研究開発活動

5【研究開発活動】

 当社グループにおける研究開発の基本方針は、需要業界の「技術革新」への迅速な対応と、「環境負荷の低減」及び「省資源」に貢献できる製品を開発することであります。

 当社グループにおける研究開発活動は、製紙用薬品事業については千葉研究所、市原研究所、樹脂事業については明石研究所、岩井研究所、新綜工業股份有限公司、化成品事業はKJケミカルズ株式会社八代工場において行っております。研究開発活動に従事する従業員は174名であり、連結ベースの総従業員数の24%にあたります。

 当連結会計年度における一般管理費及び総製造費用に含まれる研究開発費の総額は1,836百万円でありました。なお、各セグメント別の主な研究開発成果は次の通りであります。

(1) 製紙用薬品事業

 国内外の各需要家において、多様化するニーズを汲み上げ、それに対応した製品の開発・改良、及び最適処方の検討を行いました。特に、需要が堅調で、マシンの新設、及び印刷情報用紙等からの転抄が行われている家庭紙・段ボール原紙向けの製品開発に注力しました。

 また、昨今の海洋プラスチック問題に端を発した「プラスチックから紙へ」という流れに対応すべく、樹脂事業部と連携しつつ、新たな紙塗工剤の開発、処方の検討も行っております。

 その他、微生物に起因する諸トラブルを、従来技術とは全く異なる考え方で解決する薬品である「バイオフィルムコントロール剤」を開発し、現在、様々な分野の、多数のお客様との共同研究により、実用化に向けた検討を行っております。

 当事業における研究開発費の総額は769百万円であります。

(2) 樹脂事業

 顧客からの環境対応製品のニーズの高まりに対応し、保有する水性インキ用樹脂の技術を日本・海外で展開を進めるための開発を行うとともに、この技術を基に脱プラスチック用機能性コート剤用樹脂の開発にも注力しました。

 また、新たな事業領域に進出を目標とした水性塗料用シーラーの開発も行いました。

 加えて、粘着剤においては、新綜工業股份有限公司とのシナジー効果を創出すべく同社との連携による製品開発に着手しました。

 当事業における研究開発費の総額は540百万円であります。

(3) 化成品事業

 環境、安全性に配慮した機能性モノマー並びに高機能性オリゴマーとその製法開発、並びに、低毒性な機能性溶剤とその製法の開発に取り組むと共に、これら開発品の市場開発に取り組んでおります。

 当事業における研究開発費の総額は196百万円であります。

(4) 新規開発

新しい事業領域への展開として、セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤの研究開発を進めました。CNFについては性能向上と製造コスト低減、さらに用途開拓に取り組みました。銀ナノワイヤについては使用用途に合わせた製品開発と量産化検討、そして、顧客との共同開発による早期の実用化に取り組みました。

 新規開発に係る研究開発費の総額は330百万円であり、報告セグメントに帰属しない全社費用であります。

 

 

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