当社グループの経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。ただし、業績に影響を与え得る事項はこれらに限定されるものではありません。本項においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 親会社等との関係
当社グループは、親会社であるDIC株式会社(2021年12月31日現在、当社の総株主の議決権の54.5%を所有)を中心とするDICグループの一員であります。当社グループはDICグループとの間に製品の販売、原材料の仕入等の取引を行っており、資金融通システムを通じて資金の貸付を行っております。当社グループは事業運営、経営戦略及び人事政策等について自主的に決定、実行し、取引においても独立企業間原則に基づいて行っております。一部の印刷インキ用樹脂については、双方で製造・販売を行っておりますが、互いに独立した企業体として独自に研究開発、販売を行っており、DICグループから特段の制約等は受けておりません。しかし、DICグループの事業戦略などが変更された場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 需要業界の動向
当社グループの主な販売先は、製紙業界、印刷インキ業界及び事務機器業界であります。当社グループは、需要業界の経営戦略・ニーズに的確に対応し、競合他社に先駆けて差別化商品の投入に努めてまいりますが、これらの業界における需要の低迷、ニーズの変化、競争の激化等の要因が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、当社グループの製紙用薬品事業の売上高が連結売上高に占める割合は前連結会計年度で57.6%、当連結会計年度で56.6%であります。したがって、当社グループの売上高は、日本及び中国の製紙業界の生産動向の影響を大きく受けることになり、生産が減少した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 海外事業
当社グループは、事業地域の拡大の一環として中国をはじめとするアジア地域において積極的に事業を行っております。当社グループは、各国市場のニーズに適合した製品を投入することにより積極的な販売活動に努めてまいりますが、進出先における景気の後退、為替の大幅な変動、競争の激化等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 原料調達
当社グループの事業に用いる主要原材料は、石油化学品及びロジン(松脂)であります。当社グループは、世界市場を視野に入れた戦略的な購買に努めてまいりますが、今後の原油・ナフサ価格、ロジン価格の変動によって、原材料コストが大幅に上昇した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、原料調達先の災害・事故等によって原料調達が困難になることで当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 為替レートの変動
為替レートの変動は、原油・ナフサ及びロジン(松脂)の価格変動を通じて当社グループの輸入原料の調達コスト等を大幅に上昇させる可能性があるため、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、海外子会社における売上、費用、資産、負債を含む外貨建ての項目は、連結財務諸表作成のため円換算されており、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が大きく影響を受ける可能性があります。
(6) 災害・事故
当社グループが地震、台風等の自然災害に見舞われた場合、あるいは、火災等の事故が発生した場合には、人的、物的損害のほか、事業活動の停止や制約等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 法規制
当社グループは、事業活動を展開している日本及び中国、東南アジア等において、各種許認可や環境規制等の様々な法令の適用を受けております。当社グループでは、コンプライアンスの徹底を図りながら、法規制及び社会的ルールを遵守し事業活動を行っておりますが、法規制の大幅な変更・環境規制の強化が当社グループの事業活動に与える制限や規制遵守のためのコストの増大等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、社会的ルールの質的・量的な高まりに対応できなかった場合、当社グループの業績、財務状況、及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 紛争、訴訟等
当社グループは、知的財産権の侵害、その他国内外の事業活動に関連して、紛争及び訴訟等の対象となる可能性があります。その結果、当社グループに損害賠償責任が発生した場合には、当社グループの業績、財務状況、及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 製品の品質
当社グループは、製品企画、製品開発、製造等の各プロセスにおいて、品質管理・品質保証に関する取り組みを行っております。しかしながら、製品に起因する品質問題や製造物責任問題等が発生した場合には、当社グループの業績、財務状況、及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 減損会計
当社グループの固定資産の時価が著しく下落した場合、または事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により固定資産の減損処理を行う必要があるため、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 退職給付
当社の退職給付債務及び費用は、割引率、年金資産の期待運用収益率等の年金数理上の前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なった場合、または、前提条件に変更があった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12) パンデミック
感染症のパンデミックにより、それに伴う経済活動の停滞や需要業界の低迷により出荷が落ち込む可能性があり、また、当社グループにおいて感染者が出た場合には、事業活動の制限を受ける可能性があります。これらの結果として、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 気候変動への対応
当社グループは、事業活動に伴い排出される温室効果ガス(GHG)の削減について、2030年に2013年対比で50%削減するという目標を掲げるなど、気候変動リスクの低減に努めていますが、気候変動に関連する移行リスクや物理的リスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
気候変動に関連する移行リスクとしては、脱炭素化社会への急速な移行に伴う原燃料価格やエネルギー価格の上昇などによるコストの増加のため、収益性が低下する可能性があります。物理的リスクとしては、異常気象の激甚化に伴う製造事業所の操業やサプライチェーンへの悪影響により、製造能力の低下や一部製品で供給が遅延する可能性があります。
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