課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループは、「人の能力を最大限に引き出し、人と社会の幸せのために貢献する」ことを統括理念とし、安定的な成長を続け、あらゆるステークホルダーから信頼される企業グループとして、社会的責任を果たしていくことを経営目標としております。

また、「プロフェッショナルの生涯価値の向上」と「クライアントの価値創造への貢献」を追求し、クリエイティブ、医療、IT、法曹、会計、建築、ファッション、食、研究等の各分野において、独創的かつ付加価値の高いサービスを提供することにより、企業価値の最大化をはかり、社会の繁栄と活性化の一翼を担っていきたいと考えております。

 

(2) 経営環境

当社グループを取り巻く経済情勢は、新型コロナウイルス感染症の再拡大や欧州での紛争、東アジアの地政学的リスクによる経済や社会への影響が懸念され、予断を許さない状況が続くことが予想されます。当社グループのネットワークする、クリエイター、医師、ITエンジニア、弁護士、会計士、建築士、ファッションデザイナー、シェフ、研究者等、専門的な技術を有するプロフェッショナルに対するクライアントのニーズは底堅く推移するものと見込んでおりますが、その内容はより一層多様化していくものと考えております。

したがって、当社グループでは、各セグメントにおいてその専門性を高め、①エージェンシー事業(人材派遣、人材紹介)、②プロデュース事業(開発・請負)、③ライツマネジメント(知的財産の収益化)事業の3つのサービスを複合的に展開しており、そのサービスレベルをより一層高めております。同時に、セグメントを超えた取り組みを加速させることで、グループとしての付加価値創出をはかり、他に類を見ない企業グループを目指してまいります。

なお、新型コロナウイルスの影響は、各セグメントにおいて、クライアントにおける人材採用選考における著しい遅延や採用計画の見直し等が生じました。また、医療分野においては、全国各地でのイベントの中止を余儀なくされました。当社グループとしては、クライアントのニーズに対し複合的なサービスにより木目細かく対応していくこと並びに、クライアント毎の取引戦略を明確にすることで、業績への影響を軽減してまいります。また、オンラインでのイベント開催を可能とするプラットフォームの構築や、リモートワークを活用した制作スタジオ機能を構築する等、新型コロナウイルスによる変化を機会と捉え、新たな収益機会や採算性の向上に繋げてまいります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、プロフェッショナルとともに成長し、その叡智を組み合わせることで、新たな価値を生み出す事業を展開しております。当社グループの理念と事業活動は、国際連合が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」の考え方とその目標そのものであり、事業活動を通じて、社会全体の永続的な発展に貢献してまいります。

この考えのもと、2021年3月より2024年2月までの3年間を経営期間とする中期経営計画を策定いたしました。テーマとしては、「プロフェッショナルとともに事業を創造することにより、豊かな社会を創る」ことを掲げております。①プロフェッショナル分野のさらなる拡大、②新規サービスの創出、③経営人材の創出、④コーポレート・ガバナンスの強化、の4つの基本戦略を基に、より高い信頼を得られる企業グループを目指し、グループ全体での価値向上に努めてまいります。

 

①  プロフェッショナル分野のさらなる拡大

プロフェッショナルの叡智により、クライアントのニーズに的確かつ迅速に対応できる機動的な体制を整えるとともに、これまで蓄積したノウハウを活用し更なる深耕をはかってまいります。更に、ネットワークするプロフェッショナル分野を拡大する「プロフェッショナル50分野構想」の着実な進展により、クライアントの企業価値向上への貢献を目指してまいります。

 

②  新規サービスの創出

当社グループは、急激に変化する市場を先行的に捉え、的確に対応するため、プロフェッショナルの能力を組み合わせた新規サービスの創出に取り組んでまいります。日本のコンテンツの海外展開や、VR(Virtual Reality)、AI等新たな市場でのサービス基盤を確立し、さらなる付加価値の提供を目指してまいります。

 

③  経営人材の創出

当社グループの目指す経営計画の実現には、各々の事業を担う経営人材が重要であると認識しており、社員教育の充実及び採用の強化をはかり、また、連結経営の高度化により、グループ全体の経営効率を高め、強い結束力とシナジー効果を発揮する企業グループを目指してまいります。

 

④  コーポレート・ガバナンスの強化

当社グループの規模拡大に伴い、増大するリスクに未然に対処するため、法令遵守、リスク管理の徹底と内部統制機能の充実を更に進めてまいります。また、適宜業務フローの整備・改善を行ない、正確・迅速な業務処理を進め、効率的な資産管理とキャッシュ・フローの管理に努めてまいります。

 

(4) 目標とする経営指標

当社グループは、収益力の向上をはかるため、売上高営業利益率を経営指標とするとともに、キャッシュ・フローを重視しております。中長期的には更に、資本の効率性及び収益性を重視した総資産利益率を目標指標として経営を行なってまいりたいと考えております。

 

(5) 会社の対処すべき課題

当社グループは、「(2) 経営環境」に記載した環境を踏まえ、クライアントとプロフェッショナルの方々のニーズをより的確に捉え、新たな課題の変化に迅速に対応するために、次の諸施策に取り組んでおります。

 

①  プロフェッショナルネットワークの拡充

クライアントのニーズの多様化により、優秀なプロフェッショナルの確保・育成は当社グループの事業拡大における基盤となるものと認識しております。当社グループでは、様々な分野で活躍するプロフェッショナルに国内外の仕事の情報を提供し、またプロフェッショナルの生涯価値を高めるための教育や育成機関を充実する等、様々な施策を展開しております。今後はさらに、新たな人材の確保とキャリアアップを支援するため、専門教育やWebを中心としたメディアをより一層充実させるとともに、グループ横断でのマーケティングを強化してまいります。

 

②  人材確保及び社内教育制度の充実

当社グループでは、質の高いサービスの提供を維持しつつ、継続的な業容拡大を続けていくために、中途・新卒を問わず優秀な人材の積極的な採用が必要であると考えております。また、人員の増加に併せ、理念教育や階層別研修の実施等、教育制度の一層の充実に努めてまいります。

 

③  情報管理体制及び内部管理体制の強化

当社グループでは、多数のプロフェッショナルからなるネットワークを有し、また多くのクライアントとの取引があることから、情報管理は経営の重要課題と認識しております。プライバシーマーク認定を取得する等、より一層の情報管理体制の強化に努めております。

また、当社グループは、金融商品取引法により法制化された財務報告に係る内部統制報告が義務付けられております。グループとしての持続的な成長を目指し、内部統制システムの一層の運用強化をはかってまいります。
 

(6) サステナビリティ重視の経営

①  サステナビリティ基本方針

当社グループの統括理念「人の能力は、無限の可能性を秘めています。私たちは、その能力を最大限に引き出し、人と社会の幸せのために貢献します」に基づく当社グループの使命「すべてのステークホルダーへの価値提供」の実現に向けて、様々な社会課題の解決や地球環境の保全について、プロフェッショナルを軸とした事業活動を当社グループ一丸となって取り組むことにより、社会全体の永続的な発展及び当社グループの永続的な成長の両立をめざしてまいります。

 

②  サステナビリティ推進体制

当社の内部規程「サステナビリティ委員会規程」に基づき、経営企画部、総務部、人事部、専門職人事部及び委員長が指名するメンバーを推進委員とする、当社及び当社グループを対象範囲とした「サステナビリティ委員会」を設置しております。

 

③  マテリアリティ特定のプロセス

当社グループが目指す経営と、社会、環境に与える影響に焦点を当て、その課題と機会について検討し、次のマテリアリティを特定しております。

 

STEP1 ステークホルダーとの対話

当社グループに対する期待と優先的に取り組む課題について、投資家、サステナビリティの有識者などのステークホルダーとの対話、ヒアリングを実施しました。

 

STEP2 課題の把握と特定

当社グループがめざす経営と、社会・環境に与える影響、中期経営計画に焦点をあて、ESG評価機関、GRI、SASB、など内外のガイドラインも参考にして、社会課題を把握、整理。

 

STEP3 自社による議論と特定

代表取締役がリーダーを務める会議で、関係役員、関係部署が議論をかさねた重点テーマを5つに決定。

 

STEP4 活動の検証と今後の予定

重点テーマを特定した後も、社会情勢の変化を踏まえ、定期的なステークホルダーとの対話を継続的に実施します。また、2021年12月に取締役会の諮問機関として設置したサステナビリティ委員会を中心に、具体的な取り組みを推進します。今後重要指標(KPI)のさらなる開示にむけて検討を行ってまいります。

 

④  特定したマテリアリティ

1:様々なプロフェッショナルが活躍できる機会と環境を創出 <関連するSDGs4・8>

・プロフェッショナル50分野構想の進展

・社会の変化に対応できる教育の提供

・雇用問題/所得格差への取り組み

 

2:プロフェッショナルネットワークによる新規ビジネスの創出 <関連するSDGs3・10>

・プロフェッショナルの能力を活かす新たな価値の創造

・グローバル展開

・地方創生

 

3:プロフェッショナルの叡智を活用した環境への取り組み <関連するSDGs13>

・脱炭素社会への実現

・循環型社会の実現

・自然共生社会の実現

 

4:多様な人材の育成と働く環境の整備 <関連するSDGs3・4・5>

・経営人材の創出

・ダイバーシティ&インクルージョンの取り組み

・専門職が力を発揮するための教育

 

5:責任ある企業と経営基盤の確立

・コーポレート・ガバナンスの強化

・法令遵守/社会的規範

・情報セキュリティ/プライバシー保護

 

また、当社は、2021年10月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しており、TCFD提言に沿った気候リスク・機会のシナリオ分析を実施し、自社の事業活動や収益等に与える影響を分析し、対応を検討し、気候関連情報開示を行っております。

 

当社グループのサステナビリティ全般に関する取り組みはコーポレートサイトにおいて開示しております。

https://www.cri.co.jp/sustainability/

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