研究開発活動

5【研究開発活動】

当社グループの主な研究開発は、提出会社と連結子会社の新揚科技股份有限公司、㈱サトーセン、Protec Arisawa Europe, S.A.、Protec Arisawa America, Inc.、カラーリンク・ジャパン㈱が行い、他の連結子会社へ技術展開を図っております。

研究開発は、技術開発企業として、多様化、高度化するユーザーニーズに応えるべく、フレキシブルな組織体制を基本とし、電子材料分野、産業用構造材料分野、電気絶縁材料分野及びディスプレイ材料分野を中心に、新製品の立上げ、次世代製品の育成及び将来を見据えた技術の振興と基盤技術の拡大を目指し新技術、新製品の研究開発に邁進しております。

電子材料としては、FPC(フレキシブルプリント配線板)用材料、プリント配線板用硝子クロス、特殊プリント配線板用プリプレグ等が、産業用構造材料としては、車載用材料、水処理関連材料、航空機内装用材料が、電気絶縁材料としては、電気絶縁用プリプレグ、各種成形品等が、ディスプレイ材料としては、3Dフィルター、光学成形品等があげられます。

当連結会計年度末の研究開発活動に係る人員は165名であり、当連結会計年度の研究開発費は1,926百万円であります。

当連結会計年度における各セグメント別の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

(1)電子材料分野

・FPC材料

モバイル機器では5G通信対応製品が普及してきておりますが、本格的な5G通信には今よりも高周波(ミリ波)領域での通信が必要とされています。このミリ波領域での高速通信に使用される電子機器には、信号伝送ロスの低減化が要求されます。これに対応すべく、当社では様々な信号伝送ロスの小さい低誘電FPC材料をラインナップしております。また次世代通信の6Gについても検討が開始されており、更なる高周波対応が要求されます。この動向に対応すべく、当社では低誘電特性に優れる素材としてフッ素系の材料を使用した銅張積層板を開発しました。現在、顧客各社での評価が進んでおります。

・車載用電子材料

EV化が進む自動車において電子部品の小型化、軽量化を目的としたFPC材料の採用検討が進んでおります。車載用FPC材料として必要とされるものの一つに、高電流に対応した厚い銅回路のFPCがあります。モバイル機器等に使用される銅回路と比較し、およそ10倍の厚さが必要となります。当社では加工技術を駆使して、この要求に対応した銅張積層板の開発に成功しました。現在、顧客での採用評価が進んでおります。

また、搭載されるICパワーモジュールの高性能化が進む中、ICの発熱量も増大傾向であり、この発熱を効率的に放熱するために放熱特性の優れた接着シートが必要とされます。当社では放熱特性1~10W/m・kの各種絶縁接着シートのラインナップに加え、業界最高レベルの15 W/m・k品を開発し、各社へのサンプルワークを開始しました。

電子材料に係る研究開発費は1,185百万円であります。

(2)産業用構造材料・電気絶縁材料分野

・水処理用FRP製圧力容器

当社のFRP製圧力容器は、海水淡水化をはじめとして長年水処理用途に幅広く利用されています。近年、国内では改正食品衛生法の適合証明も受けており、飲料水用途に適用されています。連結子会社Protec Arisawa Europe, S.A.およびProtec Arisawa America, Inc.でもACS認証(フランス衛生適合証明)やNSF-61認証(アメリカ飲料水規格)の取得に向けて認定試験を進めています。今後も水資源確保に貢献する製品の開発に取り組んで参ります。

・航空機分野での環境負荷低減材料

近年、環境規制が高まる中、航空機業界においても環境負荷低減材料が求められております。現在、機体内装の壁材に使用されるハニカムパネルは、難燃性を持たせるためハロゲンやアンチモンの環境負荷物質が含まれています。当社は、独自の配合技術を駆使し世界発のノンハロゲン、ノンアンチモンの環境負荷を低減したハニカムパネル材料を開発しました。今後、顧客評価を進め航空機メーカーへの採用を目指します。

・災害対策用材料

自然災害の台風、洪水や地震が多くなり、建物や構造材の補強や防災対応が進んでいます。炭素繊維を補強材料として用い、高強度樹脂を含浸させて硬化したCFRPが構造材の補強用として採用され、様々な分野での用途展開が見込まれております。また、火災時の延焼を防ぐため難燃性を有したFRP材の要求も高まっており、自社独自の樹脂配合と成形方法を駆使し、難燃性に加え高透過率、高剛性及びUV、IRカット性能を満たした透明GFRPシートを開発しました。エクステリア材等への適用に向け顧客評価が進んでおります。当社では、今後もこれらの分野に注力し、差異化した材料開発を進めてまいります。

産業用構造材料及び電気絶縁材料に係る研究開発費は477百万円であります。

 

(3)ディスプレイ材料分野

・3Dディスプレイ材料

当社の3Dフィルター「Xpol®」を使用する3Dシステムは、高い信頼性と3D性能により、医療分野への採用が進んでおります。近年、内視鏡手術用に加え、4K解像度の高画質ディスプレイを使用した顕微鏡手術用途への採用が増えてきております。高解像度でも十分な3D視野角と明るさを両立する独自のXpol®設計によりロボティック手術用途への顧客評価が進んでおり、今後、5Gによる高速通信環境を利用した遠隔医療への採用拡大が期待されます。

・機能性粘着材料

独自の樹脂配合技術により、ディスプレイ周辺に使用する機能性粘着材料の開発を進めております。ミニLEDや液晶ディスプレイなど、用途に合わせて機能をカスタマイズし各社へサンプルワークを開始しました。環境負荷低減を目的に、溶剤を使わない樹脂配合にて開発した特殊粘着材料は、光学用途で必要とされる高い信頼性と透明性を両立し、顧客認定を取得しました。当社の3Dフィルター「Xpol®」を使用する3Dシステムは、高い信頼性と3D特性より、医療分野に採用されています。近年、内視鏡手術用に加え、4K解像度のディスプレイを使用した顕微鏡手術用途への採用も増えてきております。今後、ディスプレイの更なる高解像度化を見据えた新製品の開発や、高速通信環境下での遠隔医療や遠隔工事への用途展開に取り組んでまいります。

ディスプレイ材料に係る研究開発費は249百万円であります。

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