事業等のリスク

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。

 

(政治経済情勢)

当社グループは、世界各地に工場及び事業所を保有しており、各国の政治体制下における政策、及び経済状況の影響を受ける可能性があります。これに対し、積極的に情報収集を進め、さまざまなケースを想定して対策を講ずるべく努めております。

 

(需要変動等)

当社グループは、自動車関連部品が売上高の8割以上を占めており、自動車メーカー及び一次部品メーカーの経営戦略、生産動向の影響を受けます。特に、自動車メーカーのEV化、一次部品メーカーの統合やグローバル生産体制の見直しは、当社グループの需要動向に大きな影響を及ぼす可能性があります。顧客からの要請・ニーズの変化等を想定し、日常的な情報収集を進め、必要な技術開発投資などを適切に判断しながら対応策を検討しております。

 

(戦略的提携と合弁事業)

当社グループが推進する戦略的提携や合弁事業は、パートナーの経営方針や経営環境の変化により維持不可能となった場合には、当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。これに対し、パートナーと常に良好なコミュニケーションを維持しながら情報交換や必要な交渉に努め、不測の事態の回避を図ると同時に、状況の変化に即応できる態勢を維持しております。

 

(原材料及び部品の外部業者への依存)

当社グループは多数の外部の取引先から原材料及び部品を購入しており、原材料及び部品の高騰、供給逼迫、さらには取引先の廃業などによって影響を被る可能性があります。これに対し、取引先との良好な関係を維持しつつ、製造原価の低減に資する選択的購入や切り替え、災害等の不測の事態における安定調達を目的として、継続的に取引先の拡充や適正化を進めると同時に、取引先の経営状況の把握や必要な支援の提供等にも努めております。

 

(為替変動)

当社グループは海外に多くの取引先や提携先を持ち、事業所を展開しておりますため、為替レートの変動によって当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。これに対し、継続的に変動を注視するとともに、必要に応じてネッティングや予約等の施策を講じ、可能な限りマイナスインパクトを軽減するべく努めております。

 

(知的財産の保護)

当社グループが保有する、自社製品に関連する多数の特許及び商標等の知的財産が広範囲にわたって保護できない場合、あるいは不当に侵害された場合には、事業活動が影響を被る可能性があります。これに対し、常に侵害にあたる事実の把握に努めており、そのような事実を認めた場合には適切な対抗手段を取れる体制を整えております。

 

(製造物責任)

大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、当社グループの業績と財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。これに対し、設計から製品のリリースまでの全プロセスにおいて顧客や取引先との密なる連携に基づく工程並びに機能、品質の作りこみを常に心掛けております。また、万一の事態においては迅速なリカバリーと供給体制の維持に努めます。

 

(環境規制)

自動車部品業界は広範囲な環境その他の法的規制に服しており、これらの規制を遵守するための費用が、当社グループの事業にとって重大な金額となる可能性もあります。これに対し、日常的に情報の取得に努め、材料変更、工法・設備の改良、生産地変更など、負担軽減に向けた対応策を講じております。

 

 

(情報セキュリティ)

当社グループは、事業活動を通して得意先、取引先等の個人情報や機密情報を入手することがあり、また営業上・技術上の機密情報を保有しております。万一、サイバー攻撃その他によって情報セキュリティの仕組みが無効化し、これらの情報が流出または破壊された場合や、システムの停止等に陥った場合には、当社グループの業績や財務状況が影響を被る可能性があります。これに対し、万全のセキュリティを企図したグループ・ネットワークを構築し、日々の進化を図るとともに、グループ内の情報セキュリティ教育・啓蒙にも努めております。

 

(災害・戦争・社会インフラ麻痺等の影響)

当社グループは国内外に広く事業を展開しており、地震や津波等の自然災害、戦争、電力不足等の社会インフラの麻痺、伝染病、パンデミック、テロ、ストライキ等が発生した地域においては、原材料や部品の調達、生産活動、製品の販売及び物流などの遅延や停滞、また、受注減少や取引停止の可能性があります。そのような場合には、当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。これに対し、日常的に情報の収集と共有を進めているほか、万一の事態においては危機対策本部を設け、「安全最優先」の基本方針に則って従業員の安全・安心を守ると同時に、グループ内の連携と相互支援を強めるなど、経営への影響を最小限に留めるよう努めております。

 

(新型コロナウイルス感染症拡大の影響)

当社グループは国内外に広く事業を展開しており、今後、新型コロナウイルス感染症の拡大により、国内外の社会・経済が混乱に陥る場合には、受注の減少、原材料や部品の調達の停滞、生産活動の停止等により、当社グループの業績と財務状況が大きな影響を被る可能性があります。これに対し、さらなる合理化の推進や体質改善の努力を継続いたします。また、従業員及び家族の安全・安心を確保するため、テレワークや時差出勤の推奨や、作業環境の整備を行っております。

 

(気候変動)

当社グループは国内外に広く事業を展開しており、今後、気候変動に関連する政策の変更や規制強化により、販売機会への影響を受ける可能性があります。また、異常気象により、サプライチェーン分断や工場操業停止などが発生する可能性があります。これに対し、従来の事業のスリム化や電動化関連事業の強化、また、グローバルでの生産補完や調達ソースの多元化などによるサプライチェーンの強靭化を進めてまいります。詳細は以下②事業戦略に記載しております。

当社は、ESG対応として環境プロジェクト部門エコ・ファクトリー推進課を設置し、製造工程の廃棄物50%削減を目指して活動をしております。また、2022年6月に「TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosure:気候関連財務情報開示タスクフォース)」提言への賛同を表明いたしました。TCFD提言への賛同を機に、気候変動がもたらす事業へのリスクと機会について、分析と対応を強化し、関連情報の開示を積極的に推進してまいります。

 

 

①ガバナンス

当社グループは2022年5月にサステナビリティ基本方針を策定いたしました。同方針具現化のため、当社グループ全体を統括するサステナビリティ委員会を設置いたします。同委員会では代表取締役を委員長とし、経営課題として重要な気候変動を含むサステナビリティに関する重要なリスクと機会を特定し、マネジメントするため、中長期計画の策定、当社グループ全体の活動推進、その進捗のモニタリング等を実行いたします。その結果は定期的に取締役会に報告され、取締役会ではその報告内容の管理及び監督を行っております。

 


 

②事業戦略

当社グループでは、TCFDが提言する気候変動のシナリオ分析と気候変動リスクと機会が事業に与える影響を把握し、その影響に対する戦略の策定を進めております。

 


 

③リスク管理

当社グループでは、サステナビリティ委員会にて、リスクのモニタリングや再評価、重要リスクの絞り込み等を行い、今後の戦略に反映し、リスクへ対応いたします。

 

④指標と目標

当社では、「2025年に製造工程の廃棄物の50%削減」「2030年にCO2の46%削減(2013年基準)」「埋立処分率2040年までに1%以下」「2050年までにカーボンニュートラル」を目標に設定しております。目標達成に向けて、商品、技術開発、工法、生産工程、物流などの各分野においてCO2削減活動を推進してまいります。今後、グループ全体の指標と目標につきましても検討を進めてまいります。

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