文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社グループは、古くから人々が利用してきたコラーゲン素材を活かし、食品市場や健康・美容市場及び医療分野において新たな価値を創造し、健康寿命の延伸や社会課題解決に寄与することを目標としております。また事業活動を通し、地球環境の保全や地域との共生を図りながら、持続可能な社会の実現に貢献すべく、社是及びビジョンを基に事業活動を展開してまいります。
≪社是≫
愛と信(まこと)を基盤とし、
最高の技術と最大の活力により、
社業を発展させ、もって社会に貢献し、
希望ある人生をきずこう。
≪ビジョン≫
「いつまでも元気で若々しくありたい」
そんな世界中の人々の願いをコラーゲンの飽くなき追求により叶えます。
1.お客様の「もっと」を叶える製品・サービスを提供します。
2.研究開発と生産革新に努め、コラーゲンの活躍の場を広げます。
3.挑戦を良しとする組織風土を築き、新たな市場を開拓・創造します。
当社グループは、長期的な成長戦略として主力製品のゼラチンに加えて、コラーゲンペプチドの販売を大きく拡大、さらには医療用分野を飛躍的に伸長させる等、事業ポートフォリオの大きな転換を図ります。
また、中期的な経営方針として経営基盤のさらなる強化・拡大を目指し、以下の3点に取り組みます。
① 注力市場に経営資源を重点配分し、高収益な会社になる
当社グループはコア領域であるフードソリューション、ヘルスサポート、バイオメディカルの各領域において、それぞれ注力市場を特定し、重点的に経営資源を配分します。これにより高付加価値製品の販売拡大を図り、各生産拠点ではDX、AI、ロボットの導入など生産革新を推進し国際的な競争力をつけることにより、高収益な会社を目指します。
② 挑戦を良しとし、取り組むための組織基盤を強化する
事業活動の推進には、重要なステークホルダーである従業員の成長が不可欠です。そのために、従業員の成長を願い、挑戦する人材の育成に努めると共に、新しい評価・処遇制度の構築と運用により、従業員エンゲージメントの向上を図ります。また、女性が生き生きと活躍できる環境を整える様々な取り組みを行っており、2022年3月に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づく優良企業として、厚生労働省より「えるぼし認定(2つ星)」の認定を取得しました。今後も多様な個性と能力を持った人材が能力を発揮できる職場環境の育成に努めることで、組織力の強化や生産性の向上を通して、組織基盤の強化を図ります。
③ ステークホルダーとのつながりを強化し、価値ある存在となる
当社グループは事業の発展を通じ、持続可能な社会の実現に貢献すると共に、関連するSDGsの達成を目標とします。また、従来取り組んできたCSR活動を発展させ、新たにサステナビリティ方針の制定と、最も重点的に取り組んでいく活動を選定、さらにその推進体制を構築しました。今後とも積極的にサステナビリティに取り組んでまいります。加えて、社内外での広報活動を強化することでステークホルダーとのつながりを深め、認知度向上による企業活動の円滑化を図ります。
(2)経営戦略等
① フードソリューション
ホテル・レストランや飲食チェーン店など外食産業は、新型コロナウイルス感染症対策による時短営業や休業により、大変厳しい状況にあります。また、営業を再開しても働き手が確保できず人手不足が深刻化しています。お客様は、高品質の料理を限られたスタッフで顧客宛に提供する必要があります。当社グループでは、このようなニーズにお応えするため、加工度の高い業務用製品の販売拡大に積極的に取り組みます。
また、コロナ禍にあり、一般消費者の健康への意識も高まっており、筋肉などを作る重要な要素であるタンパク質の市場拡大が見込まれます。当社グループでは、タンパク質補給ニーズに対応したコラーゲン製品やお客様の課題解決につながるソリューションを引き続き提案してまいります。
② ヘルスサポート
当社グループでは肌、骨、血管、筋肉などアンチエイジング効果をもつ機能性コラーゲンペプチドを「Wellnex(ウェルネックス)」ブランドとして展開しております。今後もコラーゲンペプチドの機能性の更なる追求を行い、スポーツにおける関節・筋肉のケア、高齢者のフレイル予防などの製品開発と販売を目指します。重点市場である北米及びアジアではWellnexブランドの認知度拡大により、美容用途の販売拡大に努めます。
また、一般消費者向けのコラーゲン食品・化粧品はリブランディングを行い、商品リニューアルとお客様の利便性を向上させるため通販Webサイトの刷新を行うと共に、積極的な広告宣伝により、直販事業の拡大を図ります。
③ バイオメディカル
再生医療など先端医療分野は今後も世界規模で成長が見込まれます。当社では、高い品質と安全性を備えたコラーゲン・ゼラチンを人工骨や人工皮膚等の医療機器用や、ドラッグデリバリー用ゲルとして製品を提供しつつ革新的技術の開発に取り組んできました。2022年の秋には、バイオメディカル製品の生産と研究・開発機能を集約した新研究棟「みらい館」の竣工を予定しております。新棟の稼働により、医療用コラーゲン・ゼラチンの品質、コスト、生産量等の競争力を高め、未来の医療へ貢献します。
(3)経営環境
① 新型コロナウイルス感染症の影響
各国では新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進んでおりますが、変異株の出現や幅広い年齢層への感染拡大などにより、新規感染者数や病床使用率に合わせた社会活動の制限が継続しています。また、海上輸送では、港湾混雑、海上輸送の遅延などにより世界的なサプライチェーンが混乱し、海上輸送費も高騰しています。
② 関税の段階的な撤廃
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)やEPA(経済連携協定)などの影響により関税が段階的に撤廃され、汎用製品の価格低下や競争激化が予想されます。
③ サステナビリティへの意識の高まり
世界は貧困や気候変動、人権問題、環境問題など多くの深刻な課題を抱えており、持続可能な社会を実現するため、企業の環境や社会課題への取り組みが重視されるようになっています。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、国内外の出張制限やテレワーク勤務、Web会議など感染状況に合わせた対応を引き続き実施してまいります。また、世界的な物流混乱に対応するため、原材料や製品について適正在庫の見直しを行い、生産及び販売活動の維持に努めます。
② 当社グループで生産しているコラーゲン関連製品は、畜産業や水産業で取り扱われている健康な牛・豚・魚の骨・皮・鱗を原材料としていますので、需給バランスにより原料価格の変動の影響を受けます。原料の多様化と新たな原料拠点の開拓により、安心・安全な原材料を調達すると共に、原料価格変動の影響を最小化するように努めます。
③ 当社のビジネスモデルは畜産業や水産業の副産物であるコラーゲン素材を活かして、食品や健康・美容及び医療分野に有益な製品を提供する循環型のビジネスモデルを基盤としています。昨年度制定したサステナビリティ方針の下、事業活動を通じた持続可能な社会への貢献を強化すると共に、「環境」「社会課題の解決」「より良い職場と人材育成」「地域社会との共生と貢献」を重点活動として取り組みます。また、お客様、株主、地域社会、従業員等全てのステークホルダーとのつながりを強化し、企業価値を高めます。そのために一般消費者向け広告やSNSなどの活用により広報活動を強化し、認知度向上を図ります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等
当社グループでは、事業の成長性と収益力向上の観点から、連結売上高及び連結営業利益を重要な経営指標と位置づけています。お客様のニーズに応える製品・サービスの提供及び研究開発と生産革新に努め、コラーゲンの新しい分野を開拓していくことで、事業の持続的な成長と収益の最大化を目指しております。
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