当社は、平成16年4月秋田県秋田市において未充足医療ニーズ( U nmet M edical N eeds=UMN)を満たす新規医療用医薬品の研究開発及び製造販売を目的とする会社として設立いたしました。未充足医療領域における医薬品のパイオニアとなるべく、積極的に事業展開を図っております。
平成18年8月、米国のProtein Sciences Corporation 1) (以下、「PSC」といいます。)より、Baculovirus Expression Vector System(以下、「BEVS」といいます。) 2) 技術を用いた組換え 3) インフルエンザHA 4) ワクチンの、日本国内における独占的な開発、製造及び販売権を取得し、季節性組換えインフルエンザHAワクチン(多価 5) )(開発コード:UMN-0502 以下、「UMN-0502」といいます。)、組換えインフルエンザHAワクチン(H5N 1 6) )(開発コード:UMN-0501 以下、「UMN-0501」といいます。)の開発を開始いたしました。また、平成18年10月に秋田研究所を開設し、当該パイプラインの基礎的な研究を開始いたしました。平成20年12月に、横浜本社を設置するとともに、平成21年7月には横浜研究所を開設し、研究開発体制の拡充を図りました。
平成22年1月に株式会社IHIとUMN-0502及びUMN-0501原薬 7 ) 製造事業の協業に関する基本協定を締結し、原薬供給体制の整備を開始いたしました。同年4月に秋田県秋田市に組換えインフルエンザHAワクチン原薬製造施設(以下、「秋田工場」といいます。)の建設を開始するとともに、同年5月には株式会社IHIとの協業に関する基本協定に基づき、株式会社UNIGENを設立し、当社連結子会社といたしました。また、平成22年9月にアステラス製薬株式会社とUMN-0502及びUMN-0501の共同事業化に関する提携を行うとともに、同年11月には、PSCより東アジア主要国における上記パイプラインの独占的事業化権を取得し、アジア市場への参入を図るべく事業展開を行っております。さらに、H5N1亜型以外のインフルエンザの世界的流行(パンデミック)に備え、組換えインフルエンザHAワクチン(H9N2 8) )(開発コード:UMN-0901 以下、「UMN-0901」といいます。)の開発を開始いたしました。
平成23年4月には秋田工場が稼動するとともに、平成25年5月には株式会社UNIGENが岐阜県揖斐郡池田町に建設した組換えインフルエンザHAワクチン原薬実生産施設及びバイオ医薬品原薬生産施設(以下、「岐阜工場」といいます。)が竣工し、当社として製品供給体制の確立を図っております。平成24年1月には、フィンランドのタンペレ大学ワクチン研究センターのヴェシカリ教授、ブラゼヴィッチ博士より、組換えノロウイルスVLP(Virus Like Particle) 9) +組換えロタウイルスVP6 10) 混合ワクチンの全世界における独占的事業化権を取得し、ウイルス性胃腸炎ワクチン(開発コード:UMN-2003 以下、「UMN-2003」といいます。)の開発を開始いたしました。また、これらの医療用医薬品事業に加えて、平成24年7月にアピ株式会社と秋田工場及び岐阜工場を活用したバイオ医薬品受託製造事業(Biopharmaceutical contract manufacturing organization、以下、「BCMO」といいます。)の協業に関する契約を締結いたしました。
平成24年12月には東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場するとともに、米国のCatalent Pharma Solutions,Inc.(以下、「Catalent Pharma Solutions,Inc.」といいます。)とバイオ後続品の生産株を非独占で供給を受ける契約ならびに韓国の日東製薬株式会社(以下、「日東製薬株式会社」といいます。)とUMN-0502、UMN-0501及びUMN-0901の韓国での共同開発、独占的販売に関する契約を締結いたしました。また、平成25年3月にアピ株式会社及び株式会社ヤクルト本社とがん領域における複数の抗体バイオ後続品の研究開発及び商業化を共同で実施すること及びその基本事項について合意し、意図確認書を締結するとともに、これに基づき同年6月及び12月には共同事業契約を締結いたしました。さらに、平成25年10月に台湾の國光生物科技股份有限公司(以下、「國光生物科技股份有限公司」といいます。)とUMN-0502、UMN-0501及びUMN-0901の台湾及び中国における商業化に関する優先交渉権を供与する契約を締結いたしました。
平成26年2月には、第一三共株式会社とノロウイルスワクチンの共同研究契約を締結いたしました。これに伴い、組換えノロウイルスVLP単独ワクチン(開発コード:UMN-2002 以下、「UMN-2002」といいます。)を開発パイプラインとして新たに設定いたしました。さらに、同年5月にはアステラス製薬株式会社が当社と共同で開発を進めている組換えインフルエンザHAワクチンASP7374(当社開発コード:UMN-0502)について、インフルエンザの予防の効能・効果で厚生労働省に製造販売承認申請を行いました。また、同年11月には、岐阜工場において医薬品製造業許可を取得いたしました。
平成28年2月には、株式会社UNIGENとPSCは、PSCが米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)より承認を受け、米国で販売している季節性組換えインフルエンザHAワクチンFlublok ® の岐阜工場からの原薬供給に関する正式合意を締結いたしました。
平成28年6月には、PSCがSinergium Biotech及びMund Sanoと取組み中の、ジカウイルスワクチンを共同で開発するコンソーシアムに参加することを検討するためのパートナーシップ契約を締結いたしました。また、平成28年9月には、組換えノロウイルスVLP+組換えロタウイルスVP6混合ワクチンの独占的事業化権に関するライセンス契約から組換えノロウイルスVLP単独ワクチンに関する非独占事業化権に関するライセンス契約へ移行いたしました。
平成29年1月には、アステラス製薬株式会社が厚生労働省に対して製造販売承認を申請していたASP7374(当社開発コード:UMN-0502)に関し、審査当局より審査継続が困難との判断がなされたため、アステラス製薬株式会社より、ASP7374(当社開発コード:UMN-0502)及びASP7373(当社開発コード:UMN-0501)に係る細胞培養インフルエンザワクチンの共同事業契約に関し、解約権の行使がなされ、国内インフルエンザワクチン供給事業とともに、グループ体制の維持が困難となったことから、当社及び株式会社IHIは、当社連結子会社である株式会社UNIGENの発行済普通株式全株をアピ株式会社に譲渡いたしました。これに伴い、当社と株式会社IHIは、インフルエンザワクチン原薬製造事業を共同で行うことを目的として、平成22年1月に締結した「協業に関する基本協定書」を解約することで合意いたしました。
加えて、平成29年3月には、当社、アピ株式会社及び株式会社ヤクルト本社は、平成25年6月及び12月に締結した抗体バイオ後続品に関する共同事業契約を解約することで合意いたしました。
平成29年6月に、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所と新規アジュバント 11) に関する共同研究契約を締結するとともに、同年12月に当該共同研究の範囲を拡大することといたしました。また、平成29年10月に、第一三共株式会社とのノロウイルスワクチンの共同研究契約を解約した一方、塩野義製薬株式会社とヒト用感染症予防ワクチンの基盤技術整備等に関する資本業務提携を締結し、当社として新たな提携パートナーの下、事業の再出発を図ることになりました。当社開発パイプラインの見直しの一環として、平成29年12月に、PSCと組換えインフルエンザHAワクチン(UMN-0502、UMN-0501及びUMN-0901)の日本及び東アジアにおける開発、製造及び販売に関する独占的実施権許諾契約解約について合意するとともに、平成30年10月に、PSCとのジカウイルス感染症に対するワクチン開発コンソーシアムに関する基本契約を解約いたしました。
なお、これまでの提携関係の整理等に伴い、自社開発パイプラインの見直し等を行い、平成29年12月期より、これまで付していた開発コードを変更し、新たな開発コードを付与しております。新たな開発コードは、「3 事業の内容 (4)当社の自社開発パイプライン」に記載のとおりであります。
当社設立以後の企業集団に係る経緯は、次のとおりであります。
年月 |
事項 |
平成16年4月 |
未充足医療ニーズを満たす新規医療用医薬品の研究開発及び製造販売を目的として、秋田県秋田市に株式会社UMNファーマを設立 |
平成16年12月 |
東京支社を東京都港区に開設 |
平成17年6月 |
東京支社を東京都目黒区に移転 |
平成18年3月 |
東京支社を東京本社に名称を変更 |
平成18年6月 |
東京本社を東京都目黒区から東京都渋谷区に移転 |
平成18年8月 |
PSCと、組換えインフルエンザHAワクチンの日本における開発、製造及び販売に関する独占的実施権許諾契約を締結 |
平成18年10月 |
秋田大学医学部内に秋田研究所を開設 |
平成19年4月 |
石川島播磨重工業株式会社(現 株式会社IHI)とUMN-0502及びUMN-0501の原薬製造プロセスに関する共同研究契約を締結 |
平成20年4月 |
秋田県秋田市に組換えインフルエンザHAワクチン原薬製造施設用地を取得 |
平成20年6月 |
UMN-0501の第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を国内にて開始 UMN-0501が希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ) 12) に指定 |
平成20年8月 |
株式会社IHIプラントエンジニアリングとUMN-0502及びUMN-0501原薬製造施設の詳細設計に関する契約を締結 |
平成20年12月 平成21年7月 |
東京本社を東京都渋谷区から神奈川県横浜市港北区に移転し横浜本社に名称を変更 横浜研究所を開設 |
平成21年10月 |
UMN-0501の第Ⅱ相臨床試験を国内にて開始 |
平成22年1月 |
株式会社IHIとUMN-0502及びUMN-0501原薬製造事業の協業に関する基本協定を締結 |
平成22年4月 |
アピ株式会社とUMN-0502及びUMN-0501製剤工程の委託に関する基本協定書を締結 秋田県秋田市にて組換えインフルエンザHAワクチン原薬製造施設(秋田工場)の建設を開始 |
平成22年5月 |
株式会社UNIGENを設立、当社連結子会社となる |
平成22年7月 |
厚生労働省「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備臨時特例交付金」交付事業(第一次分)に採択 |
平成22年9月 |
アステラス製薬株式会社と国内における細胞培養インフルエンザワクチン共同事業化に関する提携契約を締結 |
平成22年10月 |
UMN-0501のブースター 13) 試験を開始 |
平成22年11月 |
PSCより、UMN-0502及びUMN-0501の中国・韓国・台湾・香港・シンガポールにおける独占的事業化権を追加取得 |
年月 |
事項 |
平成23年3月 |
アピ株式会社とUMN-0502及びUMN-0501の製剤工程の独占的業務委託に関する「製造委託基本契約書」を締結 |
平成23年4月 |
秋田工場が稼動 |
平成23年8月 |
UMN-0501高用量試験を開始 UMN-0502第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を開始 |
平成23年12月 |
UMN-0502第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験において免疫原性 14) 及び良好な忍容性 15) を確認 |
平成24年1月 |
UMN-2003の全世界における独占的事業化権をタンペレ大学ワクチン研究センターのヴェシカリ教授・ブラゼヴィッチ博士より取得 |
平成24年2月 |
株式会社UNIGENが経済産業省「平成23年度国内立地推進事業費補助金」一次公募に採択 株式会社UNIGENが株式会社三井住友銀行をアレンジャーとするシンジケートローン契約を締結 |
平成24年3月 |
BEVS技術を用いたバイオ医薬品原薬生産施設である岐阜工場の建設を開始 UMN-0501の高用量試験において免疫原性及び良好な忍容性を確認 |
平成24年7月 |
アピ株式会社とバイオ医薬品受託製造事業に関する「BCMO事業協業に関する基本合意書」を締結 |
平成24年10月 |
日東製薬株式会社とUMN-0502、UMN-0501及びUMN-0901の韓国での共同開発、独占的販売に関する基本合意書を締結 |
平成24年12月 |
東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場 Catalent Pharma Solutions,Inc.とバイオ後続品の生産細胞株を非独占で提供を受ける契約を締結 日東製薬株式会社とUMN-0502、UMN-0501及びUMN-0901の韓国での共同開発、独占的販売に関する契約を締結 |
平成25年3月 |
アピ株式会社及び株式会社ヤクルト本社とがん領域における複数の抗体バイオ後続品の研究開発及び商業化を共同で実施すること及びその基本事項に関する意図確認書を締結 |
平成25年4月 |
横浜本社を神奈川県横浜市港北区から神奈川県横浜市西区に移転 |
平成25年5月 |
岐阜工場が竣工 |
平成25年6月 |
アピ株式会社及び株式会社ヤクルト本社とがん領域における抗体バイオ後続品に関する共同事業契約を締結 |
平成25年7月 |
和光純薬工業株式会社と抗体バイオ医薬品用培地の開発に関する覚書を締結 |
平成25年10月 |
國光生物科技股份有限公司とUMN-0502、UMN-0501及びUMN-0901の台湾及び中国における商業化に関する優先交渉権を供与する契約を締結 |
平成25年11月 |
国立感染症研究所からのワクチン候補抗原製造を受託 |
平成25年12月 |
アピ株式会社及び株式会社ヤクルト本社とがん領域における追加の抗体バイオ後続品に関する共同事業契約を締結 |
平成26年1月 |
UMN-0502第Ⅲ相臨床試験の2試験において免疫原性及び安全性に大きな問題がないことを確認 |
平成26年2月 |
第一三共株式会社とノロウイルスワクチンの共同研究契約を締結 |
平成26年5月 |
アステラス製薬株式会社がASP7374(当社開発コード:UMN-0502)の製造販売承認申請を実施 |
平成26年11月 |
岐阜工場において医薬品製造業許可を取得 |
平成27年8月 |
横浜本社を神奈川県横浜市西区から神奈川県横浜市港北区に移転 |
平成28年2月 |
株式会社UNIGENがPSCと季節性組換えインフルエンザワクチンFlublok ® の岐阜工場からの原薬供給に関する正式合意を締結 |
平成28年6月 |
PSCとジカウイルス感染症に対するワクチン開発コンソーシアムに関する基本契約を締結 |
平成28年9月 |
ノロウイルス・ロタウイルス混合ワクチンの独占的事業化権ライセンス契約からノロウイルス単独ワクチンに関する非独占事業化権ライセンス契約へ移行 |
平成29年1月 |
アステラス製薬株式会社によるASP7374(当社開発コード:UMN-0502)及びASP7373(当社開発コード:UMN-0501)に係る共同事業契約解約権行使申し入れを受領 当社連結子会社である株式会社UNIGENの当社持分全株式を譲渡 株式会社IHIとUMN-0502及びUMN-0501原薬製造事業の協業に関する基本協定を解約 |
平成29年3月 |
アステラス製薬株式会社とのASP7374(当社開発コード:UMN-0502)及びASP7373(当社開発コード:UMN-0501)に係る共同事業契約解約合意 UMN-0501の希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)指定取り下げ アピ株式会社及び株式会社ヤクルト本社とがん領域における抗体バイオ後続品に関する共同事業契約解約合意 |
年月 |
事項 |
平成29年5月 平成29年6月 平成29年10月
平成29年12月 |
資本金及び資本準備金の額を減少(減資)し、繰越利益剰余金に振替え 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所と新規アジュバントに関する共同研究契約締結 第一三共株式会社とのノロウイルスワクチンの共同研究契約を解約 塩野義製薬株式会社とヒト用感染症予防ワクチン基盤技術整備等に関する資本業務提携契約を締結 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所との新規アジュバントに関する共同研究範囲を拡大 PSCと組換えインフルエンザHAワクチンの日本及び東アジアにおける開発、製造及び販売に関する独占的実施権許諾契約解約合意 |
平成30年10月 |
PSCとジカウイルス感染症に対するワクチン開発コンソーシアムに関する基本契約解約合意 |
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