業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、緊急事態宣言の発出と解除、まん延防止等重点措置の適用と解除が繰り返される中、全面解除には至ってはおりませんが、各種規制の解除等に伴い、景気については持ち直しの動きがみられているものの、原材料価格の上昇、金融資本市場の変動、ウクライナ情勢等の影響で、先行きについては極めて不透明感が高い状況となっております。

このような状況のもと、当社グループは、各管理事業の管理ストック拡充に注力するとともに、前年度に新型コロナウイルス感染症拡大に伴い延期等の影響を受けた、大規模修繕工事を中心とした営繕工事業における各種工事及び保守の実施に積極的に取り組みました。

その結果、売上高は124,686百万円(前年同期比8.5%増)、営業利益は7,077百万円(前年同期比9.1%増)、経常利益は7,175百万円(前年同期比8.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高益の4,771百万円(前年同期比14.1%増)となりました。

 当連結会計年度の売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は、以下のとおりであります。

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

2021年3月期

114,967

6,485

6,589

4,182

2022年3月期

124,686

7,077

7,175

4,771

増減

9,718

592

585

589

伸び率

8.5%

9.1%

8.9%

14.1%

 セグメントの概況は、以下のとおりであります。

(マンション管理事業)

マンション管理事業につきましては、当社においては、前連結会計年度に受託した物件が計画通りに稼働したことに加え、地震保険の中途付帯をはじめとする、管理ストックから派生する周辺事業が好調に推移したことが売上高及び利益に寄与いたしました。一方で、前期に長期保険契約の更新に伴う保険代理店手数料の増加が大きく寄与していたことから、利益については前期比で減少いたしました。

国内における当連結会計年度末の管理戸数は期中に8,342戸増加して478,240戸、海外を含めたグループ全体の管理戸数合計は586,372戸となっております。

その結果、売上高は54,397百万円(前年同期比3.3%増)、営業利益は4,358百万円(前年同期比9.7%減)となりました。

(ビル管理事業)

ビル管理事業につきましては、当社においては、新規受注が好調に推移したことが売上高及び利益に寄与いたしましたが、前期に国内子会社である山京ビルマネジメント株式会社において大型物件の売買仲介手数料が寄与していたことの反動や、ベトナムにおける子会社において新型コロナウイルス感染症の影響による各種費用の増加により、利益については前期比で減少いたしました。

その結果、売上高は9,327百万円(前年同期比7.0%増)、営業利益は584百万円(前年同期比1.8%減)となりました。

(不動産管理事業)

不動産管理事業につきましては、売上高については前期比で同水準となりましたが、仲介手数料が好調に推移したことが利益に寄与いたしました。

その結果、売上高は5,960百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益は628百万円(前年同期比10.5%増)となりました。

 

 

(営繕工事業)

営繕工事業につきましては、当社においては、各種工事の実施に積極的に取り組んだ結果、大規模修繕工事・一般営繕工事・保守とも好調に推移したことに加え、国内子会社である株式会社伊勝の受注が好調に推移いたしました。また収益認識に関する会計基準の適用により、従来は工事の進捗部分について成果の確実性が認められる工事については進行基準、その他の工事については完成基準を適用しておりましたが、工期のごく短い工事を除き一定期間にわたり収益を認識する方法に変更したことが、売上高・利益に影響いたしました。

 その結果、売上高は54,999百万円(前年同期比15.6%増)、営業利益は4,376百万円(前年同期比30.2%増)となりました。

 

 

セグメントの名称

売上高(百万円)

営業利益(百万円)

2021年

3月期

2022年

3月期

前期比

2021年

3月期

2022年

3月期

前期比

マンション管理事業

52,682

54,397

3.3%

4,824

4,358

△9.7%

ビル管理事業

8,720

9,327

7.0%

595

584

△1.8%

不動産管理事業

5,978

5,960

△0.3%

568

628

10.5%

営繕工事業

47,585

54,999

15.6%

3,362

4,376

30.2%

消去又は全社

△2,864

△2,870

合計

114,967

124,686

8.5%

6,485

7,077

9.1%

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,745百万円減少し、16,632百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は、5,516百万円(前年同期は3,790百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益7,164百万円、法人税等の支払額2,529百万円、売上債権及び契約資産の増加額697百万円、仕入債務の増加額728百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、6,309百万円(前年同期は1,089百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の預入と払戻に伴う純支出額94百万円、有形固定資産の取得による支出5,913百万円、無形固定資産の取得による支出250百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、2,222百万円(前年同期は1,759百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払いによる支出1,318百万円、有利子負債の減少額838百万円等によるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループの業務内容は、マンション及びビルの管理、賃貸、修繕等の役務提供を主体としております。

 したがって、生産実績の表示は困難なため、その記載は省略しております。

b.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

マンション管理事業

54,397

3.3

ビル管理事業

9,327

7.0

不動産管理事業

5,960

△0.3

営繕工事業

54,999

15.6

合計

124,686

8.5

(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

イ.財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ5,097百万円増加し、64,217百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金の減少2,529百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加2,112百万円、建物及び構築物の増加600百万円、土地の増加5,033百万円等であります。

負債は、前連結会計年度末に比べ1,182百万円増加し、24,222百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金の増加1,645百万円、有利子負債の減少514百万円等であります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ3,914百万円増加し、39,995百万円となりました。この主な要因は、会計方針の変更による利益剰余金期首残高の増加80百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加4,771百万円、剰余金の配当に伴う利益剰余金の減少1,318百万円等であります。

 

ロ.経営成績

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高及び利益とも、過去最高を更新いたしました。

この結果を残すことが出来たのは、各管理事業の管理ストック拡充に注力するとともに、前年度に新型コロナウイルス感染症拡大に伴い延期等の影響を受けた、大規模修繕工事を中心とした営繕工事業における各種工事及び保守の実施に積極的に取り組んだことが大きな要因と分析しています。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」を参照願います。

 

 

c.セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(マンション管理事業)

マンション管理事業は、管理ストックの拡充や、ストックから派生する周辺事業が好調に推移したことで増収となりましたが、前期に長期保険契約の更新に伴う代理店手数料が大幅に増加していたことの反動が減益の要因と認識しております。今後も、最低賃金上昇等の影響で、現業員の労務費を中心に人件費の上昇は続くと予想していることから、主たるお客様である管理組合に対し、管理委託料値上げの提案を進めていく必要があると分析しております。

(ビル管理事業)

ビル管理事業は、新規受注が好調に推移したことで増収となりましたが、前期に国内子会社である山京ビルマネジメント株式会社において大型物件の売買仲介手数料が寄与していたことの反動が減益の要因と認識しております。今後については、引き続き管理ストックの拡充や、主たるお客様であるビルオーナーに対する管理委託料値上げの提案を進めていく必要があると分析しております。

(不動産管理事業)

不動産管理事業は、売上高については前期比で同水準となりましたが、仲介手数料が好調に推移したことが増益の要因と認識しております。今後についても、管理ストックの拡充及び周辺事業の取込強化や、主たるお客様である賃貸マンションのオーナーに対する管理委託料値上げの提案を進めていく必要があると分析しております。

(営繕工事業)

営繕工事業は、前期に新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止や延期になっていた、各種工事の実施に積極的に取り組んだことや、収益認識方法の変更等が増収・増益の要因と認識しております。今後についても資材価格の変動等の影響はありますが、建物の高経年化が進む中、一般営繕工事を中心に需要が拡大すると分析していることから、積極的な受注に努めてまいります。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、収益力の向上を図るために、売上高経常利益率を経営上重要な指標として考え、財務体質強化の観点から、自己資本比率を重視すべき指標として考えています。当連結会計年度における売上高経常利益率は5.8%(前期比0.1ポイントの増加)であり、自己資本比率は、61.1%(前期比1.2ポイントの増加)となりました。引き続きこれらの指標について向上を図るとともに、全体のバランスがとれた経営を目指してまいります。

また、2019年5月に公表しました中期経営計画(PLAN23)の最終年度である2023年度における定量目標についても重要な指標と考えております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」を参照願います。

当社グループの資金需要のうち主なものは、人件費を中心とした営業費用、設備投資等によるものであります。

当社グループでは、運転資金及び投資資金につきましては、自己資金または借入金により資金を調達することを基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は3,254百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は16,632百万円となっております

 

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