当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束が見えないなか、新規感染者数の増減に呼応するように景気は回復と後退を繰り返し、総じて厳しい状態が続きました。
ホテル業界におきましては、4月から9月にかけて断続的に発出された緊急事態宣言による人の往来自粛の影響を大きく受けることとなり、宣言解除後の10月から12月にかけては需要に回復が見られましたが、オミクロン株の出現に伴う感染再拡大により、1月以降の需要は再び減少しました。
このような環境下、当社では感染拡大防止に留意しながら、以下の施策に取り組んでまいりました。
販売面においては、コロナ収束後も見据えて販売経路を拡大すべく、販売促進チームを中心に旅行代理店や法人への営業を強化し、利用契約の締結を増やしてまいりました。(新規契約121社、増収効果約210百万円)
一方、個人会員が中心である当社の会員制プログラム「宿泊ネット」においては、当事業年度で43施設が新たに加盟して120のネットワークとなり、11月から3か月間のキャンペーンを実施し既存会員の利用促進と新規入会者の増加を図りました。(新規入会者数 前年同期比264.7%)
また、マーケティング強化チームを立ち上げ、当社公式予約サイトにおけるユーザーインターフェースの改善、WEB・SNSを活用しての情報発信強化に取り組んでおります。
さらに、収益の最大化に向けレベニューマネジメントを強化するため、秋からワシントンホテルプラザ、R&Bホテルの両事業体にレベニューマネージャーを新たに配置いたしました。
これらに加え、ワクチン接種者への優待サービスを実施(7月~1月 延べ32,255件の利用)したほか、喫煙可能客室の値上げやR&Bホテルにおける朝食内容を充実させての有料化、地域色豊かな飲食店との提携によるパック商品の販売等、少しでも売上が確保できるように努めてまいりました。(増収効果約115百万円)
費用面においては、役員報酬及び社員給与を減額、当事業年度の夏・冬の賞与を不支給とし、従業員の他社への出向や最少人員配置を徹底することで人件費の削減に取り組みました。
また、家賃、管理料等の減額又は変動費化交渉を継続することで固定費の削減を図り、その他の費用についても継続的に見直しを行うことで支出の抑制に努めました。
そのほか、一部ホテルで行いました新型コロナウイルス感染症の軽症者の療養施設等としての一棟貸しは、自治体へ貢献するとともに、収入の確保に繋がりました。(2022年3月31日時点 14事業所)
新規ホテルとして、ワシントンホテルプラザブランドでは22年ぶりとなる「札幌ワシントンホテルプラザ」259室を3月1日に開業いたしました。一方、「静岡北ワシントンホテルプラザ」195室を契約期間満了に合わせ3月10日に営業終了いたしました。
これらの結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ5,202,838千円増加の32,226,946千円となりました。これは主に現金及び預金が2,047,375千円、リース資産(純額)が2,968,684千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ8,442,595千円増加の28,862,512千円となりました。これは主に短期借入金が7,061,000千円、1年内返済予定の長期借入金が1,119,864千円減少した一方、長期借入金が13,390,971千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ3,239,756千円減少の3,364,434千円となりました。これは利益剰余金が3,264,610千円減少したこと等によるものであります。
b.経営成績
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当事業年度の期首から適用しております。この結果、前事業年度と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。
当事業年度の客室稼働率は35.5%(第1四半期会計期間21.9%、第2四半期会計期間30.4%、第3四半期会計期間43.5%、当第4四半期会計期間46.1%)となり、当事業年度の業績は、売上高8,547,875千円、営業損失3,243,623千円、経常損失3,108,782千円、当期純損失3,261,097千円となりました。また、収益認識会計基準等の適用により、当事業年度の売上高は43,326千円減少し、営業損失及び経常損失はそれぞれ18,417千円増加しております。
なお、当社はホテル事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当事業年度の事業部門別の売上高及び営業利益は次のとおりであります。
(※1) 管理部門(本社)の収入(宿泊ネット加盟店からの販売手数料収入)及び営業損益であります。経費は本社費として適切に按分しております。
(※2) 前期もしくは当期がマイナスの場合、前年同期比は表示しておりません。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は前事業年度末に比べ2,047,375千円増加し、4,876,010千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
なお、当事業年度より、連結財務諸表を作成していないため、比較分析は行っておりません。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,669,843千円の資金の減少となりました。
これは主に税引前当期純損失3,231,137千円、売上債権の増加1,173,888千円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、306,575千円の資金の減少となりました。
これは主に差入保証金の回収による収入が32,415千円あったものの、有形固定資産の取得による支出が208,204千円、差入保証金の差入による支出が113,153千円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、5,023,794千円の資金の増加となりました。
これは主に長期借入れによる収入6,000,000千円、長期借入金の返済による支出728,892千円等によるものであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
地域別販売実績は次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、当事業年度は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しています。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
経営成績等の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、売上高 8,547,875千円 (前年同期は 売上高4,666,634千円 )、 営業損失3,243,623千円 (前年同期は 営業損失6,632,957千円 )、 経常損失3,108,782千円 (前年同期は 経常損失6,839,133千円 )、 当期純損失3,261,097千円 (前年同期は 当期純損失7,518,422千円 )となりました。
新型コロナウイルス感染症の収束が見えないなか、新規感染者数の増減に呼応するように景気は後退と回復を 繰り返し厳しい状況が続きましたが、昨年秋口から年末にかけて一時的に需要が回復したことや、新型コロナウイルス感染症の軽症者等の療養施設としての一棟貸しを14事業所で行ったこと等により、当事業年度の客室稼働率は、35.5%(前事業年度比+15.8ポイント増)となり、売上高は前事業年度を上回る結果となりました。
各段階損失につきましては、売上高の増加が前事業年度との差異の主な要因となりますが、経費面では、前事業年度より引き続き、役員報酬の減額、人員配置の見直し等による人件費の抑制に取り組んだほか、家賃・保守料といった固定費も交渉により減額いただくなど、支出の抑制に努めました。
また、新型コロナウイルス感染症にかかる雇用調整助成金等の支給申請額157,682千円を雇用調整助成金として、飲食店に対する営業時間短縮協力金等211,955千円を感染拡大防止協力金受入額として営業外収益に計上し、当社の保有する固定資産に関する減損損失68,363千円及び事業所閉鎖損失として53,503千円を特別損失へ計上いたしました。
a.キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.財務政策
当社の所要資金調達は、大きく分けて設備投資資金及び運転資金の調達となっております。基本的には「営業活動によるキャッシュ・フロー」を中心としながらも、多額の設備資金については、長期借入金等により資金調達を行ってまいりました。当事業年度末において、長期借入金は20,765,329千円であります。
将来に関する事項として、既存事業所の大規模リニューアルの予定がございます。その資金については、当事業年度において借入金にて賄っております。なお当該事項は報告書提出日現在において判断したものであります。
今後の所要資金につきましても、多額な設備投資以外は「営業活動によるキャッシュ・フロー」を基本に行う予定であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって、用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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