課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社グループは、これまでにない「uniqueな価値」を提供することで人々の何気ない日常を豊かにし、新しい未来に変えていくことを目指しております。

 そのために、選び抜いた原材料とテクノロジーを掛け合わせ、価格を上回る品質をお客様に提供することをモットーに製品を提供させて頂くとともに、アンチエイジングに関わる事業の拡大を通じて更なる企業価値の向上に努め、株主・お客様・ビジネスパートナー・従業員等の全てのステークホルダーへの社会的責任を果たし、事業を通じて社会に貢献していくことを目指してまいります。

 

(当社の経営理念)

人の時間(とき)を、解き放つ。
老若男女、誰にでも等しく
時間は流れるようにすぎていく。
時間の連続は日常となり、日常の重なりは未来となる。
私達は人の時間に深く関わりたい。
これまでにない「uniqueな価値」を提供することで
何気ない日常を豊かにし、新しい未来に変えていく。
あなたの未来を解き放つために。

 

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、より高い成長性を確保する観点から「売上高」の成長率を重視しております。また、企業価値の拡大を図るという観点にも立ち、「営業利益」及び「親会社株主に帰属する当期純利益」並びに「売上高営業利益率」も重要な経営指標として位置づけております。

 

(3) 経営環境

 当社グループの属する化粧品の国内市場は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け縮小が続いています。経済産業省生産動態統計によると、2021年1月~12月の化粧品の国内工場出荷金額は1兆3,471億円となり、前年比約9%減となりました。一方、当社グループ主力製品である「ザ クレンジングバーム」が属するクレンジング市場については、メイク落としからスキンケア品としてのクレンジングの位置づけが変化し、富士経済「化粧品マーケティング要覧2022 No.1」によると、前年比10.2%増となる1,413億円となっております。クレンジング市場においては、オイルタイプ剤型及びクリームタイプ剤型が主たる剤型でありましたが、ここ数年でバームタイプ剤型が商品点数及び売上高を伸ばしてきております。新型コロナウイルス感染症の状況は、依然注視が必要な状況であることに加え、エネルギー価格や原材料価格の高騰など、景気回復への不透明感は残っておりますが、コロナ禍での行動制限が解除されてから外出機会が増加しており、化粧品市場は緩やかな回復が期待されております。

 このような環境の中、当社は、主力商品であるデュオ「ザ クレンジングバーム」のカテゴリNo.1の地位の維持・強化を目指すとともに、デュオ「ザ クレンジングバーム」に次ぐカナデルやクレイエンスを第2、第3の柱となる商品として育成し、創業以来培ってきたデジタルマーケティングのノウハウ及び商品企画力を生かして、更なる成長を目指してまいります。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、化粧品及びアンチエイジング領域において、圧倒的カテゴリNo. 1ブランドを複数作り育て、アンチエイジングカンパニーを目指すことを中長期目標として掲げています。この目標達成に向け「利益率の向上及び売上の安定化」を図るため、通信販売チャネルでは「CPO※1の低減」「LTV※2の向上」、卸売販売チャネルでは「1店舗当たりの売上高の拡大」を、またブランド別では、デュオ「ザ クレンジングバーム」シリーズのカテゴリNo. 1の地位の維持・強化とカナデル及びクレイエンスの育成を重点目標として掲げ、事業の成長を図っております。

 重点目標の実現に向けた具体的な施策としては、「クロスセル※3の拡大」「CRM※4の強化」「商品ラインナップの拡充」「デュオ、カナデル及びクレイエンスブランドの認知度・知名度向上」「新ブランド・新ビジネスの開発」を掲げております。

※1 CPO:新規定期販売1件を獲得するために要する費用で、Cost Per Orderの略です。

※2 LTV:定期販売のお客様による最初の購入から終わりまでの期間利益を示したもので、Life Time Valueの略です。

※3 クロスセル:定期販売のお客様に2つ以上の商品カテゴリをご購入いただくための施策です。

※4 CRM:顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指すマーケティング手法で、Customer Relationship Managementの略です。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 中長期的な会社の経営戦略の実現を果たすため、当社グループでは、以下の課題に取り組んでおります。

① 「デュオ」ブランドのスキンケアブランドへの成長

 当社グループ主力製品の「デュオ」の売上は堅調に推移してまいりましたが、当連結会計年度におきましては、昨年ローンチした「ブラックバーム」のブームが一巡したこと及び低価格類似対抗商品の台頭により減少傾向にあります。クレンジング市場の中で成熟フェーズに入った「デュオ」ブランドについては、クレンジングカテゴリ圧倒的売上No. 1の地位を維持するとともに、バーム以外のスキンケア製品の育成と基幹商品の開発等を通じて、クレンジングブランドからスキンケアブランドへの変革に取り組んでまいります。

 

② 「カナデル」ブランドの成長

 第2の収益の柱として育成中の「カナデル」ブランドにおいては、更なるブランド規模拡大に向け、デジタルマーケティングとマスマーケティングの両面から認知度向上施策を実施し、顧客層の拡大を図ってまいります。また、訴求力の高い医薬部外品、付加価値の高い限定商品やレフィル商品の投入等を通じ、利益創出の拡大にも取り組んでまいります。

 

③ 「クレイエンス」ブランドの成長

 白髪に悩む若年層をターゲットにした新ヘアケアブランド「クレイエンス」については、引き続き通信販売における新規顧客獲得に注力するとともに、TVCM等のマスマーケティングを活用したメディアミックス戦略により認知度を更に高め、新たに開始する小売店舗での売上拡大のための配荷店舗数の増加にも取り組んでまいります。

 

④ アンチエイジングをテーマとした新たな価値の創出

 当社グループは、化粧品の製造・販売事業における今後の更なる事業拡大に加え、アンチエイジングをテーマとした新たな価値を創出し、中長期の観点で安定的な収益基盤の構築を目指してまいります。

 

⑤ 海外事業の成長

 当連結会計年度におきましては、中国の広告規制と新型コロナウイルス感染症によるロックダウンの影響を受け、海外戦略を見直さざるを得なくなりましたが、引き続き、中国を中心とするアジア圏における海外での事業展開、中長期的な成長に向け、地域特性に合わせた最適な体制構築等の各種施策にしっかりと取り組んでまいります。

 

⑥ 人材の確保・育成

 当社グループは、アンチエイジングをテーマとした新たな価値を創出し、各種事業を展開していくことを目指すうえで、最重要となる経営資源は人的資源であると認識しております。

この課題に対処するため、中途採用活動を積極的に実施し、専門性あるいはポテンシャルの高い人材の確保に取り組むとともに、社員の業務遂行能力の向上のための教育や研修などを並行で行うことで人材の育成にも取り組んでまいります。

 

⑦ 内部管理体制の構築

 当社グループは、今後も事業の拡大を図るにあたり、継続的に社員が増加していく中で、事業をより効率的かつ安定的に運用していくためには、内部管理体制の強化を通じた業務の標準化と効率化が重要であると認識しております。

 この課題に対処するため、会社の規模や成長に合わせて、適宜、業務プロセスや内部統制の実効性を高めるための環境を整備し、コーポレート・ガバナンスを充実していくことにより、内部管理体制及び業務運営の最適化に取り組んでまいります。

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