業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 (1)財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍の影響を受けたものの、ワクチン接種の普及や各種政策により消費活動が再開する等、経済活動は持ち直しの動きが見られました。一方で、長期化するサプライチェーンの混乱や原材料価格、物流費、人件費等の上昇が懸念される状況もあり、景気の先行きについては不透明な状況が続いております。

当社は、2021年10月25日に創立120周年を迎えました。今後も、「くらし」「ものづくり」「エネルギー」「いのち」「レジャー」をささえることを事業ドメインに、お客様のニーズにきめ細かくお応えしてまいります。

当連結会計年度の売上高は371億9千万円(前年同期比27.0%増)、営業利益は41億6千万円(前年同期比255.0%増)、経常利益は47億7千8百万円(前年同期比206.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は40億6千2百万円(前年同期比243.5%増)となりました。

なお、当連結会計年度は全ての項目(売上高、営業利益、経常利益、当期純利益)で過去最高となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

<産業用資材>

工業用品部門は、年度後半より原材料価格の上昇や供給の遅れなどが発生し始めたものの、自動車関連・住宅設備関連ともに世界的に好調な需要に支えられ、増収増益となりました。制御機器部門は、引き続き半導体・液晶市場の設備投資が好調を維持し、また、医療市場も堅調に推移し増収増益となりました。

この結果、売上高は234億1千6百万円(前年同期比23.1%増)、営業利益は11億5千1百万円(前年同期比202.4%増)となりました。

<引布加工品>

引布部門は、自動車及び電気・電子関連の好調が継続し、増収増益となりました。印刷材料部門は、輸出の受注回復があり、また生産体制見直しの効果と円安の影響により、増収増益となりました。加工品部門は、電力関連向け及び産業用資材関連は比較的堅調に推移しましたが、舶用品の国内市場向けが低迷し、減収減益となりました。

この結果、売上高は42億8千9百万円(前年同期比2.0%増)、営業利益は6千2百万円(前年同期比58.2%増)となりました。

<スポーツ用品>

ゴルフ用カーボンシャフト部門は、米国モデル『VENTUS』と日本モデル『SPEEDER NX』が日米で多くのツアープロに使用され、一般ユーザーへの認知が広がり、自社ブランド商品の販売が国内外で好調に推移し、さらにクラブメーカー向けOEM品の受注が増えた事により、増収増益となりました。アウトドア用品部門は、ハイキング市場が回復基調にあるものの物流の遅れ等により在庫不足になっておりましたが、第4四半期に入り海外生産の回復が進み、増収増益となりました。

この結果、売上高は91億1千9百万円(前年同期比60.4%増)、営業利益は34億9百万円(前年同期比175.2%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は3百万円減少し、営業利益は1百万円減少しております。

<その他>

運送部門は、売上面では前年度のような主要顧客の休業等の影響もなく堅調に推移しましたが、原油価格の高騰の影響を受け燃料費がかさみ、減収減益となりました。

この結果、売上高は3億6千4百万円(前年同期比0.8%減)、営業利益は7千1百万円(前年同期比4.9%減)となりました。

 

当期の財政状況は次のとおりであります。

(資産)

当連結会計年度末の資産は前連結会計年度末に比べ28億7千4百万円増加の377億5千万円となりました。現預金、売掛債権、棚卸資産の増加などにより流動資産が30億2千8百万円増加したことなどによるものであります。

(負債)

当連結会計年度末の負債は前連結会計年度末に比べ2億2千1百万円増加の102億7千7百万円となりました。短期借入金の返済を進めた一方で仕入債務の増加などにより流動負債が6億5千4百万円増加し、長期借入金の返済を進めたことなどにより固定負債が4億3千3百万円減少したことによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は前連結会計年度末に比べ26億5千3百万円増加の274億7千3百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことや自己株式の取得により自己株式が増加したことなどによるものであります。

 

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の71.2%から72.8%に上昇いたしました。

 

以上の結果、当社グループが企業価値の安定的、かつ着実な成長を示す指標(以下、「目標数値」という)と比べると、売上高営業利益率は11.2%(目標数値7%以上)、自己資本比率は72.8%(目標数値60%以上)、ROEは14.8%(目標数値7%以上)となりました。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「2 事業等のリスク」に掲げたリスクに対して、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に掲げた取り組みを進めています。引き続き、リスクに対する取り組みを進めてまいります。

 

 (2)キャッシュ・フローの状況

① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度末における「現金及び現金同等物」(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ11億2千5百万円増加し(前年同期比19.4%増)、69億5百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は47億9千5百万円となりました。これは主に「税金等調整前当期純利益」を51億6千1百万円計上したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は4億1千8百万円となりました。これは主に「有形固定資産の取得による支出」2億8千万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は37億7千2百万円となりました。これは主に「自己株式の取得による支出」20億5千3百万円によるものであります。

 

営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いた当期のフリー・キャッシュ・フローは、43億7千6百万円で、前連結会計年度末に比べ26億2千1百万円増加しました。

 

② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの主な資金需要は、原材料費、製造費、人件費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに固定資産等にかかる投資であり、主に自己資金により賄い、必要に応じ銀行借入等により対応しております。

 また、自己株式の購入及び今後の設備投資等の資金需要に備え、2021年11月に取引銀行とコミットメントライン契約を締結しております。更に今後においては第三者割当による新株予約権行使による資金調達を予定しており、流動性は十分な水準であると考えております。

 (3)生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 (単位 : 千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

産業用資材

24,359,850

128.2

引布加工品

4,656,581

104.4

スポーツ用品

4,493,706

125.9

合計

33,510,138

124.0

 

(注) 金額は販売価額によっております。

 

② 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 (単位 : 千円)

セグメントの名称

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

産業用資材

24,363,718

126.8

3,244,351

141.2

引布加工品

4,373,881

104.7

846,419

111.0

スポーツ用品

9,586,753

161.3

755,004

262.0

その他

364,189

99.2

合計

38,688,541

130.3

4,845,774

144.7

 

(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 (単位 : 千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

産業用資材

23,416,686

123.1

引布加工品

4,289,971

102.0

スポーツ用品

9,119,904

160.4

その他

364,189

99.2

合計

37,190,751

127.0

 

(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

 (4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを行なっております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の項目については、連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。

なお、新型コロナウイルス感染症及びロシア・ウクライナ情勢の影響につきましては、連結財務諸表作成時点で入手可能な情報をもとに将来の見積りに反映させております。

(繰延税金資産)

当社グループは、繰延税金資産について毎期回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、期末時点で入手可能な情報に基づき将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。この見積りに変動があった場合、繰延税金資産の調整により、利益に影響を及ぼす可能性があります。

(固定資産の減損処理)

当社グループは固定資産の減損会計の適用に際し、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングし、各グループ単位で将来キャッシュ・フローを見積り、将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額することとしております。この見積りに変動があった場合、減損損失が発生し、利益に影響を及ぼす可能性があります。

 

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