研究開発活動

5 【研究開発活動】

当社グループは、基盤技術を発展させ、環境規制に対応した製品や省エネルギーに貢献する製品、くらしや安全を守る製品などの開発に注力しております。また、動き・機能の解析技術、分析力を向上させ、お客様のご要望を共有する仕組み作りにも取り組んでおります。

当連結会計年度の研究開発費の総額は1,366百万円であります。

 

当連結会計年度におけるセグメント別の主な研究開発活動は次のとおりであります。

(1) 産業用資材

自動車部門では、カーボンニュートラルの動きに呼応して、ハイブリッド車をはじめ燃料電池自動車や電気自動車に搭載される、電池、流体制御機器、軽量化部品、熱マネジメント部品に対応した製品開発に注力しており、上市へ向けて進んでおります。

住宅設備機器部門では、永く安定して機能部品を供給している実績を背景に、環境への負荷が少ないエネルギーに対応した製品の開発を促進しております。更に災害に備える製品にも着目し、火災被害を抑制する熱膨張断熱材料、非常用のマグネシウム空気電池などを上市しております。

制御機器部門では、精密流体制御を使用する半導体製造工程や医療機器向け製品の拡充に取り組んでおります。医療分野では特殊な医療用シリコーンを使用したゴム弁や逆止弁など、ディスポーザブルの医療機器製品の部品開発を行っており、専用のクリーンルームを新設拡大しました。また、医療装置に使用する圧力流量制御機器の新たな開発についても注力し、拡充に取り組んでおります。主力製品であるエアベアリング・ダイヤフラム方式の低摩擦エアシリンダを軸に新たな精密駆動シリンダについても開発を進めており、それらを制御するための精密圧力制御機器のラインナップの増加と、医療・分析機器に使用される各種ガスや液体を精密制御する制御機器の開発にも力を入れております。併せてこれら要素機器を組み合わせたユニット品や装置化へも視野を広げ、大型金属加工品の内製化にも取り組み、お客様の利便性に寄与する製品及びユニット開発を進めております。

当セグメントにかかる研究開発費は985百万円であります。

 

 

(2) 引布加工品

引布部門では、当社の基盤技術であるカレンダー加工技術を主軸に高機能ゴムシート及びナイロン、ポリエステル、アラミド、ガラス繊維などと各種ゴムを複合化した高機能ゴム引布の開発を行っております。特に厚さ0.1~0.3mmの極薄ゴムシート、耐熱材料を用いたゴム引布は、医療、自動車、半導体、建築材料分野にて様々な形状に加工され使用されております。配合、加工技術をベースにした新しい高機能ゴムシート、ゴム引布の開発も進んでおります。

加工品部門では、基盤技術であるゴム引布加工技術を展開し、世界市場に向けて救命いかだをはじめとする救命関連製品の開発を行っており、2022年4月に新型式の救命いかだを上市いたしました。産業資材関連分野では、希少ガスであるヘリウムを再利用するために一時貯蔵するガスバッグ、発電所などのエネルギー関連や物流、その他様々な分野においてニーズにマッチした商品開発に取り組んでおります。

印刷機材部門では、世界のオフセット印刷市場に向け、顧客志向に合わせた対応をさらに充実させるために、世界規模で、パッケージ市場のみならず、薄紙印刷市場でも導入が進んでいる省エネ・省電力対応のUV印刷機向け及びUV・油性インキに兼用可能な製品を主体に、開発及び改良し提案をしております。環境対応も事業活動継続には不可欠との観点から、環境負荷物質の削減にも積極的に取り組んでおります。さらにプリンテッドエレクトロニクス分野では、ブランケット基盤技術から生まれたシリコーン製ブランケットを開発し、高い評価を受けております。

当セグメントにかかる研究開発費は165百万円であります。

 

(3) スポーツ用品

ゴルフ用カーボンシャフト部門では、米国モデル『VENTUS』と日本モデル『SPEEDER NX』をグローバルで展開することにより前年を大きく上回る販売実績を達成し、多くのゴルファーからご好評を頂いております。また、今春は飛距離性能に特化したJEWEL LINEから、超高弾性カーボンとボロン繊維を融合し圧倒的なハジキ感と振り易さを両立した『DAYTONA SPEEDER X』の販売を開始し、幅広いゴルファーが楽しめる商品ラインナップへ充実を図っております。

その基盤となるコア技術は、多くの主要メーカーから調達可能な各種カーボンプリプレグを使用する設計技術と、金属複合化特許技術とゴム複合化技術を組み合わせることにより特徴的な製品を作り出せる異素材の複合・結合技術であり、さらに自社開発の「三次元評価システムenso」によりシャフト挙動がスイングに与える影響を理論的に捉え、魅力的な商品作りを進めております。

また、ゴルフシャフト技術を応用したCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製ドライブシャフトをはじめとする各種CFRP製品の自動車用機能部品及び各種産業分野への展開を進めております。CFRPは鉄に比べて高強度・高剛性と軽量化が大きな特徴であり、近年ではドローンなどの無人航空機用部品や産業用ロボット部品の開発にも着手しております。

当セグメントにかかる研究開発費は215百万円であります。

 

(4) その他

該当事項はありません。

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