナウイルス感染症の影響について)

  新型コロナウイルス感染症に関して、当社グループでは在宅勤務、時差出勤、各部署の執務場所分散等を実施、加えて、富山本社、富山第一工場、岐阜工場において職域接種を実施する等、引き続き感染拡大防止に努めております。

  業績への影響に関しては、患者様の受診抑制、手術延期、営業活動制限による売上への影響や、一部製品についての資材供給不足等の影響がありましたが、新型コロナウイルス関連製品の売上が伸長するなどのプラス面もあり、大きな影響は出ておりません。

 

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