文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は「自由と公平」「採用と教育」「革新と戦略」「選択と集中」の4つの「成長のための基本姿勢」を基本方針とし、先進的なIT(情報技術)を駆使し、お客様の満足を徹底的に追求する「顧客第一主義」の思想をプロダクト開発に貫き、保守・導入指導等のサービスを提供しております。企業の目的は、顧客に価値あるものを提供することにあり、変化し続ける顧客の要求に耳を傾け、業務にイノベーションを起こし、その期待に応える若しくは期待を超える価値を創造し続けることであると考えます。
創業以来、中堅及び中規模・小規模企業のIT化を強力にサポートするリーディングカンパニーとしての役割を自覚し、基幹業務システムの進化を業界の先頭に立って開拓してまいりました。今後とも、厳しい経済環境の中、あらためて顧客及びパートナー企業に対して、さらなる信頼性、拡張性、柔軟性を兼ね備えた基幹業務システムをご提供することで、お客様の期待を超える感動をお届けする企業を目指してまいります。
また、社会的責任を果たすべく、オービックグループの一員として相互に連携を図り、法令を遵守した継続的かつ安定的な企業成長を目指し、お客様、販売パートナー様、株主、社員及び地域社会のご期待に応えてまいります。
(2)経営環境及び経営戦略等
今後のわが国経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症の影響、また、世界的な原油価格の高騰、ロシア・ウクライナ情勢、サプライチェーンの停滞などによる資源価格の上昇等、世界経済の停滞も関係して、企業収益や景況感、個人消費の低迷は依然として不透明な状況が続いていくものと推測されます。
当社の属する情報サービス産業においては、テレワークやリモート会議等の新しいビジネススタイルに対応できるクラウドサービスの活用が進み、社会全体がデジタル化への転換の勢いを維持しており、今後もこの流れは底堅く続いていく状況にあると考えています。
このような状況の中で、当社は「顧客第一主義」を念頭に置き、企業の業務効率化に貢献するクラウドサービスや業務サービス、サポートサービスを提供し続けることに努めてまいります。
主力製品である奉行シリーズについては、引き続き「奉行クラウド」は電子帳簿保存法や電子インボイス制度に対応するなど、顧客の求める新しい付加価値を搭載して進化・充実を続け、数多ある基幹業務系クラウド・アプリケーションの中からお客様に選択していただけるシステムに成長させることに注力してまいります。また、主力の奉行シリーズを補完する「奉行クラウドEdge」のさらなる進化・充実を図るとともに、基幹業務の枠を越えた連携を実現し、顧客の期待を超える付加価値をご提供することによって、パートナーや顧客との良好で長期的な取引関係を強固なものとし、安定した収益基盤を築いてまいります。
上記の施策を実現するためには、顧客企業が何を求め望んでいるのか敏感に察知する力、顧客企業の業務に関する深い理解と幅広い製品知識に裏付けされた商品提案力、サービスブランド商品をパートナー企業に理解していただくなどのパートナーシップが求められます。
経営のデジタル対応能力の向上を実現する高い付加価値を顧客に提供するとともに、企業内で行われている「人が作業することを前提とした業務プロセス」を、デジタル化することで、経営能力の生産性と精度強化を支援してまいります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響や世界経済の鎮静化の予測は大変困難であり、その状況次第では顧客の設備投資が滞り当社の業績に影響を与える可能性がありますが、そのような中においても、お客様の求めるDX(デジタルトランスフォーメーション)需要をとらえ、奉行クラウドをはじめとするクラウドサービスの強みやクラウドサービスへの移行をお客様にアピールしてまいります。
また、当社では、社員の安全確保とともに徹底した衛生管理を呼びかけ、時差出勤・在宅勤務・情報収集等を実施し、新型コロナウイルスの感染拡大を抑え、企業活動の継続を維持することで、この難局の中であっても、2022年度事業計画を達成するよう全社一丸となって取り組んでおります。
(3)目標とする経営指標
当社は設備投資等に資本を投下する必要がありませんので、経営上は、収益面での指標を重視することになります。よって売上高を伸ばしながら、営業利益率、経常利益率を維持、若しくは、高めることで高収益企業として成長し続けてまいりたいと考えております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は「業務にイノベーションを お客様に感動を」をミッションとして掲げております。
DX(デジタルトランスフォーメーション)で変革する時代の流れの中で、「業務のデジタル化」をキーワードに、クラウドサービスで、業務の効率化・生産性の向上を支援し、さらにUX(ユーザーエクスペリエンス)に磨きをかけ、顧客の期待を超えるサービスと感動をお届けすることこそが、当社の存在意義だと考えております。その達成のためには、社員やパートナー企業の満足度を追求し、組織力・チーム力を高め、新しいビジネスとの共創をはかり続けることが重要となります。また、SDGs等の社会課題への解決を実現するため、企業としての社会的責任を果たすことに努めてまいります。
また、当社は設備投資等に大きく資本を投下する必要がないため、研究開発費、販売促進費や広告宣伝費及び展示会費等が主な資金需要となります。収益面を重視し売上高を伸ばしながら、営業利益、経常利益を維持し、継続して高めていくことにより、必要な資金を確保し、引き続きクラウド等成長分野への投資を継続していく予定です。
そのために対処すべき課題として、以下の内容を推進してまいります。
(コアコンピタンスの強化)
当社は、以下の「コアコンピタンスの強化」を実現することで、引き続きクラウドを活用した新たなビジネスモデルを創出し、イノベーションを起こしてまいります。
①企業業務(会計・人事・給与)の業務サービスにフォーカスする
②中堅及び中規模・小規模企業にフォーカスする
③Microsoftのテクノロジーにフォーカスする
④パートナー戦略にフォーカスする
⑤ブランド戦略にフォーカスする
(クラウド製品の進化・充実)
当社は、「業務のデジタル化」をキーワードに『奉行クラウド』『奉行クラウドEdge』を主力とするクラウドサービスのさらなる充実を図るとともに、基幹業務の枠を超えた連携を実現し、顧客に利便性と信頼性、新しい付加価値をご提供することで、良好で長期的な取引関係と、安定した収益基盤を築いてまいります。さらにUXに磨きをかけ、顧客に感動していただけるサービスを提供することで、数多ある基幹業務系クラウド・アプリケーションから選択していただけるシステムを目指し、進化・充実させることに注力してまいります。
(社員(人材)の育成と健康経営)
当社は「採用と教育」を最重要方針として位置付けております。社員が自らの専門性を高めるための教育の仕組みづくりと支援を最大限に行い、常に成長し続けることのできる組織づくりを行うことで、「お客様貢献度」の高い人材を育成してまいります。
一方で、健康経営に関する取り組みを強化してまいります。ここ数年の社会の変化により定着した、新しい労働環境の中で、社員が心身ともに健康で働き続ける環境づくりを目指し、労働安全衛生的な観点から適正な労働時間の管理やメンタルヘルスへの対応等の健康管理施策を充実させ実施してまいります。
(SDGsへの取り組み)
当社は、私たちが暮らす社会を将来にわたり持続可能なものにするためには、国連の「SDGs(持続可能な開発目標)」への取り組みをはじめとした社会課題の解決が重要な課題であると位置づけております。当社は企業の基幹業務をサポートすることを事業の柱としており、業務の効率化、生産性向上という目的のため、業務のデジタル化を推進しています。業務のデジタル化は、労働人口減少や資源削減などの課題解決に対して大きく貢献する可能性があります。
社会課題への貢献を実現するため、当社は全社一丸となって取り組むために経営目標の一つとして「社会貢献」を位置づけております。今後も社会環境や解決すべき課題は変化しますが、当社はその中においても普遍的な経営理念を軸に、企業としての社会的責任を果たすように取り組んでまいります。
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