課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)T-2023進捗状況

(総括)

当社グループにおいては、昨年5月に公表した中期経営計画「T-2023」 (2021年~2023年)の基本方針「主力事業の成長軌道回帰」「事業ポートフォリオの最適化(選択と集中)」「連結ガバナンス体制強化」の下、事業活動を展開してまいりました。新型コロナウイルス感染再拡大による景気回復の鈍化、半導体不足による供給制約、コンテナ不足に伴う海上輸送の混乱の影響等はあるものの、当社の対面業界である自動車及びタイヤ産業、半導体産業等の需要は大きく回復し、T-2023初年度の2021年の実績につきましては、当初想定した売上高2,279億円、営業利益181億円を上回り、売上高2,588億7千4百万円、営業利益246億4千7百万円という結果となりました。

 

(主力事業の成長軌道回帰)

黒鉛電極事業は製品価格の値上げを実施しており、2022年以降も値上げを継続していく予定です。中長期的にも粗鋼生産の継続的成長と電炉鋼比率の上昇に伴い、電極の需要は拡大していく見通しです。カーボンブラック事業は、地域によってバラツキはあるものの、コロナ禍からの回復が早く、今後も堅調に推移する見通しです。

 

(事業ポートフォリオの最適化)

事業の選択と集中の一環で、中国でカーボンブラックの製造・販売を行っている子会社の、「東海炭素(天津)有限公司」の売却を決定いたしました。また、ファインカーボン事業のSiCリング等、高付加価値商品の生産能力の増強投資も着実に実施しています。また、11月には、「事業ポートフォリオマネジメント基本方針」を制定し、自社の資本コストを踏まえた収益力・資本効率性の目標設定とモニタリングに加え、長期ビジョンとの整合性や中長期的な成長等の視点も加味し、事業ポートフォリオの方向性について、年次で取締役会で審議することといたしました。

 

(連結ガバナンス体制強化)

改定CGCに対応し、子会社の内部統制システム、品質管理体制強化等の取り組みを行っています。また、2021年5月に社長をリーダーとするカーボンニュートラル推進プロジェクトを発足し、自社のCO₂排出量削減に加え、再生エネルギーの活用や顧客の生産性を高める製品開発等を含めた、カーボンニュートラルへの取り組みをグループ横断的に実施しています。

 

(2)対処すべき課題

脱炭素に向けた世界的な取り組みが急激に進む中、炭素業界のパイオニアとして、100年余に亘り「カーボン」を生業とし社名にも掲げてきた当社が、未来を見据え、どのように成長機会を捉え、顧客を創造し、社会に貢献していけるかのビジョンを描き、実践していくことが大きな課題となっています。こうした中、当社は「先端素材とソリューションで、持続可能な社会の実現に貢献する」という、2030年に向けた長期ビジョンを新たに作成し、この長期ビジョンに基づきローリング中期経営計画T-2024を策定いたしました。T-2024では、引き続き、「主力事業の成長軌道回帰」、「事業ポートフォリオの最適化(選択と集中)」、「連結ガバナンス体制強化」を基本方針として掲げ、中期経営計画の目標達成及び長期ビジョンの実現を目指してまいります。

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