(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、ワクチン接種の拡大により新型コロナウイルス感染症の収束が期待されたものの、変異株の出現等による感染拡大が繰り返され、本格的な経済活動の回復基調に達しないまま推移いたしました。また、欧州での紛争による世界的な影響や東アジアの地政学的リスクもあり、社会や経済環境は以前にも増して先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の中、当社グループは「プロフェッショナルの能力により豊かな社会を創出し、持続可能な世界を実現する」ことを理念として掲げ、事業を運営してまいりました。当社グループがネットワークするクリエイター、医師、ITエンジニア、弁護士、会計士、建築士、ファッションデザイナー、シェフ、研究者等、替えの利かない専門的な能力を有するプロフェッショナルへのニーズは底堅く、新型コロナウイルスの感染再拡大による影響が、医療分野におけるイベントの中止や、会計・法曹分野を中心としたエージェンシー(人材紹介)事業における需要回復の遅れ等にあったものの、クライアントニーズへのきめ細やかな対応を継続することで、当社グループの当連結会計年度における業績は前年実績を上回って推移いたしました。
特に、当社グループの中核を担うクリエイティブ分野(日本)におけるプロデュース事業や電子書籍、YouTube等のライツマネジメント事業、クリエイティブ分野(日本)並びに医療分野におけるエージェンシー事業が好調に推移した他、前期から取り組んできた営業面並びに社内業務面におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)化をさらに進めたことで、生産性の向上及び業務効率化が進展いたしました。また、第4四半期に既存事業の伸長を狙いとした広告宣伝費を投下いたしましたが、連結を構成する18社中15社が前期からの利益向上を果たし、当連結会計年度における業績は全ての項目において過去最高の業績となりました。
a 経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高41,799百万円(前期比112.0%)、営業利益3,411百万円(前期比139.4%)、経常利益3,419百万円(前期比137.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益2,224百万円(前期比135.0%)となりました。
b 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,843百万円増加し、19,930百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ76百万円減少し、7,691百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,919百万円増加し、12,238百万円となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりです。
(クリエイティブ分野(日本))
クリエイティブ分野(日本)は、グループの中核となる当社が、映像、ゲーム、Web、広告・出版等のクリエイティブ領域で活躍するクリエイターを対象としたプロデュース、ライツマネジメント、エージェンシー事業を展開している他、連結子会社である株式会社クレイテックワークスがゲーム分野でのプロデュース事業を、2020年7月に連結子会社化した株式会社ウイングが、TV・映像分野のエージェンシー事業を展開しております。
映像・TV・映像技術関連分野においては、TV局各局の番組制作需要を的確に捉え成長いたしました。当社が企画制作するTV番組『家事ヤロウ!!!』(テレビ朝日系列)は、番組公式Instagramのフォロワー数が国内のテレビ番組公式アカウントとしてトップとなる249万人(2022年3月末)となる等好評を得ております。また、NHK出身者により設立された株式会社ウイングは、NHK及び関連会社の番組制作・編集部門へのスタッフ派遣、気象キャスターの派遣等を展開しており、当社の持つ幅広いネットワークとの融合により業容拡大をはかっております。
動画配信サービスへの取り組みとしては、YouTubeを中心に活躍する動画クリエイターをサポートするMCN「The Online Creators(OC)」において、企業やTV番組のYouTubeチャンネルの運用受託が増加しております。ネットワークするYouTubeクリエイターによる総チャンネル数は300超(2022年2月末)となり、順調に推移しております。
ゲーム分野においては、当社及び連結子会社株式会社クレイテックワークスにおいて、開発スタジオでの制作受託や、IP(知的財産)を活用した自社開発を推進しております。また、開発スタジオと連動した業界未経験者の育成機関「クリエイティブアカデミー」や、外国籍人材の積極的な登用を通じて、人手不足と言われるゲーム業界のニーズに着実に対応しております。
XR(VR/AR/MR)への取り組みに関しては、独自開発したオリジナルの実写VR教材を短時間で企業が制作できる「ファストVR」の販売が進んでいる他、連結子会社株式会社VR Japanとの連携による「低遅延VRリアルタイム配信システム」を基盤とした「低遅延VR遠隔同時講義システム」の開発や、企業と共同で災害体感教育ツールを開発する等、企業の教育研修やビジネス領域においてハードからコンテンツまで一貫したソリューションの開発・販売実績を積み重ねております。
Web分野においては、Webクリエイティブやデジタルマーケティング、さらにDXにおけるプロフェッショナルのネットワーク拡充をはかっております。コロナ禍の影響により、一層高まった企業のデジタルマーケティングやデジタル化による業務改革の需要を捉えた提案や、全国の拠点を活かしたエリア戦略等により、業容の拡大に努めております。
出版分野では、Amazon Kindle等の電子書店に取次を行なう電子書籍取次が、コロナ禍での外出自粛による巣ごもり需要も手伝い、配信数、ダウンロード数が引き続き順調に増加した他、発掘した漫画家や作家の作品を収益化する「漫画LABO」からは、各電子書店で1位を獲得した『間違いで求婚された女は一年後離縁される』(著者:ホイップクリーム、ヤマトミライ、Amary)等のベストセラー作品が誕生いたしました。
建築分野では、一級建築士の紹介及びBIM技術者の派遣を行なうエージェンシー事業や設計・建築の受託案件が堅調に拡大している他、特徴的な賃貸物件プロデュースの「CREATIVE RESIDENCEⓇ SERIES」、VR空間でハウスメーカーや工務店等が顧客に住宅をプレゼンテーション・販売できるサービスVR建築展示場「XR-EXPOⓇ」を展開しております。
新たな分野として、AI等コンピュータサイエンスの技術者や博士、ライフサイエンスの研究開発者や研究開発補助者、料理人、企業における業務や機能の最高責任者であるCXOのエージェンシー事業等を展開し、今後の成長に繋がる取り組みを積極的に展開しております。
なお、映像やゲーム、Webコンテンツ開発など、年々分野と規模を拡大してきたスタジオを包括し、2021年12月、日本最大級のクリエイティブ開発スタジオ「C&R Creative Studios」として新たにスタートいたしました。2022年2月には、本スタジオに関するテレビCMを放映いたしました。日本から世界を席巻するようなコンテンツ開発を行なうとともにブランディング化をはかり、世界中の優秀なクリエイターの獲得を目指してまいります。
これらの結果、クリエイティブ分野(日本)は、売上高29,444百万円(前年同期比113.1%)、セグメント利益(営業利益)2,478百万円(前年同期比139.6%)となりました。
(クリエイティブ分野(韓国))
クリエイティブ分野(韓国)は、連結子会社CREEK & RIVER ENTERTAINMENT Co., Ltd.及び連結子会社CREEK & RIVER KOREA Co., Ltd.が、クリエイティブ分野(日本)と同様のビジネスモデルを韓国にて展開しております。
韓国のTV業界で多くの映像プロフェッショナルの派遣実績を誇る他、出版分野等において当社との連携を高め、映像分野以外への進出やライツマネジメント事業を強化し、収益の多様化を進めております。
当連結会計年度における業績は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響がありながらも、コンテンツ事業のデジタルコミック(Webtoon)開発を進める等、今後の収益向上へ繋がる仕組みを整え、前年同期を上回って推移いたしました。
これらの結果、クリエイティブ分野(韓国)は売上高3,468百万円(前年同期比106.1%)、セグメント利益(営業利益)0百万円(前年同期はセグメント損失49百万円)となりました。
(医療分野)
医療分野は、連結子会社株式会社メディカル・プリンシプル社が「民間医局」のブランドのもと、ドクター・エージェンシーを中心とした事業を展開しております。
医療機関や自治体、医師や看護師の多様なニーズに応えるべく、医師の紹介事業を中心に、研修医・医学生を対象として全国各地で開催する研修病院合同説明会「レジナビFair」やオンライン開催の「レジナビFairオンライン」、臨床研修情報サイト「レジナビ」、若手医師向け情報収集サイト「民間医局コネクト」等のサービスを展開しております。
主軸の医師紹介事業は、全国各地での慢性的な人材不足、地域的偏在を背景に医師へのニーズは高く、また、全国の新型コロナワクチン接種ニーズに対応し、17拠点を通じて医療機関、自治体、企業に累計で約17,000件の医師紹介を行なう等、順調に事業を成長させております。
また、医療従事者への感染症拡大を未然に防ぐため、前年より引き続き「レジナビFair」のリアル開催が困難な状況が続きましたが、オンラインにて実施する環境を整え、収益化をはかっております。
さらに、地域医療周辺サービス事業を行なう連結子会社株式会社コミュニティ・メディカル・イノベーションは、最新のITやAIのテクノロジーも活用し、介護事業を含む効果的な地域医療周辺サービス事業の提供により、地域医療における高齢化、医師の偏在といった課題の解決に取り組んでまいります。
これらの結果、医療分野は売上高4,406百万円(前年同期比112.3%)、セグメント利益(営業利益)869百万円(前年同期比120.1%)となりました。
(会計・法曹分野)
会計・法曹分野は、連結子会社ジャスネットコミュニケーションズ株式会社及び連結子会社株式会社C&Rリーガル・エージェンシー社が、会計士や弁護士を対象としたエージェンシー事業を中心に展開しております。
各種関連団体との関係強化、クライアント企業・事務所との共同セミナーの積極的な開催等を通じ、業界内における認知度向上をはかり、エージェンシー事業のさらなる拡大に努めております。また、これまで培ってきたネットワークを活かし、会計事務所・法律事務所やその顧問先の事業承継ニーズに対応すべく、「事業承継・M&A支援サービス」を展開している他、在宅で活躍する経理・法務人材の紹介事業を行なう等、サービスの拡充をはかっております。
また、法曹分野においては、ビジネスローヤーのブランディングと営業を支援する「Business Lawyer's Marketing Service」を開始する等、次につながる新たな施策を展開しております。
当連結会計年度における業績は、人材紹介事業において、クライアントの管理部門の採用選考遅延や採用計画の見直し等、コロナ禍の影響を第2四半期まで強く受けましたが、登録者及びクライアント双方に対するきめ細やかな対応を徹底することで、前年同期を上回って推移いたしました。
これらの結果、会計・法曹分野は売上高2,109百万円(前年同期比106.2%)、セグメント利益(営業利益)118百万円(前年同期比118.3%)となりました。
(その他の事業)
IT分野のエージェンシー事業を展開する連結子会社株式会社リーディング・エッジ社では、ロボット・AI等、市場ニーズに合わせ、プログラム言語Pythonに精通した5,000名以上のエンジニア等のネットワークを構築し、ITエンジニアの採用や育成、紹介に取り組んでおります。エンジニアに対するニーズは引き続き旺盛で優秀な人材の確保を積極的に進めております。
ファッション分野のエージェンシー事業を展開する連結子会社株式会社インター・ベルは、販売職の派遣及び店舗の運営代行業務等を展開しております。アパレル業界では、政府による緊急事態宣言は解除されたものの、百貨店や商業施設への来客数はコロナ禍以前には回復しない状況が継続いたしました。そのような中、インター・ベルでは、独自ノウハウを活かした販売代行事業が成果を上げ始めた他、オンラインを活用した接客やライブコマースを導入する等、ポストコロナ社会における新たな収益機会を的確に捉え、いち早く再成長軌道へと回復しております。
人材メディア事業を展開する連結子会社株式会社プロフェッショナルメディアにおいては、前期に広告業界の求人サイトから、市場ニーズに合わせてリニューアルしたWeb・IT・AI業界の総合求人サイト「DXキャリア」の業容拡大に取り組んでおります。
連結子会社株式会社VR Japanは、中国IDEALENS社及びSKYWORTH社のVRゴーグルの日本国内での販売・運用・保守を行なっております。「低遅延VRリアルタイム配信システム」や「VR遠隔同時講義システム」等の開発を推進し、特に医療分野における教育研修等の領域において、事業基盤を構築しつつあります。
AIを用いたシステムの企画・開発・販売・運用・保守事業を行なう連結子会社株式会社Idrasysでは、需要予測やスコアリング等を可能にする独自のAIクラウドプラットフォーム「Forecasting Experience」を通じて、企業のデータ活用支援を展開しております。
米国にて法曹分野のSNSプラットフォーム「JURISTERRA」の開発・運営を行なう連結子会社CREEK & RIVER Global, Inc.は、米国と日本を結んだ法務コンサルティングサービスを展開しております。
連結子会社株式会社Gruneでは、ITコンサルティング、WebアプリケーションやAIシステムの構築を行なっており、高い技術力を背景に当社の持つ顧客基盤を活用し、事業規模の拡大をはかっております。なお、重要性が増したため、当連結会計年度より同社を連結の範囲に含めております。
また、前連結会計年度まで連結子会社であったエコノミックインデックス株式会社は、全株式を譲渡したため、当連結会計年度より連結の範囲から除外しております。
2020年10月に連結子会社化したきづきアーキテクト株式会社は、当社と連携し、東京都より受託する「5G技術活用型開発等促進事業」にてスタートアップ支援を行なう等、当社グループが取り組む新規事業の加速化に貢献しております。
当連結会計年度における売上高は前年同期を上回って推移し、セグメント利益は投資段階の事業の利益改善等も寄与し、前年同期より改善いたしました。
これらの結果、その他の事業は売上高2,371百万円(前年同期比112.5%)、セグメント損失(営業損失)32百万円(前年同期はセグメント損失104百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、営業活動によるキャッシュ・フロー2,521百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フロー1,185百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フロー705百万円の支出となり、前連結会計年度末に比べて796百万円増加し8,294百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益3,348百万円、法人税等の支払額1,013百万円等により、2,521百万円の収入(前連結会計年度は1,956百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出211百万円、出資金の払込による支出333百万円及び無形固定資産の取得による支出416百万円等により、1,185百万円の支出(前連結会計年度は430百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出196百万円及び配当金の支払額362百万円等により、705百万円の支出(前連結会計年度は62百万円の収入)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
販売実績
セグメントの名称 |
第32期 2022年2月期 |
||
金額(百万円) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
|
クリエイティブ分野(日本) |
29,444 |
70.4 |
113.1 |
クリエイティブ分野(韓国) |
3,468 |
8.3 |
106.1 |
医療分野 |
4,406 |
10.5 |
112.3 |
会計・法曹分野 |
2,109 |
5.1 |
106.2 |
その他の事業 |
2,371 |
5.7 |
112.5 |
合計 |
41,799 |
100.0 |
112.0 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等を含んでおりません。
3 主要顧客(総販売実績に対する割合が10%以上)に該当するものはありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要となる見積り及び仮定に関しては、過去の実績等を勘案し合理的と判断される基準に基づき行なっておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大による影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度末の財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて1,843百万円増加し19,930百万円となりました。これは主として、業容拡大に伴う現金及び預金の増加並びに受取手形及び売掛金の増加によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べて76百万円減少し7,691百万円となりました。これは主として、借入金の減少によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末より1,919百万円増加し12,238百万円となりました。これは主として親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。
それぞれの内容については、次のとおりです。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、15,531百万円(前連結会計年度末比1,407百万円の増加)となりました。これは、主として業容拡大に伴う現金及び預金の増加並びに、受取手形及び売掛金の増加等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、4,398百万円(前連結会計年度末比435百万円の増加)となりました。これは主として、出資金及び投資有価証券の増加によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、6,639百万円(前連結会計年度末比3百万円の増加)となりました。これは主として、売上高増加に伴う営業未払金の増加等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、1,052百万円(前連結会計年度末比80百万円の減少)となりました。これは、主として確定拠出年金制度移行に伴い退職給付に係る債務が減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産の残高は、12,238百万円(前連結会計年度末比1,919百万円の増加)となりました。これは主として親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。
③ 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度における経営成績に関しては、医療分野における全国各地でのイベントの中止、会計・法曹分野における人材ニーズ回復の遅れ等に一部新型コロナウイルスの影響が残ったものの、当社グループの中核を担うクリエイティブ分野(日本)並びに医療分野を中心としてプロデュース事業、エージェンシー事業、ライツマネジメント事業が着実に伸長し、連結を構成する18社中15社が利益向上を果たしました。あわせて、営業面並びに社内業務面におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)化をさらに進め、生産性向上及び業務効率化が進展いたしました。
以上により、売上高及び全ての利益項目において過去最高の業績を達成いたしました。
指標 |
31期(実績) |
32期(実績) |
前期比 |
売上高 |
37,314百万円 |
41,799百万円 |
4,485百万円増 |
営業利益 |
2,447百万円 |
3,411百万円 |
963百万円増 |
売上高営業利益率 |
6.6% |
8.2% |
1.6ポイント増 |
指標 |
32期(計画) |
32期(実績) |
計画比 |
売上高 |
40,000百万円 |
41,799百万円 |
1,799百万円増 |
営業利益 |
2,850百万円 |
3,411百万円 |
561百万円増 |
売上高営業利益率 |
7.1% |
8.2% |
1.1ポイント増 |
(注)32期計画数値は、期初発表の計画数値を記載しております。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、41,799百万円(前期比112.0%)となりました。
全セグメントにおいて増収を達成し、特に、プロデュース事業及びライツマネジメント事業が伸長いたしました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、15,406百万円(前期比115.5%)となりました。前年に引き続きクリエイティブ分野(日本)を中心に採算管理を徹底したことに加え、相対的に利益率の高いプロデュース事業及びライツマネジメント事業の伸長により、売上高に対する比率は36.9%となり、前期比で1.1ポイント向上いたしました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、11,994百万円(前期比110.1%)となり、この結果営業利益は3,411百万円(前期比139.4%)となりました。事業拡大に伴い引き続き人件費は増加したものの、徹底的な無駄の排除による経費の見直しにより販売費及び一般管理費の伸びを抑制することで、当社が重視する経営指標である売上高営業利益率については、前期比で1.6ポイント向上し8.2%となりました。また、期初計画数値についても、1.1ポイント上回ることができました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、3,419百万円(前期比137.6%)となり、その要因は営業利益と同様であります。
(特別損益)
当連結会計年度における特別損益は、70百万円の損失となりました。これは、主に連結子会社において、ソフトウエアの減損損失を計上したこと等によるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、3,348百万円となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は1,118百万円となりました。この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、2,224百万円(前期比135.0%)となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおり、法的規制、情報管理、市場環境等の様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があるものと認識しております。
そのため、当社グループは、リスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及びリスクの低減に努めてまいります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ796百万円増加し8,294百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益を中心とした営業活動によるキャッシュ・フローの収入によるものです。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、現時点においては、十分な流動性を確保しているものと認識しております。
なお、安定的な事業成長をはかりつつ、中長期の成長を見据え、今後も積極的な人材の採用や新規事業への投資を行なっていく方針です。原則として、自己資金及び営業活動によるキャッシュ・フローを充当していく方針であり、現時点において重要な資本的支出は予定しておりませんが、M&A等の資金需要が発生した場合には、金融機関からの調達も含め、適時適切に対応を行なってまいります。
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