(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当社グループは、経常的な収益力を示す指標として事業利益を採用しております。
事業利益とは、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費並びに研究開発費を控除した額に持分法による投資損益を加減算した額であります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (2020年12月期) |
当連結会計年度 (2021年12月期) |
増減額 |
増減率 |
売上収益 |
1,422,826 |
1,498,276 |
75,450 |
5.3% |
研究開発費投資前事業利益 |
433,729 |
389,427 |
△44,302 |
△10.2% |
事業利益 |
216,887 |
157,127 |
△59,760 |
△27.6% |
営業利益 |
198,582 |
154,497 |
△44,084 |
△22.2% |
税引前当期利益 |
189,988 |
163,638 |
△26,349 |
△13.9% |
当期利益 |
151,733 |
129,209 |
△22,524 |
△14.8% |
親会社の所有者に帰属する |
148,137 |
125,463 |
△22,673 |
△15.3% |
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|
|
|
研究開発費 |
216,841 |
232,299 |
15,457 |
7.1% |
減損損失 |
26,110 |
6,479 |
△19,631 |
△75.2% |
これまで当社グループは、「トータルヘルスケア企業」として、健康の維持・増進、病気の診断から治療までを担う企業活動を進めてまいりました。今後のニューノーマルという時代の中で、医療関連事業においてもニュートラシューティカルズ関連事業においても、健康意識の高まりを成長機会と捉え、今こそ「トータルヘルスケア企業」の真価を発揮し、引き続き持続的成長の実現に向け、進んでまいります。
当連結会計年度は、「スプリセル」、「イーケプラ」の契約満了による大幅な減収要因に対して、「エビリファイ メンテナ」、「レキサルティ」、「ジンアーク」、「ロンサーフ」のグローバル4製品及びニュートラシューティカルズ関連事業等での増収が減収分を大幅に超えて貢献し、連結売上収益は1,498,276百万円(前期比5.3%増)と増収となりました。医療関連事業においては、上記契約満了や米国における「サムスカ」の後発医薬品発売の影響を受けましたが、「エビリファイ メンテナ」、「レキサルティ」、「ジンアーク」の他、臨床栄養、診断薬、そして、特に新型コロナウイルス感染拡大下での経口抗がん剤の使用推奨により処方数が伸長した「ロンサーフ」、前年度、北米で発売した経口抗がん剤「INQOVI」等の売上収益の増加が業績を牽引しました。ニュートラシューティカルズ関連事業においては、前年度、外出機会減少等による消費等への影響を受けたアジアの「ポカリスエット」の売上収益が回復、健康の自己管理意識の向上とともに北米の「ネイチャーメイド」や日本の「エクエル」等が引き続き伸長、また、ニュートリション エ サンテ社ブランドはニューノーマルに対応した流通体制構築が奏功し売上収益は増加しました。
一方で、製品構成の変化や乾癬治療薬「トレムフィア」のコ・プロモーション契約に係る売上原価増加やその他の一過性要因等*による売上原価増加により、売上総利益が前期比2.1%増にとどまりました。また、「エビリファイ メンテナ」、「レキサルティ」の増収に伴う共同販売費の増加、現在、順調に売上を伸ばしているファーマバイト社の新ブランドへの2022年に向けた先行投資や、片頭痛予防薬「アジョビ」の発売やフチバチニブ等の新製品の発売準備への積極的な先行投資をした結果、研究開発費投資前事業利益は389,427百万円(同10.2%減)となりました。
また、バダデュスタット等に係る開発費が減少しましたが、新規作用機序を有する抗精神病薬に係る大日本住友製薬㈱とサノビオン社との共同開発及び販売に関するライセンス契約締結に基づく開発費や、「ロンサーフ」の価値最大化のためのライフサイクルマネジメントに係る開発費等が増加したことから研究開発費は232,299百万円(同7.1%増)となり、事業利益は157,127百万円(同27.6%減)、さらにセンタナファジンに係る条件付対価の公正価値変動に伴う費用および減損損失等を計上した結果、営業利益は154,497百万円(同22.2%減)となりました。
なお、為替の影響等により、当期利益は129,209百万円(同14.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は125,463百万円(同15.3%減)となりました。
* 医療関連事業における棚卸資産の未実現利益消去に係る為替影響、インフルエンザ診断薬の在庫評価損等
(単位:百万円)
|
医療関連 |
ニュートラシューティカルズ |
消費者 |
その他 |
調整額 |
連結 |
売上収益 |
977,508 |
376,650 |
31,918 |
149,987 |
△37,788 |
1,498,276 |
事業利益 |
139,942 |
46,551 |
5,324 |
10,774 |
△45,465 |
157,127 |
(参考-前連結会計年度)
(単位:百万円)
|
医療関連 |
ニュートラシューティカルズ |
消費者 |
その他 |
調整額 |
連結 |
売上収益 |
955,159 |
334,088 |
31,356 |
140,115 |
△37,893 |
1,422,826 |
事業利益 |
197,185 |
41,988 |
10,641 |
10,453 |
△43,381 |
216,887 |
(医療関連事業)
当連結会計年度における売上収益は977,508百万円(前期比2.3%増)、事業利益は139,942百万円(同29.0%減)となりました。
<主要製品の状況>
●グローバル4製品
当社がグローバル4製品と位置付ける持続性抗精神病薬「エビリファイ メンテナ」、抗精神病薬「レキサルティ」、V2-受容体拮抗剤「サムスカ/ジンアーク」、抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」の売上収益の合計は、前期比14.0%増の489,837百万円となりました。
・持続性抗精神病薬「エビリファイ メンテナ」
米国では、服薬アドヒアランスに課題がある双極性障害や統合失調症患者に対する製品の有用性の訴求や、DTCの活用、対面による情報提供活動の増加等により処方数が伸長し、増収となりました。日本では、2020年9月に双極Ⅰ型障害における気分エピソードの再発・再燃抑制の効能が追加となり、売上収益は堅調に推移しています。欧州でも、主要市場を中心に増収となりました。これらの結果、売上収益は前期比12.3%増の130,275百万円となりました。
・抗精神病薬「レキサルティ」
大うつ病補助療法及び統合失調症治療薬として販売する米国では、デジタル技術を活用したプロモーションに加え、DTCの活用や対面による情報提供活動の増加等により処方数が伸長し、増収となりました。日本では、2021年11月にOD錠が発売され、利便性の向上とともに情報提供活動を強化し、処方数が伸長しています。これらの結果、売上収益は前期比15.7%増の121,096百万円となりました。
・V2-受容体拮抗剤「サムスカ」
心不全・肝硬変における体液貯留や常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)等の治療薬として販売する日本では、ウェブ講演会等のオンラインを活用した情報提供活動により、増収となりました。低ナトリウム血症治療薬として販売する米国と抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の治療薬として販売する欧州では、独占期間満了に伴い後発医薬品が発売されています。これらの結果、売上収益は前期比4.1%増の92,000百万円となりました。
・V2-受容体拮抗剤「ジンアーク」
米国では、ADPKD治療薬として継続的な疾患啓発や臨床データの情報提供活動等により、処方数が伸長しています。これらの結果、売上収益は前期比25.5%増の100,401百万円となりました。
・抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」
米国では、新型コロナウイルス感染拡大を受けて在宅治療や経口抗がん剤の使用が推奨されており*1,2、増収となりました。日本と欧州においても処方は堅調に推移しています。これらの結果、売上収益は前期比13.1%増の46,064百万円となりました。
*1 Pelin Cinar et al., Safety at the Time of the COVID-19 Pandemic: How to Keep our Oncology Patients and Healthcare Workers Safe. J Natl Compr Canc Netw, 2020 Apr 15;1-6.
*2 ASCO. COVID-19 Patient Care Information, Cancer Treatment and Supportive Care.
https://www.asco.org/covid-resources/patient-care-info/cancer-treatment-supportive-care Updated 17 September 2021, Accessed 20 January 2022
(ニュートラシューティカルズ関連事業)
当連結会計年度における売上収益は376,650百万円(前期比12.7%増)、事業利益は46,551百万円(同10.9%増)となりました。
<主要製品の状況>
当社が主要3ブランドと位置付ける「ポカリスエット」、「ネイチャーメイド」、ニュートリション エ サンテ社ブランドの売上収益の合計は、前期比15.9%増の231,311百万円となりました。育成3ブランドと位置付けるデイヤフーズ社ブランド、「エクエル」、「ボディメンテ」の売上収益の合計は、前期比0.9%増の27,071百万円となりました。
●主要3ブランド
水分・電解質補給飲料「ポカリスエット」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で消費者の活動量が制限される中、特に海外において、各地の状況に応じた水分・電解質補給の啓発と市場開発により、ブランド全体で増収となりました。日本においても、日常における熱中症対策等の啓発活動により、家庭内での水分・電解質補給の重要性が浸透し、売上収益は堅調に推移しています。
ファーマバイト社のサプリメント「ネイチャーメイド」は、消費者の新型コロナウイルス感染拡大下での体調管理に対する意識が向上し、ブランドや品質に対する信頼性がより高まり、メイン市場である北米において、ビタミンDやビタミンC等を中心に需要が増加し、増収となりました。また、2021年7月には米国薬剤師が推奨するNo.1*3サプリメントに24年連続で選出されました。
欧州を中心に健康食品を展開するニュートリション エ サンテ社ブランドは、継続的な製品構成の最適化の効果とともに、新しい生活様式に適応したEコマースの拡大等により増収となりました。
*3 2021 U.S. News & World Report - Pharmacy Times Survey
対象商品:レタービタミン(A, B, C, D, E) 、睡眠、糖尿病用マルチビタミン、コエンザイムQ10、フラックスシードオイル、ハーブ、オメガ3/フィッシュオイル、コレステロールマネジメント、ムードヘルス
●育成3ブランド
プラントベース(植物由来)食品であるデイヤフーズ社ブランドは、北米において、新製品投入や新たにEコマースでの展開を開始するなど積極的な動きもあり、乳代替品の市場におけるシェアを高い水準で維持しています。一方で、市場が急速に拡大する中、新規参入メーカーが増えています。前年度の新型コロナウイルス感染拡大に伴う家庭内需要の急激な拡大の反動もあり、当連結会計年度は減収となりましたが、引き続き、独自技術を活かした製品ラインナップの拡充及び流通拡大に取り組んでいます。
女性の健康と美をサポートするエクオール含有食品「エクエル」は、幅広い情報提供活動により製品の認知が進み、引き続き売上収益は順調に増加しています。
植物由来の乳酸菌B240*4を含有する「ボディメンテ」は、前年度の新型コロナウイルス感染拡大に伴う需要拡大の反動等により、当連結会計年度は減収となりましたが、消費者の体調管理に対する意識が高まる中、製品認知と理解は着実に広がっています。
*4 Lactiplantibacillus pentosus ONRICb0240:東京農業大学が単離、大塚製薬㈱が有効性を確認した乳酸菌
(消費者関連事業)
当連結会計年度における売上収益は31,918百万円(前期比1.8%増)、また、持分法投資利益の減少等により、事業利益は5,324百万円(同50.0%減)となりました。
ウォーター類は、主力製品「クリスタルガイザー」の700mlペットボトルを中心に堅調に推移し、ブランド全体の販売数量は前期並みとなりました。2021年4月より50%リサイクルペットボトルを導入し、環境に配慮した活動を積極的に推進しています。ビタミン炭酸飲料「マッチ」は、外出機会の減少や天候不順等の影響もあり、ブランド全体の販売数量は減少しました。
(その他の事業)
当連結会計年度における売上収益は149,987百万円(前期比7.0%増)、事業利益は10,774百万円(同3.1%増)となりました。
機能化学品分野は、自動車産業向けの販売が増加した結果、増収となりました。ファインケミカル分野は、抗生剤中間体の販売増加等により、増収となりました。
運輸・倉庫分野は、『共通プラットフォーム戦略』による新規の外部顧客の獲得及び取扱数量の回復により、増収となりました。
※ その他、製品別の売上収益等につきましては、決算補足資料(ファクトブック)をご参照ください。
https://www.otsuka.com/jp/ir/library/materials.html
② 財政状態の状況
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (2020年12月31日) |
当連結会計年度 (2021年12月31日) |
増減額 |
流動資産 |
1,003,727 |
1,049,389 |
45,661 |
非流動資産 |
1,624,079 |
1,771,526 |
147,446 |
資産合計 |
2,627,807 |
2,820,915 |
193,107 |
流動負債 |
416,213 |
467,910 |
51,697 |
非流動負債 |
328,161 |
307,815 |
△20,346 |
負債合計 |
744,374 |
775,725 |
31,350 |
資本合計 |
1,883,432 |
2,045,189 |
161,757 |
a. 資産
当連結会計年度末における総資産は2,820,915百万円(前連結会計年度末は2,627,807百万円)となり、193,107百万円増加しました。その内訳は、流動資産が45,661百万円の増加、非流動資産が147,446百万円の増加であります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,049,389百万円(前連結会計年度末は1,003,727百万円)となり、45,661百万円増加しました。その主たる内訳は、その他の金融資産が24,846百万円減少したものの、現金及び現金同等物が53,833百万円、棚卸資産が6,522百万円、未収法人所得税が5,259百万円増加したこと等によるものであります。
(非流動資産)
当連結会計年度末における非流動資産は1,771,526百万円(前連結会計年度末は1,624,079百万円)となり、147,446百万円増加しました。その主たる内訳は、有形固定資産が24,958百万円、のれんが32,821百万円、無形資産が65,469百万円、持分法で会計処理されている投資が19,643百万円増加したこと等によるものであります。これらの増加は、主に医療関連事業における投資と為替相場の変動による影響によるものであります。当連結会計年度においては、大日本住友製薬㈱及びサノビオン社と共同開発及び販売に関するライセンス契約を締結し、契約一時金270百万米ドル(30,226百万円)を仕掛研究開発として無形資産に計上しております。
b. 負債
当連結会計年度末における負債合計は775,725百万円(前連結会計年度末は744,374百万円)となり、31,350百万円増加しました。その内訳は、流動負債が51,697百万円の増加、非流動負債が20,346百万円の減少であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は467,910百万円(前連結会計年度末は416,213百万円)となり、51,697百万円増加しました。その主たる内訳は、未払法人所得税が4,253百万円減少したものの、仕入債務及びその他の債務が5,152百万円、社債及び借入金が4,187百万円、引当金が9,542百万円、その他の流動負債が35,951百万円増加したこと等によるものであります。
(非流動負債)
当連結会計年度末における非流動負債は307,815百万円(前連結会計年度末は328,161百万円)となり、20,346百万円減少しました。その主たる内訳は、その他の金融負債が8,078百万円増加したものの、社債及び借入金が21,809百万円、契約負債が11,392百万円減少したこと等によるものであります。
c. 資本
当連結会計年度末における資本は2,045,189百万円(前連結会計年度末は1,883,432百万円)となり、161,757百万円増加しました。その主たる内訳は、親会社の所有者に帰属する当期利益125,463百万円の計上、配当金の支払54,236百万円等により利益剰余金が79,553百万円、円安の影響によりその他の資本の構成要素が78,427百万円増加したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は410,684百万円となり、前連結会計年度末より53,833百万円増加しました。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、228,864百万円となりました。一方で、将来の持続的成長に向けて、主に医療関連事業において投資等を行ったことにより、投資活動によるキャッシュ・フローは△95,288百万円となりました。財務活動につきましては、借入金及びリース負債を返済し、配当金の支払額が△55,984百万円となったことから、財務活動によるキャッシュ・フローは△95,844百万円となりました。
これらの結果、営業活動によるキャッシュ・イン・フローは、投資活動及び財務活動を合わせたキャッシュ・アウト・フローを上回り、また、円安の影響により現金及び現金同等物に係る換算差額が16,101百万円となったため、現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より増加し、410,684百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、228,864百万円(対前期比3,974百万円減)となりました。当連結会計年度の主な内容は、税引前当期利益163,638百万円、減価償却費及び償却費84,855百万円、売上債権及びその他の債権の増減額13,322百万円、仕入債務及びその他の債務の増減額△12,162百万円、その他営業活動によるキャッシュ・フロー29,398百万円、法人所得税等の支払額△52,144百万円となっております。当連結会計年度における対前期比3,974百万円のキャッシュ・フロー減少の主な要因は、税引前当期利益が26,349百万円減少したこと、減損損失及びその戻入益が対前期比19,631百万円減少したこと、売上債権及びその他の債権の増減額が対前期比3,357百万円減少したこと、仕入債務及びその他の債務の増減額が対前期比21,314百万円減少したこと等の影響によるキャッシュ・フローの減少が、法人所得税等の支払額が対前期比7,304百万円減少したこと、その他営業活動によるキャッシュ・フローが対前期比40,680百万円増加したこと及び棚卸資産の増減額が対前期比25,750百万円増加したこと等の影響によるキャッシュ・フローの増加を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、△95,288百万円(対前期比4,575百万円支出減)となりました。当連結会計年度の主な内容は、有形固定資産の取得による支出△52,453百万円、無形資産の取得による支出△60,699百万円、定期預金の増減額(△は増加)23,551百万円等であります。当連結会計年度における対前期比4,575百万円のキャッシュ・フロー増加(支出減)の主な要因は、医療関連事業において、大日本住友製薬㈱及びサノビオン社と共同開発及び販売に関するライセンス契約を締結し、契約一時金270百万米ドル(30,226百万円)を無形資産の取得として支払い、また、ニュートラシューティカルズ関連事業において、女性の泌尿器系健康分野をサポートするユコラ社を買収したこと等により子会社の取得による支出8,035百万円を支払ったため、支出額が増加したものの、定期預金の増減額が対前期比25,671百万円増加したことにより前期比で収入増となり、収入増が支出増を上回った結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、△95,844百万円(対前期比9,088百万円支出減)となりました。当連結会計年度の主な内容は、長期借入金の返済による支出△21,131百万円、リース負債の返済による支出△18,912百万円、配当金の支払額△55,984百万円であります。当連結会計年度における対前期比9,088百万円のキャッシュ・フロー増加の主な要因は、短期借入金の増減額が対前期比10,624百万円増加(収入増)したことによる等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
医療関連事業 |
141,495 |
106.2% |
ニュートラシューティカルズ関連事業 |
160,047 |
112.9% |
消費者関連事業 |
17,485 |
101.2% |
その他の事業 |
62,835 |
109.3% |
合計 |
381,864 |
109.2% |
(注)1.ニュートラシューティカルズとは、栄養「Nutrition」+薬「Pharmaceuticals」の造語であり、科学的根拠をもとに開発された医薬部外品や機能性食品及び栄養補助食品等を取り扱うセグメントです。
2.金額は、製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
連結子会社は主として受注見込みによる生産方式をとっております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
医療関連事業 |
977,508 |
102.3% |
ニュートラシューティカルズ関連事業 |
376,600 |
112.7% |
消費者関連事業 |
31,893 |
101.7% |
その他の事業 |
112,274 |
109.8% |
合計 |
1,498,276 |
105.3% |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社、以下同じ)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載されているとおりであります。
新型コロナウイルス感染拡大により、当連結会計年度における当社グループの事業活動も一定の影響を受けましたが、翌連結会計年度以降の業績に対する影響は限定的であるとの仮定に基づき、重要な会計上の見積りを行っております。なお、新型コロナウイルス感染症の今後の流行等の状況の変化は、翌連結会計年度以降において、資産、負債、収益及び費用の報告額に重要な影響を及ぼすリスクとなる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループのキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は410,684百万円であり、社債及び借入金の合計額135,632百万円を上回っています。
当社グループにおける経常的な資金需要としましては、主に事業の拡大に伴う運転資金需要、生産設備の増強・更新に伴う設備投資資金及び研究開発資金がありますが、基本的に営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としております。現在、大阪創薬研究所等で設備の新設・増設を行っております。一方、事業の買収等に伴う非経常的な資金需要につきましては、必要に応じて外部から調達しております。
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