業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、下半期にかけて新型コロナウイルス変異株のまん延や、エネルギー価格の上昇、半導体をはじめとするサプライチェーンの混乱等があり、十分な景気回復には至りませんでした。また、原材料コストの高騰や、需給ひっ迫により入手困難に陥る原料もあり、厳しいビジネス環境が続きました。

その様な状況のもとで、当社グループは生産効率の向上等による収益力の強化に努めると同時に、サーキュラーエコノミーの実現に向けたサステナブル経営の推進に努めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

当連結会計年度末の資産の合計は、前連結会計年度末に比べ23億46百万円増加し、493億40百万円となりました。

当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末に比べ13億43百万円増加し、94億64百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ10億2百万円増加し、398億75百万円となりました。

b.経営成績

当連結会計年度の業績は、売上高256億11百万円(前年同期比9.6%増)、営業利益16億47百万円(前年同期比3.9%増)、経常利益22億45百万円(前年同期比3.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11億78百万円(前年同期比17.5%減)となりました。

当社グループは、塗料等製造販売の単一セグメントであるため、製品分野別の業績は次のとおりであります。

1)車両用塗料分野

昨年のコロナ禍による需要減に回復傾向が見られる中、環境配慮型塗料で自動車補修用塗料市場及び大型車両や産業機械等のシェア拡大に努め、売上高は前年同期を上回りました。

2)建築用塗料分野

改修・リニューアル市場に重点を置き、高付加価値製品の拡販や塗替需要喚起の営業活動に努め、各企業での感染対策による人流の回復や延期されていた施工物件の再開が重なり、売上高は前年同期を上回りました。

3)工業用塗料分野

工業用塗料は、コロナ禍で需要家の生産調整があった前年からの反動増により、環境負荷低減製品の粉体塗料を中心に販売が回復しました。ラミネート用接着剤は食品包装材向けが堅調に推移するとともに、リチウムイオン電池等の産業資材向け販売が拡大しました。これらの結果、売上高は前年同期を上回りました。

4)家庭用塗料分野

主力エアゾール製品は需要が戻りつつありますが、ホームセンターを中心とした小売店で昨年同時期の「巣ごもり需要」を補うには至らず、売上高は前年同期を下回りました。

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億55百万円減少し、当連結会計年度末には140億7百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、25億94百万円(前年同期は36億10百万円の獲得)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益17億21百万円、減価償却費13億20百万円の資金の増加があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、29億76百万円(前年同期は22億74百万円の使用)となりました。主な要因は、固定資産の取得による支出29億64百万円があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、3億36百万円(前年同期は3億36百万円の使用)となりました。主な要因は、配当金の支払によるものです。

③生産、受注及び販売の実績

当社グループは、塗料等製造販売の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績を、生産分類別に示すと、次のとおりであります。

生産分類別種類

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

合成樹脂塗料類(百万円)

11,124

109.2

その他(百万円)

8,001

132.1

合計(百万円)

19,126

117.7

(注)1.金額は、製造原価によっております。

b.受注実績

当社グループは、見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績を、商品分類別に示すと、次のとおりであります。

商品分類別種類

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

合成樹脂塗料類(百万円)

13,818

106.0

その他(百万円)

11,792

114.1

合計(百万円)

25,611

109.6

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、前年のコロナ禍の影響からは回復傾向にあり、家庭塗料以外の全製品分野で売上が改善しましたが、原材料価格の高騰が営業利益や経常利益を圧迫する結果となりました。

a.財政状態

(資産)

当連結会計年度末の資産の合計は、前連結会計年度末に比べ23億46百万円増加の493億40百万円(前年同期469億94百万円)となりました。これは主に建設仮勘定等の固定資産が増加したことによるものであります。

(負債)

当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末に比べ13億43百万円増加の94億64百万円(前年同期81億21百万円)となりました。これは主に未払金等の流動負債が増加したことによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ10億2百万円増加の398億75百万円(前年同期388億73百万円)となり、自己資本比率は80.8%(前年同期82.7%)となりました。

b.経営成績

(売上高と営業利益)

当連結会計年度の売上高については、コロナ禍の影響からの回復もあり256億11百万円(前年同期233億74百万円)となりました。売上原価は198億75百万円(前年同期179億81百万円)となり、売上原価率は77.6%(前年同期76.9%)となりました。また、販売費及び一般管理費は40億88百万円(前年同期38億7百万円)となり、営業利益は16億47百万円(前年同期15億85百万円)となりました。

(経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は、為替差益等もあり、6億48百万円(前年同期6億18百万円)となりました。また、営業外費用は、51百万円(前年同期41百万円)となり、経常利益は22億45百万円(前年同期21億62百万円)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の特別利益は、補助金収入等により、20百万円(前年同期85百万円)となりました。また、特別損失は、老朽施設取壊費の計上等により、5億43百万円(前年同期2億50百万円)となりました。税金等調整前当期純利益は17億21百万円(前年同期19億96百万円)となり、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた税金費用が5億41百万円(前年同期5億65百万円)となったため、親会社株主に帰属する当期純利益は11億78百万円(前年同期14億28百万円)となりました。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、当社グループは主要な原料を石油関連製品に依存しており、産油国の政治経済情勢や為替相場の動向に大きく影響されます。また、塗料の多くは、危険物であり、環境対策の法的規制等が、工場の稼働や立地、塗料の品質改良推進に大きな影響を及ぼし、維持費用や研究開発の費用の増加につながり、経営成績に影響を与える可能性があります。詳細につきましては、2〔事業等のリスク〕の項目をご参照ください。

なお、当社グループは、塗料等製造販売の単一セグメントであるため、製品分野別の業績は、(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりであります。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造のための原材料等の購入のほか、人件費・物流費・研究開発費・広告宣伝費等を中心とする製造費や販売費及び一般管理費等の支出によるものであります。設備資金需要のうち主なものは、製造のための生産設備や販売拠点等の新設・拡充及び修理等のためのものであります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー並びに自己資金にて対応することを基本としております。

なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。当社グループは、貸倒引当金、棚卸資産の評価、投資その他の資産の評価、繰延税金資産及び退職給付に係る負債等に関して、過去の実績や当該取引の状況に応じて、合理的と考えられる見積り及び判断を行っております。その詳細については、第5[経理の状況]の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」、「重要な会計上の見積り」及び「追加情報」に記載されているとおりであります。

 当社グループは、これらの結果を決算日における資産・負債の帳簿価額及び報告期間における収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

2021年5月10日に公表いたしました当連結会計年度の当初業績予想に対しては、売上高は6.7%増、営業利益は31.8%増、経常利益は40.3%増、親会社株主に帰属する当期純利益は7.2%増となりました。引き続き、顧客満足度の高い新製品開発上市や新規需要の開拓に努めるとともに、安定した収益基盤を着実に強化してまいります。

 

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