当社は、ホテル事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
当社は、「ワシントンホテルプラザ」、「R&Bホテル」の計2ブランドのホテル事業の運営とゴルフ場クラブハウス内レストランの運営受託をしております。
「ワシントンホテルプラザ」は1969年の1号店開業以来、高度経済成長の時代の中、低料金で安全に泊まることができるスタイルがビジネスパーソンに支持をされ出店を伸ばしてまいりました。ビジネスホテルのチェーンとして、全国の多くのビジネスパーソンに認知していただいております。主要駅もしくは繁華街に近い「立地」と、老舗としての「安心感」が評価されており、部屋タイプは、シングル、ツイン、ダブルと各種タイプの部屋を保有しております。また、一部のワシントンホテルプラザには飲食店や宴会場を併設し、幅広い顧客ニーズに対応しております。利便性の高いビジネス・観光の拠点となるよう直営18ホテルをチェーン展開しております。
2022年3月期のワシントンホテルプラザのADR(注1)は6,259円(前年同期比13.0%増)、稼働率(注2)は48.0%(前年同期比23.6ポイント増)、RevPAR(注3)は3,006円(前年同期比122.4%増)となっております。
(注1)ADR(Average Daily Rate)とは、平均客室単価のことであり、客室売上を販売客室数で割った金額で
あります。
(注2)稼働率は、実際に販売した客室数を販売可能客室数で割って計算した割合であります。
(注3)RevPAR(Revenue Per Available Room)とは、販売可能客室数あたりの客室売上のことであり、客室売
上を販売可能客室数で割った金額であります。
「R&Bホテル」は宿泊特化型ホテルとして首都圏を中心に、全国で直営25ホテルのチェーン展開を行っております。細やかな配慮で、少しでもお客様のお役に立てるよう親切な応対を心がけており、女性のお客様でも安心してお泊りいただけます。客室はR&Bホテル八王子の16室、R&Bホテル名古屋駅前16室のツインを除いて他はすべてシングルであります。さらに、チェックインの工程を細分化し、宿泊台帳記入や金銭授受には従業員の人手を介さず、宿泊台帳記入は館内の案内表示にてお客様を誘導することで対応し、金銭授受は自動精算機を導入して対応するなど少人数オペレーションを徹底し、業務効率を上げることでリーズナブルな価格での提供が可能となっております。
2022年3月期のR&BホテルのADRは5,209円(前年同期比16.8%増)、稼働率は25.7%(前年同期比9.9ポイント増)、RevPARは1,341円(前年同期比89.8%増)となっております。
以上の計2ブランドのホテル事業で、運営するホテルは全国に43ホテル(2022年3月末現在)であり、ビジネス、観光等様々なお客様にご利用いただいております。2022年3月期の当社ホテル全館の客室数は9,616室、ADR5,844円、稼働率は35.5%となっております。当社の収益としては、「ワシントンホテルプラザ」、「R&Bホテル」での収益が96%超となっており、ゴルフ場クラブハウス内レストランによる収益は僅少なものとなっております。
なお、「名古屋国際ホテル」は、1964年に開業した名古屋初の本格的都市型ホテルとして、ビジネスをはじめ、観光客からも支持されておりましたが、建物賃貸借契約満了に伴い2020年9月末をもって営業を終了し、2021年4月30日付で清算結了いたしました。
過年度におけるワシントンホテルプラザ、R&Bホテルの主要指標は以下のとおりであります。
(注) ワシントンホテルプラザ事業には、「ワシントンホテルプラザ」ブランドのホテル事業の運営とゴルフ場クラブハウス内レストランの運営受託が含まれております。上記の表の売上高及び営業利益又は営業損失においては、ホテルブランドごとの比較のため、ワシントンホテルプラザに係る記載をしており、( )内にはワシントンホテルプラザ事業の売上高及び営業利益又は営業損失を記載しております。
① 客室販売及び会員システム
当社の客室販売は、直販である自社サイトの「宿泊ネット」のほか、オンライン旅行予約サイトをはじめとするインターネットによる宿泊予約の獲得、旅行会社の販売する旅行商品への客室提供を主要な経路としております。2022年3月期における販売経路の割合は、インターネット経由の販売が43.9%(自社サイト「宿泊ネット」経由の割合は16.0%)、電話などによる一般販売が51.4%、旅行代理店経由の販売が4.7%となっております。 なお、一般販売には、新型コロナウイルス感染症の軽症者の療養施設としての一棟貸しによる販売が含まれており、2021年3月期(一般販売20.7%)から増加しております。
当社のホテル・飲食店における宿泊・飲食を長期的・効率的にご利用していただき、ロイヤルカスタマーを囲い込むために、以下の会員システムを、お客様に向けご提供しております。
(注) ロイヤルカスタマーとは、継続的に宿泊や飲食をご利用いただける安定顧客であります。
(a) 宿泊ネット
宿泊ネットは26万人の会員(2022年3月末現在)がおり、年間延べ20万室(2022年3月期)(注1)が利用される、当社が運営する入会費・年会費無料の宿泊予約サイトであります。2022年3月期における宿泊ネットのリピーター比率(注2)は65.9%と、宿泊ネット会員は安定顧客となっております。
(注1)新型コロナウイルス感染拡大の影響が少なかった2020年3月期の年間延べ宿泊室数は61万室。
(注2)リピーターとは、顧客データから、直近利用1年以内の再利用者のことであります。ただし、連泊される場合の2泊目、3泊目等はリピート扱いとはしておりません。リピーター比率とは、総販売室数に対するリピーター利用室数の割合であります。
また、会員カードを発行せず、入会からポイントの加算、交換までを予約サイト上で実施するため、従業員の業務負荷低減にもつながっております。
会員にご登録いただくと宿泊ネットからのご予約・ご宿泊でポイント還元をご利用いただけます。また、当社ホテル以外の提携ホテル・旅館等の加盟店ネットワークも全国に拡大中であり、当社ホテルと加盟店合わせて日本国内に120拠点(2022年3月末現在)の提携ホテル・旅館が加盟店として参加しております。宿泊ネットの特徴は以下のとおりです。
イ 一般的なホテル予約サイトはポイント還元率1~2%であることに比べ宿泊ネットでは、宿泊料金の7%をポイントとしてお客様に還元しております。
ロ ポイントの有効期限は、一般的なホテル予約サイトが1年間であることに比べ宿泊ネットでは最終宿泊日から2年間であります。さらに、期限までに新たにポイントを獲得すれば有効期限が切れることはありませんので、半永久的にポイントを継続していただくことが可能です。(2020年4月より会員資格は、登録日又は最終利用日から10年間に変更)
ハ 貯まったポイントは次回の宿泊料金としてご利用いただけるほか、Amazonギフト券との交換、対象ホテルフロントでのキャッシュバックからの選択も可能です。(2020年4月以降は、PayPayギフトカードとの交換を追加)
ニ ポイントの加算・使用・交換をすべて予約サイト上で行うシステムなので、カードレスでお手軽にご利用いただけます。
宿泊ネットの更なる改善に向けた取組みとして、2019年度より、ポイントの交換単位を1,000ポイントから10ポ
イントへ引き下げたほか、「(b)ワシントンレストランカード」に記載のワシントンレストランカードのポイント
を宿泊ネットへ移行可能としており、2020年度からは、宿泊ネットのポイント還元率を5%から7%に引き上げ
PayPayギフトカードとの交換を可能としております。
また、「宿泊ネット」をさらに高付加価値媒体とするため、「宿泊ネット」公式ホームページにて加盟店の募集を行っております。加盟店は「宿泊ネット」により、専用機器類の導入等の費用負担を増やすことなく以下のメリットを得ることができます。
当社のメリットは、加盟店の増加による会員様への「宿泊ネット」の知名度の向上や、ネットワーク拡大でお客様の利便性が高まることによって、ネットワーク全体の集客増が見込まれます。
なお、当社は以下の条件にて新規の加盟店を募集しております。
(b) ワシントンレストランカード
ワシントンレストランカードは、全国のワシントンホテルプラザの直営飲食店でのご飲食に応じてポイント還元を行う無料会員システムです。シニア会員にはお得な特典を有しておりますので幅広いお客様にご支持をいただいております。以下が会員様の特典であります。
イ ご利用金額の3%をポイント還元しております。
ロ 60歳以上のシニア会員様はご利用金額の6%のポイントを還元しております。
1ポイント=1円単位でのご利用が可能です。
ハ キャッシュバック制度を有しております。
5,000ポイント単位でキャッシュバックが可能です。
ニ 「宿泊ネット」にポイント移行してご宿泊料金としてご利用が可能です。
ホ ポイント・会員資格ともに最終利用日から2年間有効です。
② 新規出店
ホテルの出店地については、厳格な出店基準を設け、厳選した好立地に出店することで、高収益性を確保しております。全国主要都市への出店として、政令指定都市を中心に、流動人口の多い都市において200~300室規模のホテル出店を目指しております。また、出店にあたっては、最寄駅から徒歩5分程度、敷地面積150坪以上、建物延床面積1,000坪以上を基準としております。観光客・ビジネス利用客をバランスよく集客することにより、季節的又は一時的な要因による業績変動を極力抑える方針であります。
また、優良な出店地を確保するべく、当社自社物件としての出店のほか、建物の賃貸借方式、土地の賃貸借方式、MC方式、フランチャイズ方式という計5つの出店形態を用意し、幅広く情報を収集しております。2022年3月末現在、土地と建物を自社が所有する自社物件によるホテル出店は7事業所、建物の賃貸借方式によるホテル出店は34事業所、土地の賃貸借方式によるホテル出店は2事業所であり、MC方式及びフランチャイズ方式によるホテル出店は該当無しとなっております。
③ 人員
ホテルの運営体制としては、客室クリーニング等の外部委託を除き、原則自社人員での運営を基本方針としております。
当社では、WEBを活用した教育や映像マニュアル、外部研修等による人材教育に取り組んでおります。また、効率的な人員配置、顧客サービスの充実、緊急時の急な対応への備え、従業員本人のスキルアップを目的とし、ひとつの部署だけで勤務するのではなく、繁閑に応じて部署をまたいで勤務する「マルチジョブ」を推進しております。
[事業系統図]
当社の事業系統図は以下のとおりであります。
※名古屋国際ホテル株式会社は、2020年9月末をもって営業を終了し、2021年4月30日付で清算結了いたしました。
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